第百三十六話
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(新)「おはようございまーす!」
三が日が終わったあくる日、新八君が万事屋に出勤してきた。
(あ)「あ、新八君! ちょっと大変なの!」
私はやってきた新八君に声をかける。
(新)「どうしたんですか? 音莉さん」
(あ)「それが…」
(新)「はぁ…またか……」
私が言いかけると、言いたい事が解ったのか、こたつのある部屋に行く新八君。
(あ)「あ、でもちょっと待って!」
けど私が止める前に、新八君が襖を開けてしまう。
(新)「コルァァァァァ! こたつで寝たら風邪ひくって言ったでしょうがァァァァ!!」
新八君が襖を開けると、そこはもうゴミクズだらけ。銀さんも神楽ちゃんも、定春までこたつに潜って眠ってしまっており、さらには動くのが面倒だからと冷蔵庫まで部屋に持ってきてしまった始末だ。
(新)「いい加減にしてくださいよ、だらしない! 定春まで!」
定春が「くわぁ…」と大きなあくびをする。
(新)「新年一発目から何!? このありさま! 全ての物がこたつから手が届くようになってるじゃないスか! 自堕落にも程がありますよ!」
(銀)「あー…うっせーなぁ…。寒いから出たくねーんだよ。正月位ダラダラさせろ、バカヤロー…」
なんて事を言いながら、こたつに潜ったまま歯を磨きだす銀さん。
(新)「年中ダラついてる人が何言ってんですか!」
(あ)「ていうかお正月はもう終わりました! 三が日も昨日で終わってます!」
(神)「ぱっつぁん、私こたつと結婚する事に決めたアル。もう離れ離れで生きていける気がしないネ」
なんて事を言った神楽ちゃんが鼻をかみ、テレビの電源をつける。
(新)「こたつから出てこない嫁なんて、こたつもお断りだよ」
冷蔵庫の中身を確認して、倒れているゴミ箱を立てる新八君。
(新)「ちょっと出てきてくださいよ」
けど一向に動かない銀さんと神楽ちゃん。
(あ)「昨日からずっとこの調子なの」
気のせいかな…昨日こたつが壊れて銀さんが地球防衛基地に買いに行った後から本当に動かなくなった気がする。
(新)「年末から買い出しに行ってないから、冷蔵庫空ですよ? これじゃあお昼ご飯も作れない」
(神)「ええー? いいヨぉ、買い出しなんてもう。ご飯なら…ホラ」
と、神楽ちゃんがこたつの中から肉まんを取りだした。
(神)「ホカホカの肉まんがあるアル」
(新)「いや、気持ち悪いわ! こたつどんな使い方してんの!」
(あ)「ていうかこたつの熱で肉まん温められちゃうって…どんだけこたつ働かしてんの」
(神)「じゃあいいヨ、やんないから。銀ちゃん、からしは?」
(銀)「あるけど…地平線の彼方だな」
ゴミ箱にうがいの水を吐き捨てた銀さんが、手は届かないけど目と鼻の先に転がっているからしのチューブの方を見る。
(神)「じゃあそのはみがき粉でいいアル」
(新)「いい加減にしろ!! 新年一発目からどんだけだらけてんだよ! 居心地いいにしてもやりすぎだろ!?」
(あ)「やっぱり昨日こたつ新調してからずっとその調子じゃないですか! しゃきっとしてください、しゃきっと!」
けど銀さんはみかんの皮を向き、神楽ちゃんは本当にはみがき粉をつけて肉まんを食べ、定春も雑誌を読んでいる。
(新)「コンセントは!? どこ!?」
(銀)「コンセントなんてねーよ」
(新)「ウソついてんじゃねーよ! 出せ! どこ隠した!?」
(銀)「だから、んなもんねェっつってんだろ?」
(新)「すっとぼけてんじゃねーよ! コンセントもなしでどうやってオンオフ切り替えるんだよ!」
(銀)「オンオフなんて切り替える必要ねーよ」
(あ)「はぁ!? もういい加減にしてください! 解りました! そこまで言うならもう根元からコンセントの線切りますからね!」
私は何故か呪符が大量に貼られたこたつ布団をめくる。
けどその中には本当にコンセントなんてなかった。
(銀)「だって…俺達もう…ここから出ないんだから………」
なんとこたつの中は…吸いこまれるような宇宙が広がっていたのだ。
(あ)「な、何…コレ……」
(新)「う、宇宙…?」
けどよく見ると、その宇宙の中に一つ星がある。
(あ)「コレ…宇宙っていうよりブラックホールじゃ……」
とその時…
ヒューーーン…
(あ)「えっ…」
なんと、新八君がこたつの中のブラックホールに吸い込まれて消えてしまった。
そのままこたつ布団がハラリと落ちてきて、私はただ呆然とこたつ布団を見つめる事しかできない。
そしてしばらくの間、テレビからのお通ちゃんの声しか聞こえなくなる。
(あ)「………」
ど、どうしよう…これ助けに行ったほうがいいのかな?
で、でも私まで吸いこまれちゃったら終わりだし…ていうかこのこたつ、一体何なの!?
とその時、こたつの中から新八君の手が伸びてきて、ガシッと畳に爪をたてる。
(あ)「し、新八君! 大丈夫!?」
その新八君の手を必死で引っ張る。けど一体中がどうなっているのか、思いっきり引っ張ってもなかなか新八君が出てこない。
(あ)「ふんぬぅ…!」
そして私の出せる力いっぱいを出しきった時、新八君が汗まみれの顔をこたつの外に出した。
(銀)「何やってんだ? ぱっつぁん。うるせーよ?」
(新)「待てェェェェェ!! ちょ、ちょっと待って!?」
新八君がこたつ布団をめくる。
だがそこで驚くべき光景が目に入った。
なんと、新八君の下半身が伸びて、まるで繋ぎとめられているかのようにブラックホールに吸い込まれていたのだ。
(新)「な、何コレ! 何!? このこたつ! なんでこたつの中にブラックホールが誕生してるんですか!?」
(銀)「今さら何言ってんだ。それがこたつってもんだろ。一度入ったら二度と出られない、人を怠惰な悦楽に浸らせ、やる気を全て吸い取る四角いブラックホール…それがこたつだ」
(新)「知らねーよ、そんな恐ろしげな家電製品! そういうんじゃなくて、マジで何かありましたよ!? マジで身体抜けなくなっちゃいましたよ!?」
(あ)「銀さん地球防衛基地に壊れたこたつ持ってって買い取ってもらったんですよね!? そのお金でこたつ買ったんですよね!? ていうかこれ本当に売り物だったんですか!?」
(銀)「処分に困ってるからタダでやるってよォ。デザインが気に入ってな。いいだろ? コレ」
(新)「デザインっつーかよくよく見たら不気味な呪符が貼り巡らされてるんですけど!?」
(銀)「なんだっけなぁ…前の持ち主がなんちゃらコロ大魔王を封印したこたつとか言ってたけど、恐ェからあんま聞かないようにして、途中で持って帰ってきた」
(新)「いや、恐いトコほとんど聞いてんじゃねーか! 『ピッ』が抜けてるだけだろーが!」
(あ)「それどう考えてもピッコロ大魔王ですよね!?」
(銀)「安心しろ。ピッコロ大魔王じゃねーよ。確か根っから大魔王とかそんなカンジだった」
(新)「根っから大魔王ってそれはそれで恐すぎだろ! 問題そこじゃないですよ!」
三が日が終わったあくる日、新八君が万事屋に出勤してきた。
(あ)「あ、新八君! ちょっと大変なの!」
私はやってきた新八君に声をかける。
(新)「どうしたんですか? 音莉さん」
(あ)「それが…」
(新)「はぁ…またか……」
私が言いかけると、言いたい事が解ったのか、こたつのある部屋に行く新八君。
(あ)「あ、でもちょっと待って!」
けど私が止める前に、新八君が襖を開けてしまう。
(新)「コルァァァァァ! こたつで寝たら風邪ひくって言ったでしょうがァァァァ!!」
新八君が襖を開けると、そこはもうゴミクズだらけ。銀さんも神楽ちゃんも、定春までこたつに潜って眠ってしまっており、さらには動くのが面倒だからと冷蔵庫まで部屋に持ってきてしまった始末だ。
(新)「いい加減にしてくださいよ、だらしない! 定春まで!」
定春が「くわぁ…」と大きなあくびをする。
(新)「新年一発目から何!? このありさま! 全ての物がこたつから手が届くようになってるじゃないスか! 自堕落にも程がありますよ!」
(銀)「あー…うっせーなぁ…。寒いから出たくねーんだよ。正月位ダラダラさせろ、バカヤロー…」
なんて事を言いながら、こたつに潜ったまま歯を磨きだす銀さん。
(新)「年中ダラついてる人が何言ってんですか!」
(あ)「ていうかお正月はもう終わりました! 三が日も昨日で終わってます!」
(神)「ぱっつぁん、私こたつと結婚する事に決めたアル。もう離れ離れで生きていける気がしないネ」
なんて事を言った神楽ちゃんが鼻をかみ、テレビの電源をつける。
(新)「こたつから出てこない嫁なんて、こたつもお断りだよ」
冷蔵庫の中身を確認して、倒れているゴミ箱を立てる新八君。
(新)「ちょっと出てきてくださいよ」
けど一向に動かない銀さんと神楽ちゃん。
(あ)「昨日からずっとこの調子なの」
気のせいかな…昨日こたつが壊れて銀さんが地球防衛基地に買いに行った後から本当に動かなくなった気がする。
(新)「年末から買い出しに行ってないから、冷蔵庫空ですよ? これじゃあお昼ご飯も作れない」
(神)「ええー? いいヨぉ、買い出しなんてもう。ご飯なら…ホラ」
と、神楽ちゃんがこたつの中から肉まんを取りだした。
(神)「ホカホカの肉まんがあるアル」
(新)「いや、気持ち悪いわ! こたつどんな使い方してんの!」
(あ)「ていうかこたつの熱で肉まん温められちゃうって…どんだけこたつ働かしてんの」
(神)「じゃあいいヨ、やんないから。銀ちゃん、からしは?」
(銀)「あるけど…地平線の彼方だな」
ゴミ箱にうがいの水を吐き捨てた銀さんが、手は届かないけど目と鼻の先に転がっているからしのチューブの方を見る。
(神)「じゃあそのはみがき粉でいいアル」
(新)「いい加減にしろ!! 新年一発目からどんだけだらけてんだよ! 居心地いいにしてもやりすぎだろ!?」
(あ)「やっぱり昨日こたつ新調してからずっとその調子じゃないですか! しゃきっとしてください、しゃきっと!」
けど銀さんはみかんの皮を向き、神楽ちゃんは本当にはみがき粉をつけて肉まんを食べ、定春も雑誌を読んでいる。
(新)「コンセントは!? どこ!?」
(銀)「コンセントなんてねーよ」
(新)「ウソついてんじゃねーよ! 出せ! どこ隠した!?」
(銀)「だから、んなもんねェっつってんだろ?」
(新)「すっとぼけてんじゃねーよ! コンセントもなしでどうやってオンオフ切り替えるんだよ!」
(銀)「オンオフなんて切り替える必要ねーよ」
(あ)「はぁ!? もういい加減にしてください! 解りました! そこまで言うならもう根元からコンセントの線切りますからね!」
私は何故か呪符が大量に貼られたこたつ布団をめくる。
けどその中には本当にコンセントなんてなかった。
(銀)「だって…俺達もう…ここから出ないんだから………」
なんとこたつの中は…吸いこまれるような宇宙が広がっていたのだ。
(あ)「な、何…コレ……」
(新)「う、宇宙…?」
けどよく見ると、その宇宙の中に一つ星がある。
(あ)「コレ…宇宙っていうよりブラックホールじゃ……」
とその時…
ヒューーーン…
(あ)「えっ…」
なんと、新八君がこたつの中のブラックホールに吸い込まれて消えてしまった。
そのままこたつ布団がハラリと落ちてきて、私はただ呆然とこたつ布団を見つめる事しかできない。
そしてしばらくの間、テレビからのお通ちゃんの声しか聞こえなくなる。
(あ)「………」
ど、どうしよう…これ助けに行ったほうがいいのかな?
で、でも私まで吸いこまれちゃったら終わりだし…ていうかこのこたつ、一体何なの!?
とその時、こたつの中から新八君の手が伸びてきて、ガシッと畳に爪をたてる。
(あ)「し、新八君! 大丈夫!?」
その新八君の手を必死で引っ張る。けど一体中がどうなっているのか、思いっきり引っ張ってもなかなか新八君が出てこない。
(あ)「ふんぬぅ…!」
そして私の出せる力いっぱいを出しきった時、新八君が汗まみれの顔をこたつの外に出した。
(銀)「何やってんだ? ぱっつぁん。うるせーよ?」
(新)「待てェェェェェ!! ちょ、ちょっと待って!?」
新八君がこたつ布団をめくる。
だがそこで驚くべき光景が目に入った。
なんと、新八君の下半身が伸びて、まるで繋ぎとめられているかのようにブラックホールに吸い込まれていたのだ。
(新)「な、何コレ! 何!? このこたつ! なんでこたつの中にブラックホールが誕生してるんですか!?」
(銀)「今さら何言ってんだ。それがこたつってもんだろ。一度入ったら二度と出られない、人を怠惰な悦楽に浸らせ、やる気を全て吸い取る四角いブラックホール…それがこたつだ」
(新)「知らねーよ、そんな恐ろしげな家電製品! そういうんじゃなくて、マジで何かありましたよ!? マジで身体抜けなくなっちゃいましたよ!?」
(あ)「銀さん地球防衛基地に壊れたこたつ持ってって買い取ってもらったんですよね!? そのお金でこたつ買ったんですよね!? ていうかこれ本当に売り物だったんですか!?」
(銀)「処分に困ってるからタダでやるってよォ。デザインが気に入ってな。いいだろ? コレ」
(新)「デザインっつーかよくよく見たら不気味な呪符が貼り巡らされてるんですけど!?」
(銀)「なんだっけなぁ…前の持ち主がなんちゃらコロ大魔王を封印したこたつとか言ってたけど、恐ェからあんま聞かないようにして、途中で持って帰ってきた」
(新)「いや、恐いトコほとんど聞いてんじゃねーか! 『ピッ』が抜けてるだけだろーが!」
(あ)「それどう考えてもピッコロ大魔王ですよね!?」
(銀)「安心しろ。ピッコロ大魔王じゃねーよ。確か根っから大魔王とかそんなカンジだった」
(新)「根っから大魔王ってそれはそれで恐すぎだろ! 問題そこじゃないですよ!」
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