第百二十五話

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名前(デフォルト:音莉〔おとり〕)

(神)「サダえもーーーん!!」


ドタドタと廊下を駆けながら帰ってきたと思えば、急にソファーの上で寝ていた定春に飛びつく神楽ちゃん。


(神)「聞いてヨ! ジャイ子とスネ子が携帯自慢してくるんだヨ!? 今時携帯電話なんて赤ちゃんでもヘソの緒とセットで携帯して腹から出てくるアル! 私もほしいヨ、携帯! メールがしたいヨ、ねえサダえもーん!」


そんな神楽ちゃんに定春が重そうな瞼を開いた。


(神)「仕方ないなぁ、神楽ちゃん。確かに携帯は仕事の連携に役に立つし、あった方がいいけれども、それは僕の四次元ポケットより銀さんの四次元ガマ口に聞いてみない事には…」


なんて勝手に定春のアテレコをする神楽ちゃん。その銀さんは向かいのソファーでジャンプ読んでるけど…。


(神)「でも直接は聞きづらいネ。あーあ、こんな時メールが出来れば思いも伝えやすいのに」


すると…


(銀)「その思いはきっと伝わってるよ、神楽ちゃん。メールなんてなくたって、携帯なんかなくったって、君達は心が通じてるだろ? だから携帯なんてものが家計にどれだけ影響を与えるかも君には伝わるハズだ。解ったらその薄汚ねェ口を閉じて、僕と一緒に押し入れで眠ろう」


…と、銀さんまで定春のアテレコをし始める。


そんな銀さんを見ながら神楽ちゃんはムスッと頬を膨らませると…


(神)「惑わされちゃダメ、神楽ちゃん。誰かが僕にハッキングし僕を操っている!」


(あ)「ちょっと二人共、定春嫌がって耳塞いで…」


(銀)「貴様こそ犬芝居はよせ。どこの手のものだ。鉄人兵団のスパイか」


(神)「貴様! リルルは僕達の友達だ! そんな言いかた許さんぞ!」


(新)「直接喋れやァァァァァ!!」


と新八君が叫んだ所で、言い合いは止まった。


(新)「何を回りくどい応酬繰り広げてんですか! 言いたい事があるんなら直接喋ればいいでしょ!?」


(神)「ママ、聞いてよ!!」


(新)「誰がママだ! 確かに顔似てるけど!」


(あ)「いや、一緒なのメガネだけじゃないの…?」


(神)「今時携帯なんて持ってないのウチ位アルヨ。このままじゃ万事屋は時代に乗り遅れるばかりネ! 仕事にも役立つし、絶対損はしない。ウチも揃えようヨ!」


(新)「って言ってますけど?」


すると銀さんは顔を上げ…


(銀)「いい加減にしなさい! サダえもんとお前の食費でウチは既に火の車(タケコプター)なんだよ! 携帯なんてなくたって、パパはみんなの気持ちをバンバン受信してるからね。例えばサダえもん、今ウンコしたいと思ってるよね?」


(あ)「いや、思ってるっていうか思いっきりきばっちゃってるから見りゃ解るよね…?」


(銀)「そしてママも、パパの気持ちを受信し、いち早く新聞紙を敷いた。だから携帯なんていらないだろ」


(神)「それいつものただの習慣だろうが!」


(銀)「そんなに我侭言ってるなら、どこでもドアでどこのウチの子にでもなっちゃいなさい!」


(あ)「はいはい、茶番はそこまでにしておいてもらえますか? ていうか神楽ちゃん、イキナリそんな事言いだしてどうしたの?」


(神)「だってみんな携帯持ってるのに私だけ持ってないなんて仲間外れみたいでなんか嫌アル! 遊ぶ約束も携帯さえあれば楽に決めれるのに…」


成程…要はさっきまで遊んでた友達が携帯を持っていて、それを見て羨ましくなったというワケか…?


(神)「だから私も携帯ほしいアル! お前がイチゴ牛乳とデザート我慢したらいいだけの話アル!」


(銀)「はぁ!? だったらお前も節約しろ! お前は一日ドッグフード一粒だけ食べてろ!!」


とまた喧嘩が始まってしまう。


(あ)「もうちょっと、喧嘩しないで!」


(新)「あの…なんか出てきたんですけど……」


(銀&神)「「あ!?」」


定春の糞の処理をしていたハズの新八君の一声で、二人の喧嘩は止まった。


(新)「サダエモンの四次元肛門(ポケット)から…携帯が……」


(あ)「えっ…」


でも確かに新八君の言う通り、新聞紙の上にたんまりと乗った糞の中に、携帯が四つも紛れていたのだった。
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