第八十三話(吉原炎上篇)
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~前回のあらすじ~
ある日、銀時の財布をスろうとした孤児の青年、晴太。
その目的は、江戸の地下にある常夜の闇…吉原にいる自分の母親…『吉原の太陽』と呼ばれる日輪に会うためであった。
銀時、音莉達と出会ってからは、スりをやめ、お登勢の元で真面目に働くようになったが、実はそのお金も今迄のお金も、預けていた男に使いこまれてしまっていた。
そして丁度神楽と新八と共に吉原に来ていた晴太は、音莉からそれを聞いてショックを受ける。だがそんな四人の前に、吉原の自警団…百華の者、そしてその頭領である月詠が襲いかかる。
月詠は晴太を殺そうとするが、それを目前に現れた銀時によって阻止された。
だがそれらは全て月詠の芝居で、実際は日輪に「晴太達を逃がしてほしい」と頼まれていたのだ。
日輪は八年前、赤子だった晴太を地上に逃がし、吉原の楼主である鳳仙に捕えられ、今もこの常夜の闇で暮らしているのだという。
(月)「帰れ。主が死ねば日輪の今迄の辛苦が水泡に帰す」
だがそんな音莉達の前に、突如、三人の夜兎が現れた。
その強さに全く歯が立たず、殺されかけるも、一同はなんとか一命をとりとめる。だが肝心の晴太はその夜兎の男達に捕らわれてしまった。
その夜兎の正体は宇宙海賊春雨。しかもそのうちの一人は神楽の兄…神威だという。
そしてその後、汚れた服を着替えた音莉達(イメージ絵→##B4_1004105##)。
(銀)「どんな場所だろうとよ、どんな境遇だろうとよ、太陽はあるんだぜ? 背筋しゃんとのばして、お天道様真っ直ぐ見て、生きてかにゃならねーんだ」
そして地上の"太陽"である音莉も…
(あ)「私は本物のお母さんに会えるまで晴太君を守るお母さんになりたい。だって…子供を護るのが親の役目でしょ?」
(あ)「どんな場所でも、どんな境遇の人でも、明るく暖かく照らしてあげるのが太陽の役目。私は…みんなが私を"太陽"だと信じてくれるなら、私は本物の太陽を取り戻すまでみんなの希望となる…諦めない、くじけない、最後まで戦い抜く、希望を与える太陽になります!」
さらに月詠も…
(月)「さっきも言った通り、わっちの役目は日輪を…吉原の太陽を護ることじゃ。ならば…同じ"太陽"を護るのもわっちの役目じゃ。主を見ていると日輪の姿が重なる。だから…護りたくなったんじゃ。わっちがずっと護ってきた日輪に似ている主を…音莉を」
こうして一行は鳳仙を倒し、晴太を奪還して吉原に太陽を取り戻す事を決意する。
そして一行は鳳仙のいる建物の中に侵入した。だがそこで待ち構えていたのは百華の者達。そして月詠は自分が食い止めるから先に行けと言う。
そんな月詠に音莉はキセルを貸せと告げる。
(あ)「吸いたいなら戻ってきてください。必ず…生きて……このキセルを取り返しにきてください。そして必ず戻って来て…私の事、護ってください」
そしてキセルを預かった音莉達は先に向かう。だがそんな四人の前に現れたのは、鳳仙と神威の争いを止めるのに、鳳仙に左腕を落とされた春雨第七師団副団長、阿伏兎であった。
そんな阿伏兎を前に神楽はこういう。
(神)「銀ちゃん、音莉、ここは私に任せるアル。行くヨロシ」
そして新八も…
(新)「神楽ちゃんは…僕が護ります!」
それ聞いた銀時と音莉は…
(新)「次会う時は…」
(神)「日の下で」
(銀)「上等だ」
(あ)「こんな所で死んだら眼球にデコピンするからね」
その約束を胸に、銀時と音莉は先へと走りだした。
そして残った二人が阿伏兎に応戦するも、全く歯が立たない。
そして阿伏兎が新八を殺そうとした時、神楽に異変が起こった。
(神)「ニヒィ…」
先程よりも動きが早くなり、阿伏兎を圧倒する神楽。
その神楽の目は瞳孔が開ききり、まるで殺戮人形のような、恐ろしい笑みを浮かべていた。
その頃、一人百華を食い止めていた月詠も、身体中にクナイが刺さり、追い詰められていた。
(月)「わっちは何も…護ってなどいなかった。わっちが護ってきたのは…日輪でもこの街でもない。自分の檻…」
(月)「鳳仙を恐れるあまり、変わる事も変える事もせずに全てを定款し、己が心に檻を張ったのじゃ。己の身の可愛さ故に檻に閉じこもり、その檻を必死に護っておったのじゃ。だがそんなわっちに、戦う勇気…希望をくれたのが……もう一つの"太陽"じゃった」
(月)「日輪…わっちはもう逃げん。檻を破る為に戦う! 最後の最後まで…太陽に向かって、真っ直ぐに立ち続ける!」
だがとどめをさされる寸前で、部下の百華達はクナイを落とした。
「もう嫌だ」
「アンタは何も護っていなくなんかない」
実はその百華の部下達は、かつて吉原から逃げ出そうとしたり、客がとれなくなったり、掟を犯した者であった。だが月詠はこれらの女を始末したように見せかけ、百華に紛れこませ匿っていたのだった。
「太陽も月も、この常夜の闇を照らすかけがえのない…光なんですよ!」
それを聞いた月詠は初めて日輪の隣に立てたと実感し、力尽きて倒れた。
そして懐からキセルが落ちた事に気付いた音莉は月詠に何かあったのでは…そして神楽の気が邪悪なものに変わった事に勘づき、引き返そうとする。
だがその手を銀時に掴まれ、そのまま銀時は音莉を抱きしめる。
(銀)「音莉…お前また不安抱えてんの隠してんだろ?」
不安隠して無理してる音莉を一人にさせるワケにはいかないという銀時。
そして音莉は言った。
(あ)「…あのパイプの上での戦闘の時ね、私達、全然歯が立たなかった。だから……あんなにこっぴどくやられたのに…そんな私達が夜兎の王に勝てるのかなって……。諦めたくはない。けど…もし勝てたとしても、誰かが犠牲になっての勝利だったとしたら……銀さんがどうにかなっちゃったら…私…私………」
(あ)「銀さんがいなくなるのが…一番恐い……」
涙をこぼしながら絞り出した言葉…不安の核心。そんな音莉に銀時は…
(銀)「音莉が隣にいる限り…お前が…俺のお日さんが隣で笑っていてくれる限り、俺は絶対負けねェ。大体お前を置いて勝手に死んだりなんかしねーよ」
そしてそれを聞いた音莉も涙を拭き…
(あ)「私、銀さんの力になれるよう…銀さんの太陽になれるように絶対帰ってきます」
そうして互いに約束のキスをかわした二人。音莉は髪にさしていた二本の簪のうちの一本を銀時に預け、二人はそこで別れた。
意識が朦朧とし、死にゆくのかと実感する月詠。
同じ頃、夜兎の本能が覚醒し、阿伏兎を殺そうとする神楽。そんな神楽を新八が止める。
(新)「僕らの…大切な仲間を護るんだ!! お前なんかの為に神楽ちゃんの手は汚させはしない!!」
新八の声に、意識が戻りかける神楽。
そんな時、聞こえてきたのは音莉の声だった。
(あ)《いつも君の側にいるよ
だからもう一人じゃない
君が道に迷う時は
僕が先を歩くよ》
その歌声に月詠は力を取り戻し、部下達と鳳仙を倒す決意をする。
(月)「(今度こそ…わっちが主を助ける番じゃ)」
そしてその声を聞いて神楽も元に戻り、屋根が崩れて落ちていく所を阿伏兎に助けられた二人。
阿伏兎が深い闇に落ちて行く中、新八は屋根の上からそれを見ていた。
そして目を開けた神楽は自身の弱さに悔やむ。
(神)「もっと強くなりたい。みんなを護れる位…誰にも自分にも負けない位……」
そして新八も…
(新)「いつだって何かを護る度に、ちょっとずつだけど僕ら強くなってきたじゃないか。だから涙を拭いていこう。きっと僕ら…また一つ、強くなれるさ」
こうして二人で強くなる決意をしたのだった。
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ある日、銀時の財布をスろうとした孤児の青年、晴太。
その目的は、江戸の地下にある常夜の闇…吉原にいる自分の母親…『吉原の太陽』と呼ばれる日輪に会うためであった。
銀時、音莉達と出会ってからは、スりをやめ、お登勢の元で真面目に働くようになったが、実はそのお金も今迄のお金も、預けていた男に使いこまれてしまっていた。
そして丁度神楽と新八と共に吉原に来ていた晴太は、音莉からそれを聞いてショックを受ける。だがそんな四人の前に、吉原の自警団…百華の者、そしてその頭領である月詠が襲いかかる。
月詠は晴太を殺そうとするが、それを目前に現れた銀時によって阻止された。
だがそれらは全て月詠の芝居で、実際は日輪に「晴太達を逃がしてほしい」と頼まれていたのだ。
日輪は八年前、赤子だった晴太を地上に逃がし、吉原の楼主である鳳仙に捕えられ、今もこの常夜の闇で暮らしているのだという。
(月)「帰れ。主が死ねば日輪の今迄の辛苦が水泡に帰す」
だがそんな音莉達の前に、突如、三人の夜兎が現れた。
その強さに全く歯が立たず、殺されかけるも、一同はなんとか一命をとりとめる。だが肝心の晴太はその夜兎の男達に捕らわれてしまった。
その夜兎の正体は宇宙海賊春雨。しかもそのうちの一人は神楽の兄…神威だという。
そしてその後、汚れた服を着替えた音莉達(イメージ絵→##B4_1004105##)。
(銀)「どんな場所だろうとよ、どんな境遇だろうとよ、太陽はあるんだぜ? 背筋しゃんとのばして、お天道様真っ直ぐ見て、生きてかにゃならねーんだ」
そして地上の"太陽"である音莉も…
(あ)「私は本物のお母さんに会えるまで晴太君を守るお母さんになりたい。だって…子供を護るのが親の役目でしょ?」
(あ)「どんな場所でも、どんな境遇の人でも、明るく暖かく照らしてあげるのが太陽の役目。私は…みんなが私を"太陽"だと信じてくれるなら、私は本物の太陽を取り戻すまでみんなの希望となる…諦めない、くじけない、最後まで戦い抜く、希望を与える太陽になります!」
さらに月詠も…
(月)「さっきも言った通り、わっちの役目は日輪を…吉原の太陽を護ることじゃ。ならば…同じ"太陽"を護るのもわっちの役目じゃ。主を見ていると日輪の姿が重なる。だから…護りたくなったんじゃ。わっちがずっと護ってきた日輪に似ている主を…音莉を」
こうして一行は鳳仙を倒し、晴太を奪還して吉原に太陽を取り戻す事を決意する。
そして一行は鳳仙のいる建物の中に侵入した。だがそこで待ち構えていたのは百華の者達。そして月詠は自分が食い止めるから先に行けと言う。
そんな月詠に音莉はキセルを貸せと告げる。
(あ)「吸いたいなら戻ってきてください。必ず…生きて……このキセルを取り返しにきてください。そして必ず戻って来て…私の事、護ってください」
そしてキセルを預かった音莉達は先に向かう。だがそんな四人の前に現れたのは、鳳仙と神威の争いを止めるのに、鳳仙に左腕を落とされた春雨第七師団副団長、阿伏兎であった。
そんな阿伏兎を前に神楽はこういう。
(神)「銀ちゃん、音莉、ここは私に任せるアル。行くヨロシ」
そして新八も…
(新)「神楽ちゃんは…僕が護ります!」
それ聞いた銀時と音莉は…
(新)「次会う時は…」
(神)「日の下で」
(銀)「上等だ」
(あ)「こんな所で死んだら眼球にデコピンするからね」
その約束を胸に、銀時と音莉は先へと走りだした。
そして残った二人が阿伏兎に応戦するも、全く歯が立たない。
そして阿伏兎が新八を殺そうとした時、神楽に異変が起こった。
(神)「ニヒィ…」
先程よりも動きが早くなり、阿伏兎を圧倒する神楽。
その神楽の目は瞳孔が開ききり、まるで殺戮人形のような、恐ろしい笑みを浮かべていた。
その頃、一人百華を食い止めていた月詠も、身体中にクナイが刺さり、追い詰められていた。
(月)「わっちは何も…護ってなどいなかった。わっちが護ってきたのは…日輪でもこの街でもない。自分の檻…」
(月)「鳳仙を恐れるあまり、変わる事も変える事もせずに全てを定款し、己が心に檻を張ったのじゃ。己の身の可愛さ故に檻に閉じこもり、その檻を必死に護っておったのじゃ。だがそんなわっちに、戦う勇気…希望をくれたのが……もう一つの"太陽"じゃった」
(月)「日輪…わっちはもう逃げん。檻を破る為に戦う! 最後の最後まで…太陽に向かって、真っ直ぐに立ち続ける!」
だがとどめをさされる寸前で、部下の百華達はクナイを落とした。
「もう嫌だ」
「アンタは何も護っていなくなんかない」
実はその百華の部下達は、かつて吉原から逃げ出そうとしたり、客がとれなくなったり、掟を犯した者であった。だが月詠はこれらの女を始末したように見せかけ、百華に紛れこませ匿っていたのだった。
「太陽も月も、この常夜の闇を照らすかけがえのない…光なんですよ!」
それを聞いた月詠は初めて日輪の隣に立てたと実感し、力尽きて倒れた。
そして懐からキセルが落ちた事に気付いた音莉は月詠に何かあったのでは…そして神楽の気が邪悪なものに変わった事に勘づき、引き返そうとする。
だがその手を銀時に掴まれ、そのまま銀時は音莉を抱きしめる。
(銀)「音莉…お前また不安抱えてんの隠してんだろ?」
不安隠して無理してる音莉を一人にさせるワケにはいかないという銀時。
そして音莉は言った。
(あ)「…あのパイプの上での戦闘の時ね、私達、全然歯が立たなかった。だから……あんなにこっぴどくやられたのに…そんな私達が夜兎の王に勝てるのかなって……。諦めたくはない。けど…もし勝てたとしても、誰かが犠牲になっての勝利だったとしたら……銀さんがどうにかなっちゃったら…私…私………」
(あ)「銀さんがいなくなるのが…一番恐い……」
涙をこぼしながら絞り出した言葉…不安の核心。そんな音莉に銀時は…
(銀)「音莉が隣にいる限り…お前が…俺のお日さんが隣で笑っていてくれる限り、俺は絶対負けねェ。大体お前を置いて勝手に死んだりなんかしねーよ」
そしてそれを聞いた音莉も涙を拭き…
(あ)「私、銀さんの力になれるよう…銀さんの太陽になれるように絶対帰ってきます」
そうして互いに約束のキスをかわした二人。音莉は髪にさしていた二本の簪のうちの一本を銀時に預け、二人はそこで別れた。
意識が朦朧とし、死にゆくのかと実感する月詠。
同じ頃、夜兎の本能が覚醒し、阿伏兎を殺そうとする神楽。そんな神楽を新八が止める。
(新)「僕らの…大切な仲間を護るんだ!! お前なんかの為に神楽ちゃんの手は汚させはしない!!」
新八の声に、意識が戻りかける神楽。
そんな時、聞こえてきたのは音莉の声だった。
(あ)《いつも君の側にいるよ
だからもう一人じゃない
君が道に迷う時は
僕が先を歩くよ》
その歌声に月詠は力を取り戻し、部下達と鳳仙を倒す決意をする。
(月)「(今度こそ…わっちが主を助ける番じゃ)」
そしてその声を聞いて神楽も元に戻り、屋根が崩れて落ちていく所を阿伏兎に助けられた二人。
阿伏兎が深い闇に落ちて行く中、新八は屋根の上からそれを見ていた。
そして目を開けた神楽は自身の弱さに悔やむ。
(神)「もっと強くなりたい。みんなを護れる位…誰にも自分にも負けない位……」
そして新八も…
(新)「いつだって何かを護る度に、ちょっとずつだけど僕ら強くなってきたじゃないか。だから涙を拭いていこう。きっと僕ら…また一つ、強くなれるさ」
こうして二人で強くなる決意をしたのだった。
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