(新)「劇ですか…」


本日、お仕事の依頼のため、私達はとある小さな劇場にお邪魔していた。


「ええ。実はただでさえ少ない団員が皆カゼやらケガやらで出れなくなりまして…」


天人のオーナーさんが困った表情を浮かべる。


(あ)「それは大変でしたね…」


「ですが一週間後、寺子屋の子供達が見に来る事になっていまして…どうしても劇を行わなければいけないんです。そこで顔の広い万事屋さんなら、人をいっぱい集めて劇が出来るのではないかと思いまして、お呼びした次第でございます」


(神)「銀ちゃん、どうするアルか？」


(銀)「ちなみによォ、劇の内容はなんなんだ？」


「劇の内容は…」


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(あ)「人魚姫…」


万事屋に帰って、もらった台本の表紙を読みあげる。


(新)「人魚姫ってアレですよね。最後は結ばれない悲しい人魚のお話ですよね」


(神)「アイツ、主役は音莉にやってほしい言うてたヨ」



(あ)「私が主役か…」


人魚姫は確か途中から声を取られてしまうから、フリだけで演技をしなければならない。かなり難しいと思う。


(銀)「まァ音莉が主役をやれば集約率も上がるし、姫は音莉以外には似合わないだろうな。となると王子は…やっぱ俺か」


(神)「いや、銀ちゃんは王子ってガラじゃないネ」


(新)「そうですね」


(銀)「なんだと！？ だって俺は音莉の王子様なんだからな！」


(あ)「ちょ、ちょっと…///」


(神)「音莉の王子様でもお前では本物の王子様にはなれないネ。ていうか音莉の王子様になれてる事自体がある意味奇跡ネ」


(新)「やっぱ王子に向いていると言えば…」