第百三話
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まだまだ寒い冬が続くある日のこと。その依頼は突然やってきた。
(あ)「ジャズコンテスト主催者、上井ジョージ…」
私は目の前に座る男性から渡された名刺を読みあげる。
(上)「はい。実は一ヵ月後に江戸の野外ライブステージにてジャズコンテスト、というのを行うんです」
(新)「ジャズってアレですよね?」
(神)「なんかオシャレで大人っぽい雰囲気のアレアルな? 私にぴったりなあれアルな?」
(銀)「そうだな。お前とは程遠い曲のジャンルだな」
(あ)「それで…その方が私に何の御用で?」
(上)「実は…」
(銀)「どうせアレだろ? 歌姫である音莉に出てほしいとかだろ? 無理無理。音莉はアイドルと変わらねー程の超絶な人気を誇ってるんだ。だったらキッチリ出演料払ってもらわなきゃ困るぜ?」
(あ)「ちょっと、お金の事はどうでもいいですから!」
(上)「あの…お金なら幾らでも出します。だから、どうか是非出演していただけないでしょうか?」
(銀)「(幾らでも…)よーし、音莉。やるぞ」
(新)「銀さん、目が『¥』になってますけど…」
(神)「最悪アル。自分の女を金儲けの為に使うなんて…」
(あ)「で、でもそこまでして…なんで私に?」
(上)「はい。実は…」
すると上井さんがトロフィーのようなものを取り出した。
(上)「これが優勝トロフィーになるのですが…」
机の上に置かれたそのトロフィーは、全体が金でできており、一番上には『♪』の形をした飾りが乗っている。そしてそのトロフィーの中央には…
(あ)「………! コレは…!」
(神)「音莉の腕輪と同じ…!」
そう…私の腕輪の中心にはまっている、あの虹色をした石がトロフィーの中央にもはまっていたのだ。
(上)「やはり見覚えがありますか」
(あ)「え、ええ…」
でもまさか、こんな所で同じ石が見れるなんて…。
(上)「実はこのトロフィー…いや、トロフィーにはまっているこの石を、ある組織が狙っているんです」
(新)「ある組織…?」
(上)「ええ。マンコッタン・ジャズ・オーケストラというビックバンドの集団なのですが…」
(新)「あの…アニメでやったら確実にピー音が入る単語があるんですけど……」
(あ)「でもどうしてこれが狙われてるんですか?」
(上)「マンコッタン・ジャズ・オーケストラは表向きは宇宙中で大活躍するビックバンドですが、実はその裏の顔は宇宙を征服しようとする宇宙海賊、マンコッタンなのです」
(新)「いや、だからその部分とっちゃダメでしょ…」
(上)「この虹色に輝く石には願いが叶う特別な力があると言われております。彼等はその力を使って宇宙征服を企んでいるのです」
(あ)「特別な力…」
"願いが叶う"なのかは解らない。でも確かに、この腕輪が光る時はこの虹色の石も光る。何かの力を使う時も、奥儀を使う時も、私の想いに応えてくれる時は必ずいつも腕輪と共にこの石も光るのだ。
(上)「しかもマンコッタン・ジャズ・オーケストラは宇宙中でもかなりの腕を持つビックバンド。彼等の優勝を阻止するにはもうアナタしかいないのです」
(銀)「その優勝のトロフィーを別のモンにするってのはできねーのか?」
(上)「残念ながら。先日脅迫状が送られてきまして、『トロフィーを別のものにしたり、大会そのものを取りやめにしたら、この江戸の街を炎上させる』と…」
(神)「吉原炎上篇ならぬ『江戸炎上篇』アルな」
(新)「言ってる場合じゃねーだろ! と、とにかくそいつらの優勝を阻止するのが今回の依頼って事ですよね?」
(あ)「江戸の…いや、宇宙の運命が私にかかってるって事ね……」
ちょっとプレッシャーがかかるけど、もしそれが私にしかできないことならば…
(あ)「解りました。その依頼、引き受けます」
(上)「本当ですか!? ありがとうございます!」
上井さんは立ち上がって頭を下げる。
(あ)「あの…でもルールとかよく解らないんで、教えてもらってもいいですか?」
(上)「そうでしたね。えっと…まず曲は自作のものになります。その曲の演奏方法は歌でも楽器のみの演奏でも…ジャズであればなんでもオーケーです」
(銀)「まァ音莉は絶対歌だな」
(あ)「そうですね…」
(上)「ただし…曲は二曲になります」
(あ)「二曲…?」
(上)「はい。例えばクールな曲と情熱的な曲、静かな曲と華やかな曲…というようにそれぞれ別のテイスト…いわば二曲でジャズというジャンルのギャップを引き出してほしいのです」
(あ)「成程…」
(上)「出場者はそんなにおりませんので、順位は観客のみなさんの投票で決めようと思っています」
(銀)「じゃあ見た目とか印象も大事だって事だな」
(上)「それ位でしょうか。何かあったらお電話ください」
(あ)「はい、解りました」
まあ確かに、宇宙を護らないといけないというのもある。けれど他のどこでも見た事のなかったこの腕輪の虹色の石。もしかしたら何か私の記憶の手がかりになってくれるかもしれない。だからそれもあって私は絶対に優勝しよう…そう決めたのだった。
(あ)「ジャズコンテスト主催者、上井ジョージ…」
私は目の前に座る男性から渡された名刺を読みあげる。
(上)「はい。実は一ヵ月後に江戸の野外ライブステージにてジャズコンテスト、というのを行うんです」
(新)「ジャズってアレですよね?」
(神)「なんかオシャレで大人っぽい雰囲気のアレアルな? 私にぴったりなあれアルな?」
(銀)「そうだな。お前とは程遠い曲のジャンルだな」
(あ)「それで…その方が私に何の御用で?」
(上)「実は…」
(銀)「どうせアレだろ? 歌姫である音莉に出てほしいとかだろ? 無理無理。音莉はアイドルと変わらねー程の超絶な人気を誇ってるんだ。だったらキッチリ出演料払ってもらわなきゃ困るぜ?」
(あ)「ちょっと、お金の事はどうでもいいですから!」
(上)「あの…お金なら幾らでも出します。だから、どうか是非出演していただけないでしょうか?」
(銀)「(幾らでも…)よーし、音莉。やるぞ」
(新)「銀さん、目が『¥』になってますけど…」
(神)「最悪アル。自分の女を金儲けの為に使うなんて…」
(あ)「で、でもそこまでして…なんで私に?」
(上)「はい。実は…」
すると上井さんがトロフィーのようなものを取り出した。
(上)「これが優勝トロフィーになるのですが…」
机の上に置かれたそのトロフィーは、全体が金でできており、一番上には『♪』の形をした飾りが乗っている。そしてそのトロフィーの中央には…
(あ)「………! コレは…!」
(神)「音莉の腕輪と同じ…!」
そう…私の腕輪の中心にはまっている、あの虹色をした石がトロフィーの中央にもはまっていたのだ。
(上)「やはり見覚えがありますか」
(あ)「え、ええ…」
でもまさか、こんな所で同じ石が見れるなんて…。
(上)「実はこのトロフィー…いや、トロフィーにはまっているこの石を、ある組織が狙っているんです」
(新)「ある組織…?」
(上)「ええ。マンコッタン・ジャズ・オーケストラというビックバンドの集団なのですが…」
(新)「あの…アニメでやったら確実にピー音が入る単語があるんですけど……」
(あ)「でもどうしてこれが狙われてるんですか?」
(上)「マンコッタン・ジャズ・オーケストラは表向きは宇宙中で大活躍するビックバンドですが、実はその裏の顔は宇宙を征服しようとする宇宙海賊、マンコッタンなのです」
(新)「いや、だからその部分とっちゃダメでしょ…」
(上)「この虹色に輝く石には願いが叶う特別な力があると言われております。彼等はその力を使って宇宙征服を企んでいるのです」
(あ)「特別な力…」
"願いが叶う"なのかは解らない。でも確かに、この腕輪が光る時はこの虹色の石も光る。何かの力を使う時も、奥儀を使う時も、私の想いに応えてくれる時は必ずいつも腕輪と共にこの石も光るのだ。
(上)「しかもマンコッタン・ジャズ・オーケストラは宇宙中でもかなりの腕を持つビックバンド。彼等の優勝を阻止するにはもうアナタしかいないのです」
(銀)「その優勝のトロフィーを別のモンにするってのはできねーのか?」
(上)「残念ながら。先日脅迫状が送られてきまして、『トロフィーを別のものにしたり、大会そのものを取りやめにしたら、この江戸の街を炎上させる』と…」
(神)「吉原炎上篇ならぬ『江戸炎上篇』アルな」
(新)「言ってる場合じゃねーだろ! と、とにかくそいつらの優勝を阻止するのが今回の依頼って事ですよね?」
(あ)「江戸の…いや、宇宙の運命が私にかかってるって事ね……」
ちょっとプレッシャーがかかるけど、もしそれが私にしかできないことならば…
(あ)「解りました。その依頼、引き受けます」
(上)「本当ですか!? ありがとうございます!」
上井さんは立ち上がって頭を下げる。
(あ)「あの…でもルールとかよく解らないんで、教えてもらってもいいですか?」
(上)「そうでしたね。えっと…まず曲は自作のものになります。その曲の演奏方法は歌でも楽器のみの演奏でも…ジャズであればなんでもオーケーです」
(銀)「まァ音莉は絶対歌だな」
(あ)「そうですね…」
(上)「ただし…曲は二曲になります」
(あ)「二曲…?」
(上)「はい。例えばクールな曲と情熱的な曲、静かな曲と華やかな曲…というようにそれぞれ別のテイスト…いわば二曲でジャズというジャンルのギャップを引き出してほしいのです」
(あ)「成程…」
(上)「出場者はそんなにおりませんので、順位は観客のみなさんの投票で決めようと思っています」
(銀)「じゃあ見た目とか印象も大事だって事だな」
(上)「それ位でしょうか。何かあったらお電話ください」
(あ)「はい、解りました」
まあ確かに、宇宙を護らないといけないというのもある。けれど他のどこでも見た事のなかったこの腕輪の虹色の石。もしかしたら何か私の記憶の手がかりになってくれるかもしれない。だからそれもあって私は絶対に優勝しよう…そう決めたのだった。
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