第百十六話

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名前(デフォルト:音莉〔おとり〕)

ある日の夕食時、私達の目の前…食卓に並んでいるのは…


(神)「うおおおおおおお!」


(新)「うぉぉ! 銀さん、コレ…カニじゃないですか! どうしたんですか? コレ!」


…そう、カニであった。


そんなカニを見ながら神楽ちゃんと新八君が目をキラキラさせる。


(銀)「ババアがよォ、馴染みからしこたまもらったらしんだけど、飽きる程食ったってんでおすそ分けをな」


(新)「マジっスか!? カニなんて超久しぶりですよ!」


(あ)「私も初めて食べるから楽しみなんだ!」


カニなんて高級食材、とても私達の家計では手の出せるものではないのだ。


(新)「えっと……でも、一杯だけなんですか?」


(銀)「ああ。『どれ位欲しい?』っていうから、『お腹いっぱい食べたい』っつったら…」


(銀&あ&神&新)「「「「………」」」」


すると神楽ちゃんが勢いよく立ちあがり…


(神)「あんのババア! 何スフィンクスみたいな頓知きかせてんだ、チクショー! 一休さんじゃねーんだヨ! 一休みどころか永遠に休ませたろか、クソババア!(怒)」


(あ)「ちょっと、神楽ちゃん!? 今迄の私達の所業を考えたらまだもらえるだけでもありがたいって!」


(銀)「落ちつけ、てめーら。いいか? 何故カニの足がたくさんあるか知ってるか? それはな、みんなで分け合うためだよ。古来より人間達はカニを取り合い、愚かな戦いを繰り広げてきた。関ヶ原の戦い、桶狭間の戦い、みんなそうだ」


(新)「いや、初耳ですけど…」


(銀)「それを天上からご覧になっていたカニ様は…」


(新)「カニ様って何? なんで神様みたいになってんの」


(銀)「二度と悲しい戦いが起きぬよう、皆が仲良くカニ様を食べられるよう、足をお増やしになられた。その為前進もバックもできない横歩き使用になってしまわれたのだよ」


(あ)「へぇ…そんな伝承があるんですね……」


(新)「いや、音莉さん、何信じてるんですか? ウソなの丸解りじゃないですか」


(銀)「これ以上カニ様に横向きな人生を送らせていいのか? 正常位もバックもない側位しかできない人生でいいのか?」


(新)「途中からおかしな話になってんですけど…」


(銀)「平和にいこうじゃないか、平和に。もう鍋の時のような争いはたくさんだ」


(あ)「ああ、あれは…ね」


もうホント、あんまり思い出したくないけど、折角の楽しい夕飯なのにいっぱいモメちゃったんだよね…。(アニメ25話参照)


そしてそんな銀さんの言葉を聞いた新八君と神楽ちゃんは、笑顔になる。


(新)「そうですね。仲良く一杯を分け合って食べましょうか」


(銀)「足はハサミをいれれば十本あるんだし、焦らなくてもちゃんとみんな食べられるよ」


(あ)「でも十本をどうやって分けますか? 四で割ると二本余っちゃうから…」


…とその時、急に視界が真っ暗になった。
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