第百六十五話

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名前(デフォルト:音莉〔おとり〕)

ある日、銀さんと一緒にジャンプを読んでいると、とあるページが目に入った。


(新)「ていうか音莉さん、もう銀さんと一緒にジャンプ読むの日常になってません…?」


(神)「自分の好きな人が好きなものは私も好きになりたいっていう音莉の優しさアル。他の女がやると腹立つけど、音莉がやると必死さが伝わってきてなんだか可愛いアル」


二人の会話を聞いてないふりをしてるけど、結構恥ずかしい事言われてる気がする……。



っていうのはちょっと置いといて。


そのジャンプのページに大きく書かれていたのは……


(あ)「『銀魂のすごろく、10月20日発売』か…」


(銀)「オイ、何だ? コレ」


(新)「何だ、コレって…今度PSPで発売されるゲームですよ。バンダイナムコさんが必殺技も何もない地味なこの小説の原作を、再び苦心してゲーム化してくれたんですよ」


(銀)「つーか発売って……現実世界ではもう三年以上前に発売されてるんだけど。漫画でネタにするのはいいけど、単行本化されてから小説化されるまでどれくらいかかると思ってんだ。これアレじゃん。絶対実写化ネタを原作でイジって小説化される頃には、映画館での上映はおろか、地上波初放送も終わってる頃だったりするんだろ?」


(あ)「いや、今どっちにしろ原作がそんな感じじゃないので、多分それはないとお……いや、空知先生なら分からないですね。ていうか、実際にあったみたいですけど……」


(銀)「そもそもさ、せめて小説化するなら、最近スマホとかで出た銀魂大活劇の方で書けよ。駄作者、オメー何年小説書き続けてんだ。ちょっとシナリオ変えるくらいなんとかしろよ」


(神)「それはムリアル、銀ちゃん。だって駄作者の頭は進化するどころか退化してるアル。私達を銀魂大活劇で進化させてる分、小説をサボってる駄作者に今更進化なんて望めないネ」


(新)「それは僕も否定しません」


(神)「今回こっちの世界で出るゲームは双六調のボードゲームネ。『桃鉄』とか『いたスト』みたいな、みんなでワイワイやれるゲームアルな。必殺技がないなりに色々工夫してくれたみたいネ」


(銀)「いやいや、双六だか何だかしんねーけど、聞いてないんだけど、俺。権利関係とかそういうのどうなってるワケ? おかしくね? バンナム」


(新)「いや、そもそも自分達のゲームの話してる主人公の方がおかしいんで…」


(銀)「確かに、今まではそうだったよ? どこで誰が俺達のゲーム作って発売しようが、ことごとく売り上げがスベリ倒そうが、見て見ぬ振りしてきたよ?」

(新)「失礼な事言うな! 二度とゲーム作ってもらえなくなるぞ!」


(銀)「そもそもキャラゲーってのは、古来よりクソゲーの温床でもあるしな」


(新)「クソゲーじゃねェ! 売れなかっただけだ! 愛情はこもってたでしょーが!」


(あ)「実際初週の売り上げはそこそこあったみたいですけどね…」


(銀)「だがここらで流石に一発花火あげねーと、銀魂というコンテンツ自体がスポンサーから見限られる恐れも出てくる。ひいてはあらゆるメディア、グッズ展開も先細りしていき、原作にまで害を及ぼしかねない」


(新)「いや、原作がコレだから売れてないんですけど…」

(銀)「そろそろ俺達も言うべき事は言わなきゃいけない時なんじゃねーのか? 人が黙ってたら、双六とか適当なモン作りやがって…。間違いなく数ヵ月後にはワゴンセール行きだぞ?」


(新)「発売直前に何とんでもない事言ってんの!? 売れるに決まってんだろ!? いや、現実世界ではそうかもしれないけど、この世界ではまだ分からねーだろ!?」


(銀)「他のジャンプ主人公は少年が多いし、忙しくて商売に口挟む暇もなかったんだろうけど、俺は言うからね? 大人の主人公として、ダメな所はダメってちゃんと言っていくからね?」


(新)「アンタが一番ダメなんだけど。商品展開にまで口出ししてくるメンド臭ェ主人公なんて聞いた事ないよ!」


(あ)「メンド臭いっていうか、毎日ギャンブルに現をぬかして、家賃も払わず仕事もしないニート……ダメ男の典型的パターンですよね」


(銀)「音莉っつぁーん!? 銀さん泣くよ!? 俺お前の彼氏だよね? 彼氏にその言いようヒドくね!?」


(あ)「ダメな大人の主人公の彼女として、ダメな所はちゃんとダメって言っていきますから」


(神)「おお、さすが音莉。カッコいいアル!」


(銀)「でも、そんなダメ男に善がりまくって腰振ってんのはお前だろ?」


(あ)「そ、それは今関係ないでしょ!?///」


(銀)「俺達も今までみたいにバンナム任せで、無関心じゃダメって話をしてんの。これからの時代は、自分達で商品管理するくらいの主人公じゃなきゃやっていけねーよ。そこでだな……」




そして銀さんはニヤリと笑うと、社長イスから立ち上がった。
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