第百二十八話
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~no side~
寒い寒い冬のある日。真選組一同は客で溢れ返っているスキー場にやって来ていた。
と言うのも松平のとっつぁんに、「このクソ寒い中じゃ浪士も冬眠中だろうから、スキー旅行にでも行って士気上げるために慰安旅行にでも行ってこい」と、半ば脅される形でやってきたのだ。
だがそこに同伴したいという人がおり、面倒のかからない奴だからと言われて連れてきたはいいものの、その人物とは…
「きゃー! あの人、見て見て! ヤバくない!? 超クールじゃない!?」
悠々と滑る髷を結ったその人物を見て、周りの人々が歓声をあげる。
そしてその人物が坂からひょいっと宙を飛ぶ。
「超飛んでるんですけど!?」
「カッコいい!」
「何? プロの人かなんかかな?」
「スッゲー! メチャクチャ飛んでんすけど!?」
「まるで鳥だよ!」
だがその人物はいつまでたっても落下してくる事なく、ずっと同じ高さで飛び続けている。
「つーか…飛びすぎじゃね?」
どういうワケかというと、なんとその人物の上にはヘリコプターが飛んでおり、縄でその人物とヘリコプターを繋いでいたのだ。
『現在高度58mを時速45kmで滑空中。目標着地地点前方30m先、えー…目的地に人影が見えますが。どうぞ』
(土)「速やかに排除してください。どうぞ」
するとヘリから着地点にいる人達にマシンガンが放たれ、そこにいた人々は慌てて逃げ出した。
『邪魔者は掃除しましたが、今の射撃で着地点が相当荒れている模様。このまま着地すれば足を挫く恐れがあります。どうぞ』
(土)「えー、速やかに平地に変えてください、どうぞ」
すると今度はヘリの扉が開いて…
バッコォォォォォォォン!!
荒れてしまった地面にバズーカを放った隊士。
やがて爆煙の中から、髷を結ったその人物が姿を現した。
その前に跪く土方達真選組の隊士。
(土)「ご無事でなによりです。どうでしたか? 初滑りのご感想は…上様」
そう…同伴する人物とは、征夷大将軍、徳川茂々であった。
(茂)「ジャンプした時に股間がフワッとなって気持ちがよかった。もう一度やりたい」
(土)「御意。…オイ! チンさむもう一回だ! ヘリを回せ!」
そしてまたヘリに吊られながら去って行く将軍を、タバコの煙を吐き出して見送る土方。
(土)「だから言っただろ? 絶対何かあるって。何が慰安旅行だ。何が羽を広げてこいだ。こんなもんただの将軍のお守旅行じゃねーか」
(山)「上様の事だ。恐らくまたお忍びでスキーに行きたいとでも言いだしたんでしょ? それで対応に困ったあのオッさんが全部俺達に押し付けたってワケだ」
(土)「こんなもん一秒たりとも羽を休める暇なんぞねーぞ? もし将軍の身に何かあれば、俺達の首を並べても足りねェ」
その間にもヘリに吊られて空を飛ぶ将軍を、マジマジと見つめる他の客。
(山)「それにしてもちぃとやり過ぎじゃないですか? 副長。目立ちすぎですよ。一応お忍びですから」
(土)「ふざけんな。自力で滑らせてケガでもされたら終わりだ。将軍にはアレが一般的なスキーの滑り方と思わせておけばいい」
(山)「しかし一般客がビビって帰っちゃってますよ?」
(土)「好都合だ。貸し切りの方が将軍の安全を確保できるだろ」
すると土方はトランシーバーを取り出す。
(土)「総悟、係員に金握らせてリフト止めろ。これ以上登らせるな」
(沖)『土方さん、その前に将軍の降下地点におかしな奴が…』
その総悟の真後ろでは、赤いコートを着た女の子が小屋の屋根の高さくらいありそうな巨大な雪玉を転がしていた。
(沖)「デッケー雪だるま作っててかなり邪魔なんですが…」
(土)『お帰り願え』
そして総悟は巨大な雪玉を転がす女の子の後をついていく。
(沖)「オイお前、ここはスキー場だ。そういう事は他でやんな。…オイ聞いてんのか。雪だるまなら他で作れって言ってんだ」
(?)「うるせェ。雪だるまじゃないネ。ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲アル」
だが振り向いたその少女は、総悟の見た事ある顔で…。
(土)「アル?」
トランシーバーから聞こえてきた声に、土方が心当たりを考えていたその時…
ドォォォォン!!
なんと、将軍を吊るしていたヘリコプターに巨大な雪玉が激突した。
(土)「………」
煙をあげながら落ちてくるヘリに、悲鳴をあげながら逃げる人々。思わず土方も咥えていたタバコを落としてしまう。
(土)「将軍!!」
だがその直後、ドッカァァァァァァン!! とヘリが炎をあげて墜落し、その近くでは総悟と先程の少女…神楽が雪が接戦をしていた。
(沖)「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
(神)「おりゃああああああああああああ!!」
総悟の投げる雪玉を、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲の棒の部分を振り回して打ち返す神楽。
(土)「総悟! 何をしている! 応答しろ! 将軍は無事なのか!? どこに行った!」
だがトランシーバーから返ってきたのは総悟の声ではなく…
(近)『トシ、応答願う!』
(土)「………!」
…近藤の声であった。
その近藤はというと、現在リフトに乗っており…
(近)「トシ! 大変な事が起きたぞ!」
(土)『解ってる! 全部見てた!』
(近)「何!? そうか! 実は俺もさっき偶然発見してな。まさかこんな所に……お妙さんと新八君がいるとは!」
(土)『は…? 何の話だ!?』
(近)「気になって尾行を続けていて正解だった!」
(土)『オイ、何言ってんだ! 将軍が行方不明の話じゃねーのか!?』
(近)「は!? 何言ってんだ! 今空中からブリーフ一丁の暴漢が飛んできてお妙さんが襲われてんだよ!」
近藤の前では、リフトの安全バーに引っかかった髷を結ったブリーフ一丁の男を、お妙が悲鳴を上げながら何度も執拗に蹴っており、それを横に座っている新八がまあまあと止めている。
(土)『それ将軍ンンンン!!』
(近)「このままじゃお妙さんが…お妙さんが…!」
(土)『どう見ても将軍が一方的に蹴られてるだろ!』
(近)「とにかく早く救援を!!」
(土)『オイ待て。それ将軍だっつってんだろ!?』
(近)「ええい…クッソ…! スノボが邪魔で身動きが…! かくなる上は…」
すると近藤が衣服を脱ぎ捨て…
(近)「変態が!! 俺のお妙さんから離れろ!!」
パンツ一丁で前のリフトに飛びかかる近藤。
するとお妙は将軍のブリーフを掴み…
(妙)「変態は…てめーだろーが!!」
お妙が投げた将軍が近藤に激突する。
そのまま落下した近藤と将軍は坂道を転がるように落ちていく。
(土)「近藤さん! 将軍!」
そして気絶した二人は、転がる途中にあったソリに偶然乗っかってそのまま滑り出してしまった。
(土)「マズイ! 落ちてたソリで勝手に滑り出したぞ!」
だが雪の中から姿を現したのは、へにゃりと四つん這いになった将軍の腰を後ろから持ち上げるようにして膝立ちしている近藤であった。
(土)「ちょっと待て! パン一二人がとんでもねェ体勢になってんぞ!?」
「うわぁ! 何!? アレ!」
「わいせつ物がとんでもねェスピードでスキー場を突っ切って行く!」
周りの客が悲鳴をあげる中、真選組は坂の途中でソリを待ち構える。
(土)「止めろ! これ以上将軍家の…幕府の恥を晒すな! 身体を張って止めろ!!」
だが坂の途中にあったジャンプ台にさしかかってしまったソリは、そのまま宙を舞い、将軍と近藤がソリから外れて二手に分かれてしまう。
「将軍と局長がジャンプした拍子に分離した!」
そして直立不動で、きをつけの状態のままの二人。近藤はそのまま斜面を滑っていくが、将軍は着地点にいた誰かの後頭部に激突してしまった。
「しょ、将軍が一般ピープルに!」
(?)「えっ!? ちょ、大丈夫ですか!?」
そこに一緒にいた少女が、倒れたその人物の方に駆け寄る。
(土)「クッソ…お前らは近藤さんを追え。将軍は俺に任せろ」
山崎率いる真選組の他の隊士は、近藤を追いかける。
(土)「オイ! 大丈夫か!? アンタ!」
(?2)「ああ、大丈夫大丈夫。よくあるよな、ボードだけ滑らせちまうの」
だが起き上がった男とその横で心配そうにしている少女を見た土方は、目を見張った。そう、その二人とは…
(銀)「ま、お互い気をつけようぜ」
(あ)「そちらさんもイキナリボードとか飛んできてケガしないように気をつけてくださいね」
…銀時と音莉であった。
(銀)「ほれ、行くぞ、音莉」
(あ)「いや、ちょっと待ってくださいよ。わ、私スキーとかホント初めてだからよく解んないし、まだ恐いし…」
(銀)「大丈夫だって。俺が支えててやるから」
そしてうつぶせで倒れている将軍の背中に乗った二人。銀時が後ろから音莉の腰に手を回すと、そのまま将軍をボード代わりに斜面を滑りだした。
(土)「ちょっと待て! それ将軍ンンンン!!」
「局長! 止まってください!」
(山)「クッソ…スッゲースピードだ。追いつけない…!」
すると近藤を追いかける山崎達の方に、銀時達が滑り下りてきた。
(山)「アレ…? 旦那方? なんでこんな所に…。ちょっと局長止めて……、アレ? ちょっとアンタら、それ…何に乗ってんですかァァァァァ!!」
(あ)「ぎ、ぎぎぎ銀さん! やっぱり恐いよぉ…」
(銀)「大丈夫だって。いいから目開けて両手広げてみ?」
言われた通り目を開けて、銀時が後ろから腰に手を回してる状態で手を広げる音莉。
(あ)「わぁ! 一面銀世界が広がってて綺麗…!」
(銀)「だろ?」
(山)「そのポーズ使うトコ間違ってるぅぅぅぅ! それ船の上! アンタら今将軍の上!! それタイタニックじゃなくて将軍パニック!!」
だがそんな山崎も無視で滑って行く銀時達。
するとその後ろを土方が物凄いスピードで走って降りてきた。
(山)「副長! 大変です! 今万事屋の旦那方が将軍に乗って…」
とその時、土方がボード代わりにと近藤の上に乗った。
(山)「はぁっ…!?」
そしてそのまま銀時達を追いかけて滑り下りていく土方。
(山)「ちょ、ちょっと待って! ちょ、それ局長ォォォォォ!!」
寒い寒い冬のある日。真選組一同は客で溢れ返っているスキー場にやって来ていた。
と言うのも松平のとっつぁんに、「このクソ寒い中じゃ浪士も冬眠中だろうから、スキー旅行にでも行って士気上げるために慰安旅行にでも行ってこい」と、半ば脅される形でやってきたのだ。
だがそこに同伴したいという人がおり、面倒のかからない奴だからと言われて連れてきたはいいものの、その人物とは…
「きゃー! あの人、見て見て! ヤバくない!? 超クールじゃない!?」
悠々と滑る髷を結ったその人物を見て、周りの人々が歓声をあげる。
そしてその人物が坂からひょいっと宙を飛ぶ。
「超飛んでるんですけど!?」
「カッコいい!」
「何? プロの人かなんかかな?」
「スッゲー! メチャクチャ飛んでんすけど!?」
「まるで鳥だよ!」
だがその人物はいつまでたっても落下してくる事なく、ずっと同じ高さで飛び続けている。
「つーか…飛びすぎじゃね?」
どういうワケかというと、なんとその人物の上にはヘリコプターが飛んでおり、縄でその人物とヘリコプターを繋いでいたのだ。
『現在高度58mを時速45kmで滑空中。目標着地地点前方30m先、えー…目的地に人影が見えますが。どうぞ』
(土)「速やかに排除してください。どうぞ」
するとヘリから着地点にいる人達にマシンガンが放たれ、そこにいた人々は慌てて逃げ出した。
『邪魔者は掃除しましたが、今の射撃で着地点が相当荒れている模様。このまま着地すれば足を挫く恐れがあります。どうぞ』
(土)「えー、速やかに平地に変えてください、どうぞ」
すると今度はヘリの扉が開いて…
バッコォォォォォォォン!!
荒れてしまった地面にバズーカを放った隊士。
やがて爆煙の中から、髷を結ったその人物が姿を現した。
その前に跪く土方達真選組の隊士。
(土)「ご無事でなによりです。どうでしたか? 初滑りのご感想は…上様」
そう…同伴する人物とは、征夷大将軍、徳川茂々であった。
(茂)「ジャンプした時に股間がフワッとなって気持ちがよかった。もう一度やりたい」
(土)「御意。…オイ! チンさむもう一回だ! ヘリを回せ!」
そしてまたヘリに吊られながら去って行く将軍を、タバコの煙を吐き出して見送る土方。
(土)「だから言っただろ? 絶対何かあるって。何が慰安旅行だ。何が羽を広げてこいだ。こんなもんただの将軍のお守旅行じゃねーか」
(山)「上様の事だ。恐らくまたお忍びでスキーに行きたいとでも言いだしたんでしょ? それで対応に困ったあのオッさんが全部俺達に押し付けたってワケだ」
(土)「こんなもん一秒たりとも羽を休める暇なんぞねーぞ? もし将軍の身に何かあれば、俺達の首を並べても足りねェ」
その間にもヘリに吊られて空を飛ぶ将軍を、マジマジと見つめる他の客。
(山)「それにしてもちぃとやり過ぎじゃないですか? 副長。目立ちすぎですよ。一応お忍びですから」
(土)「ふざけんな。自力で滑らせてケガでもされたら終わりだ。将軍にはアレが一般的なスキーの滑り方と思わせておけばいい」
(山)「しかし一般客がビビって帰っちゃってますよ?」
(土)「好都合だ。貸し切りの方が将軍の安全を確保できるだろ」
すると土方はトランシーバーを取り出す。
(土)「総悟、係員に金握らせてリフト止めろ。これ以上登らせるな」
(沖)『土方さん、その前に将軍の降下地点におかしな奴が…』
その総悟の真後ろでは、赤いコートを着た女の子が小屋の屋根の高さくらいありそうな巨大な雪玉を転がしていた。
(沖)「デッケー雪だるま作っててかなり邪魔なんですが…」
(土)『お帰り願え』
そして総悟は巨大な雪玉を転がす女の子の後をついていく。
(沖)「オイお前、ここはスキー場だ。そういう事は他でやんな。…オイ聞いてんのか。雪だるまなら他で作れって言ってんだ」
(?)「うるせェ。雪だるまじゃないネ。ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲アル」
だが振り向いたその少女は、総悟の見た事ある顔で…。
(土)「アル?」
トランシーバーから聞こえてきた声に、土方が心当たりを考えていたその時…
ドォォォォン!!
なんと、将軍を吊るしていたヘリコプターに巨大な雪玉が激突した。
(土)「………」
煙をあげながら落ちてくるヘリに、悲鳴をあげながら逃げる人々。思わず土方も咥えていたタバコを落としてしまう。
(土)「将軍!!」
だがその直後、ドッカァァァァァァン!! とヘリが炎をあげて墜落し、その近くでは総悟と先程の少女…神楽が雪が接戦をしていた。
(沖)「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
(神)「おりゃああああああああああああ!!」
総悟の投げる雪玉を、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲の棒の部分を振り回して打ち返す神楽。
(土)「総悟! 何をしている! 応答しろ! 将軍は無事なのか!? どこに行った!」
だがトランシーバーから返ってきたのは総悟の声ではなく…
(近)『トシ、応答願う!』
(土)「………!」
…近藤の声であった。
その近藤はというと、現在リフトに乗っており…
(近)「トシ! 大変な事が起きたぞ!」
(土)『解ってる! 全部見てた!』
(近)「何!? そうか! 実は俺もさっき偶然発見してな。まさかこんな所に……お妙さんと新八君がいるとは!」
(土)『は…? 何の話だ!?』
(近)「気になって尾行を続けていて正解だった!」
(土)『オイ、何言ってんだ! 将軍が行方不明の話じゃねーのか!?』
(近)「は!? 何言ってんだ! 今空中からブリーフ一丁の暴漢が飛んできてお妙さんが襲われてんだよ!」
近藤の前では、リフトの安全バーに引っかかった髷を結ったブリーフ一丁の男を、お妙が悲鳴を上げながら何度も執拗に蹴っており、それを横に座っている新八がまあまあと止めている。
(土)『それ将軍ンンンン!!』
(近)「このままじゃお妙さんが…お妙さんが…!」
(土)『どう見ても将軍が一方的に蹴られてるだろ!』
(近)「とにかく早く救援を!!」
(土)『オイ待て。それ将軍だっつってんだろ!?』
(近)「ええい…クッソ…! スノボが邪魔で身動きが…! かくなる上は…」
すると近藤が衣服を脱ぎ捨て…
(近)「変態が!! 俺のお妙さんから離れろ!!」
パンツ一丁で前のリフトに飛びかかる近藤。
するとお妙は将軍のブリーフを掴み…
(妙)「変態は…てめーだろーが!!」
お妙が投げた将軍が近藤に激突する。
そのまま落下した近藤と将軍は坂道を転がるように落ちていく。
(土)「近藤さん! 将軍!」
そして気絶した二人は、転がる途中にあったソリに偶然乗っかってそのまま滑り出してしまった。
(土)「マズイ! 落ちてたソリで勝手に滑り出したぞ!」
だが雪の中から姿を現したのは、へにゃりと四つん這いになった将軍の腰を後ろから持ち上げるようにして膝立ちしている近藤であった。
(土)「ちょっと待て! パン一二人がとんでもねェ体勢になってんぞ!?」
「うわぁ! 何!? アレ!」
「わいせつ物がとんでもねェスピードでスキー場を突っ切って行く!」
周りの客が悲鳴をあげる中、真選組は坂の途中でソリを待ち構える。
(土)「止めろ! これ以上将軍家の…幕府の恥を晒すな! 身体を張って止めろ!!」
だが坂の途中にあったジャンプ台にさしかかってしまったソリは、そのまま宙を舞い、将軍と近藤がソリから外れて二手に分かれてしまう。
「将軍と局長がジャンプした拍子に分離した!」
そして直立不動で、きをつけの状態のままの二人。近藤はそのまま斜面を滑っていくが、将軍は着地点にいた誰かの後頭部に激突してしまった。
「しょ、将軍が一般ピープルに!」
(?)「えっ!? ちょ、大丈夫ですか!?」
そこに一緒にいた少女が、倒れたその人物の方に駆け寄る。
(土)「クッソ…お前らは近藤さんを追え。将軍は俺に任せろ」
山崎率いる真選組の他の隊士は、近藤を追いかける。
(土)「オイ! 大丈夫か!? アンタ!」
(?2)「ああ、大丈夫大丈夫。よくあるよな、ボードだけ滑らせちまうの」
だが起き上がった男とその横で心配そうにしている少女を見た土方は、目を見張った。そう、その二人とは…
(銀)「ま、お互い気をつけようぜ」
(あ)「そちらさんもイキナリボードとか飛んできてケガしないように気をつけてくださいね」
…銀時と音莉であった。
(銀)「ほれ、行くぞ、音莉」
(あ)「いや、ちょっと待ってくださいよ。わ、私スキーとかホント初めてだからよく解んないし、まだ恐いし…」
(銀)「大丈夫だって。俺が支えててやるから」
そしてうつぶせで倒れている将軍の背中に乗った二人。銀時が後ろから音莉の腰に手を回すと、そのまま将軍をボード代わりに斜面を滑りだした。
(土)「ちょっと待て! それ将軍ンンンン!!」
「局長! 止まってください!」
(山)「クッソ…スッゲースピードだ。追いつけない…!」
すると近藤を追いかける山崎達の方に、銀時達が滑り下りてきた。
(山)「アレ…? 旦那方? なんでこんな所に…。ちょっと局長止めて……、アレ? ちょっとアンタら、それ…何に乗ってんですかァァァァァ!!」
(あ)「ぎ、ぎぎぎ銀さん! やっぱり恐いよぉ…」
(銀)「大丈夫だって。いいから目開けて両手広げてみ?」
言われた通り目を開けて、銀時が後ろから腰に手を回してる状態で手を広げる音莉。
(あ)「わぁ! 一面銀世界が広がってて綺麗…!」
(銀)「だろ?」
(山)「そのポーズ使うトコ間違ってるぅぅぅぅ! それ船の上! アンタら今将軍の上!! それタイタニックじゃなくて将軍パニック!!」
だがそんな山崎も無視で滑って行く銀時達。
するとその後ろを土方が物凄いスピードで走って降りてきた。
(山)「副長! 大変です! 今万事屋の旦那方が将軍に乗って…」
とその時、土方がボード代わりにと近藤の上に乗った。
(山)「はぁっ…!?」
そしてそのまま銀時達を追いかけて滑り下りていく土方。
(山)「ちょ、ちょっと待って! ちょ、それ局長ォォォォォ!!」
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