第百五十四話(死神篇)
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~no side~
サイレンが鳴り響く夜。
銀時はとあるおでん屋の屋台で飲んだくれていた。
「旦那、そろそろ店仕舞いだ。最近はこの辺りも物騒だって言うし、早く帰んな」
(銀)「物騒? いつものこったろ。ヒック…」
「酔っぱらいを狙った辻斬りの話知らねーのかい? 一昨日も路地裏で死体が見つかったってさ。その死体がまた奇妙でねェ。一見傷もなんもねェただの酔っ払いに見えるんだが、首の皮一枚残してバッサリよ。人間業じゃねェその様子から死神の仕業じゃねーかなんて噂がたつ始末さ」
(銀)「どーりでどこもかしこも人が歩いてねぇハズだ。ヒック…。こうも辛気臭いんじゃ酒がマズくていけねェ。死神でもなんでも一杯付き合ってほしいもんだよ」
「旦那、酒もほどほどにしねーとホントに死神が酌しにくるぜィ。ひぃ、恐ェ恐ェ。ロウソクの火が消されちまう前に行灯おろすのが利口だ」
・
・
・
・
その後、屋台を出た銀時はフラフラと人気の少ない通りを歩いていた。
(銀)「アホらし。何が首の皮一枚だ。大したこっちゃねェ。んなもん俺にだって出来るっての、ヒック…。ウチなんて毎日首の皮一枚だよ?……家計が」
(?)「それ本当ですか?」
(銀)「えっ…」
聞こえてきた声に銀時が目をやると、そこの空き地には…
(死神)「アナタ、剣の腕が立つんですね。じゃあ是非お願いしたいんですけど。私の介錯を…」
短刀を前に座っている、真っ黒いコートに身を包んだ骸骨顔の死神が…。
(銀)「………」
その姿に、銀時は冷や汗をダラダラと流れしていた。
・
・
・
・
(銀)「よく解んないけどさぁ、思い直した方がいいんじゃないかなぁ? 君が切腹は、あのォ…色々マズイんじゃない?」
すっかり酔いが醒めてしまったらしい銀時は、置いてあった刀を片手に死神に話しかける。
(銀)「なんて言うか…色々間違ってるって言うか…。要するに…らしくねーよ。元気出せよ!」
(死神)「アナタに私の何が解るんですか!」
(銀)「何が解るって…あの、結構丸出しっていうか……」
(死神)「人を見た目で判断しないでください。私の悩みなんて知らないくせに」
(銀)「大体察しがつくよ。卍解が習得できない的なアレだな」
(死神)「違います!」
(銀)「とにかくだ、命を粗末にするんじゃねーよ。君には他人の命を奪うという大切な使命が……いや、違うな…。あの、奪うからこそ命の尊さを誰より知ってるワケで…なんか違うな。おいもうメンド臭せェよ。死神の自殺の止め方なんて解んねーよ」
(死神)「私はこの手で奪った命の償いをしなければいけないんです」
(銀)「いや、解るけどさぁ、仕事でしょ? それは。仕方ないって。みんな解ってくれてるって」
だが次の瞬間…
(死神)「うっ…!」
なんと、死神が自分の腹に短刀を刺してしまったのだ。
(死神)「い、いいから早く介錯を…!」
(銀)「ええええええええええええええ!?」
(死神)「お願いします! ゼー…介錯を…ハー……早く楽に…!」
(銀)「もう知んねーぞ。恨まないでね。寿命縮めたりしないでね」
銀時が刀を振り上げる。
(死神)「いだだだだだだ! 死ぬぅ!!死ぃぬぅ!!」
(銀)「死にたいんじゃなかったっけ!?」
(死神)「早く! 早くぅ!!」
だが死神が暴れ回るので、銀時もなかなか照準が定まらない。
(銀)「ちょっと! あんま動かないでくんない!? コイツ、ホンとに死神か? い、いくぞ…」
とその時、銀時の鼻の辺りにハエが飛んできて…
(銀)「ハ、ハクッシュン!!」
とクシャミをした瞬間に刀が飛んでって壁に刺さってしまった。
(銀)「あっ…」
コソコソ…と、死神の後ろから抜けて、刺さった刀を抜きにかかる。
(死神)「あ、あの…ま、まだですか? 早く…早く楽にしてほしいんですけど……」
(銀)「ちょ、ちょっと待て。こっち向くなよ? 今狙い定めってっから。一発だから。瞬殺だから!」
すると刀を抜けた。
かと思えば刀が割れて、先端の部分は壁に突き刺さったままとなってしまう。
(死神)「あ、あの…ま、まだですか!? ちょっとそろそろマジで痛いんでホントにお願いします…!」
血がブシャッと吹き飛ぶ。
(銀)「お、おおお落ちつけ! これがお前が今迄命を奪ってきた者達の痛みだ!」
銀時がガムテープで真っ二つに割れた刀をくっつける。
(銀)「そしてこれが、クリリンの分だァァァァ!!」
だが銀時が刀を振り上げたその時、やはりガムテープがほどけて、そのまま銀時の頭に刀の先がブスッ…と刺さってしまった。
そのまま後ろにバタンと倒れてしまう銀時。
(死神)「ちょっと! 何やってんですか! マジでもう限界! ゲボッ!」
死神が血を吐きだし、その場に倒れこむ。
しかも死神の腹からは何か長い奇妙のなものが…内臓のようなものが出てきていた。
(死神)「た、助けて……ぐるじぃ…!」
手を伸ばす死神。血がどんどん地面に染みわたっていく。
(銀)「ゴ、ゴゴゴメンなさい! やっぱ無理! もう無理!」
(死神)「今更何ぬかしてんだ! もうこっちは内臓飛びでてんだよ!」
(銀)「こっちも脳みそ出てるんでおあいこって事で!」
すると死神が内臓で銀時の首を絞める。
(死神)「今更怖気づいてんじゃねェ! 殺れ、早く! 私を殺せェェェェェェ!!」
(銀)「死ぬぅぅぅぅぅ! こっちが死ぬぅぅぅぅぅ!!」
そして銀時は近くにあった石を手に取り…
バコッ!!
(死神)「ふぐっ…!」
死神の頭を殴り、死神はその場にバタン…と倒れた。
(銀)「うっ…ゲホッ、ゲホッ…。介錯って言うか…火サスになったァァァァァ!!」
死神は頭から血を流して、動かない。
(銀)「お、俺のせいじゃないよね? 殺人じゃないよね? コレ。ただの介錯だよね? コレ。大体死神介錯したって罪になんてなるワケ……」
とその時、サイレンの音が銀時の耳に入ってきた。
(銀)「はっ…!」
サイレンが鳴り響く夜。
銀時はとあるおでん屋の屋台で飲んだくれていた。
「旦那、そろそろ店仕舞いだ。最近はこの辺りも物騒だって言うし、早く帰んな」
(銀)「物騒? いつものこったろ。ヒック…」
「酔っぱらいを狙った辻斬りの話知らねーのかい? 一昨日も路地裏で死体が見つかったってさ。その死体がまた奇妙でねェ。一見傷もなんもねェただの酔っ払いに見えるんだが、首の皮一枚残してバッサリよ。人間業じゃねェその様子から死神の仕業じゃねーかなんて噂がたつ始末さ」
(銀)「どーりでどこもかしこも人が歩いてねぇハズだ。ヒック…。こうも辛気臭いんじゃ酒がマズくていけねェ。死神でもなんでも一杯付き合ってほしいもんだよ」
「旦那、酒もほどほどにしねーとホントに死神が酌しにくるぜィ。ひぃ、恐ェ恐ェ。ロウソクの火が消されちまう前に行灯おろすのが利口だ」
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その後、屋台を出た銀時はフラフラと人気の少ない通りを歩いていた。
(銀)「アホらし。何が首の皮一枚だ。大したこっちゃねェ。んなもん俺にだって出来るっての、ヒック…。ウチなんて毎日首の皮一枚だよ?……家計が」
(?)「それ本当ですか?」
(銀)「えっ…」
聞こえてきた声に銀時が目をやると、そこの空き地には…
(死神)「アナタ、剣の腕が立つんですね。じゃあ是非お願いしたいんですけど。私の介錯を…」
短刀を前に座っている、真っ黒いコートに身を包んだ骸骨顔の死神が…。
(銀)「………」
その姿に、銀時は冷や汗をダラダラと流れしていた。
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(銀)「よく解んないけどさぁ、思い直した方がいいんじゃないかなぁ? 君が切腹は、あのォ…色々マズイんじゃない?」
すっかり酔いが醒めてしまったらしい銀時は、置いてあった刀を片手に死神に話しかける。
(銀)「なんて言うか…色々間違ってるって言うか…。要するに…らしくねーよ。元気出せよ!」
(死神)「アナタに私の何が解るんですか!」
(銀)「何が解るって…あの、結構丸出しっていうか……」
(死神)「人を見た目で判断しないでください。私の悩みなんて知らないくせに」
(銀)「大体察しがつくよ。卍解が習得できない的なアレだな」
(死神)「違います!」
(銀)「とにかくだ、命を粗末にするんじゃねーよ。君には他人の命を奪うという大切な使命が……いや、違うな…。あの、奪うからこそ命の尊さを誰より知ってるワケで…なんか違うな。おいもうメンド臭せェよ。死神の自殺の止め方なんて解んねーよ」
(死神)「私はこの手で奪った命の償いをしなければいけないんです」
(銀)「いや、解るけどさぁ、仕事でしょ? それは。仕方ないって。みんな解ってくれてるって」
だが次の瞬間…
(死神)「うっ…!」
なんと、死神が自分の腹に短刀を刺してしまったのだ。
(死神)「い、いいから早く介錯を…!」
(銀)「ええええええええええええええ!?」
(死神)「お願いします! ゼー…介錯を…ハー……早く楽に…!」
(銀)「もう知んねーぞ。恨まないでね。寿命縮めたりしないでね」
銀時が刀を振り上げる。
(死神)「いだだだだだだ! 死ぬぅ!!死ぃぬぅ!!」
(銀)「死にたいんじゃなかったっけ!?」
(死神)「早く! 早くぅ!!」
だが死神が暴れ回るので、銀時もなかなか照準が定まらない。
(銀)「ちょっと! あんま動かないでくんない!? コイツ、ホンとに死神か? い、いくぞ…」
とその時、銀時の鼻の辺りにハエが飛んできて…
(銀)「ハ、ハクッシュン!!」
とクシャミをした瞬間に刀が飛んでって壁に刺さってしまった。
(銀)「あっ…」
コソコソ…と、死神の後ろから抜けて、刺さった刀を抜きにかかる。
(死神)「あ、あの…ま、まだですか? 早く…早く楽にしてほしいんですけど……」
(銀)「ちょ、ちょっと待て。こっち向くなよ? 今狙い定めってっから。一発だから。瞬殺だから!」
すると刀を抜けた。
かと思えば刀が割れて、先端の部分は壁に突き刺さったままとなってしまう。
(死神)「あ、あの…ま、まだですか!? ちょっとそろそろマジで痛いんでホントにお願いします…!」
血がブシャッと吹き飛ぶ。
(銀)「お、おおお落ちつけ! これがお前が今迄命を奪ってきた者達の痛みだ!」
銀時がガムテープで真っ二つに割れた刀をくっつける。
(銀)「そしてこれが、クリリンの分だァァァァ!!」
だが銀時が刀を振り上げたその時、やはりガムテープがほどけて、そのまま銀時の頭に刀の先がブスッ…と刺さってしまった。
そのまま後ろにバタンと倒れてしまう銀時。
(死神)「ちょっと! 何やってんですか! マジでもう限界! ゲボッ!」
死神が血を吐きだし、その場に倒れこむ。
しかも死神の腹からは何か長い奇妙のなものが…内臓のようなものが出てきていた。
(死神)「た、助けて……ぐるじぃ…!」
手を伸ばす死神。血がどんどん地面に染みわたっていく。
(銀)「ゴ、ゴゴゴメンなさい! やっぱ無理! もう無理!」
(死神)「今更何ぬかしてんだ! もうこっちは内臓飛びでてんだよ!」
(銀)「こっちも脳みそ出てるんでおあいこって事で!」
すると死神が内臓で銀時の首を絞める。
(死神)「今更怖気づいてんじゃねェ! 殺れ、早く! 私を殺せェェェェェェ!!」
(銀)「死ぬぅぅぅぅぅ! こっちが死ぬぅぅぅぅぅ!!」
そして銀時は近くにあった石を手に取り…
バコッ!!
(死神)「ふぐっ…!」
死神の頭を殴り、死神はその場にバタン…と倒れた。
(銀)「うっ…ゲホッ、ゲホッ…。介錯って言うか…火サスになったァァァァァ!!」
死神は頭から血を流して、動かない。
(銀)「お、俺のせいじゃないよね? 殺人じゃないよね? コレ。ただの介錯だよね? コレ。大体死神介錯したって罪になんてなるワケ……」
とその時、サイレンの音が銀時の耳に入ってきた。
(銀)「はっ…!」
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