第八十九話(トッシー篇)
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(注:この小説ではタカティンは出てきません。ゴメンなさい)
~no side~
現在、新八を含む寺門通親衛隊は、お通のライブが終わり、大江戸ドームから出てきた所だった。
(タ)「いやぁ、今日も熱かったね、新ちゃん。やっぱりお通ちゃんのライブは最高だね。会場が一つになるあの一体感は何者にも代えがたいよ」
(新)「………」
(軍)「惜しむらくは神曲、『お前のジィちゃん自転車立ちこぎしてた』がアコースティックバージョンになってた事かな。アレンジもいいけどやっぱり原曲が聞きたかったね、僕は」
「神曲、『お前のバァちゃんお前のバッシュ履いてた』も客席にマイクをふってお通ちゃんの歌声が聞こえなかったね。ライブならではの観客との一体感を演出する為とはいえ、実に残念だったよ」
(タ)「オイ、グチグチ言ってんじゃねーぞ、てめーら! ライブにはライブのよさ、CDにはCDの良さがあんだよ! とどのつまり、お通ちゃんは最高って事だ。ね、新ちゃん」
(新)「………」
すると先程から黙っていた新八は、数歩先を歩いた所で足を止めた。
(タ)「新ちゃん…?」
(軍)「隊長、どうしたんですか? 今日はなんか元気ないですね。お通ちゃんのライブだってのに何かあったんですか」
すると新八は俯きながら言った。
(新)「…そうだな。今日はお通ちゃんのライブ。我々寺門通親衛隊にとっては何よりも重要な日。何ものにも代えがたい特別な日だ。なのに……」
そして新八は歯を食いしばって叫んだ。
(新)「なんでたった四人しか集まってねーんだァァァァァァァァァァ!!」
そう…現在この場には、親衛隊のメンバーは新八も含めて四人しか集まっていないのだ。
そして新八は軍曹に鼻フックデストロイヤーをかける。
(軍)「ふぎぃっ!」
(新)「軍曹! 寺門通親衛隊隊規、82条を言ってみろ!」
(軍)「お、お通ちゃんのライブは例え親の葬式の日でも必ず参加すべし! (姉上の葬式は可)であります!」
(新)「そうだ! なのになんだ、この体たらくは! 他の隊員はどうした!? 貴様、ちゃんと連絡網は回したのか!」
(軍)「ち、違うんです、隊長! これは…これは……!」
すると軍曹の懐から大量の脱隊願いが地面にバサッ…と落ちた
「ヤ、ヤベ…」
(タ)「バ、バカ! 軍曹! お前…!」
軍曹達が必死で新八にそれを見せまいと、そそくさと拾い上げる。
(タ)「い、いや、違うんだよ? 新ちゃん! これは、えっと、その…」
(新)「…やめたのか」
(タ)「えっ…」
「「げっ…」」
新八のその静かに放った一言を聞いて、三人が固まる。
(新)「アイツらまさか…この僕に何の断りもなく…親衛隊を……やめたのか!?」
そう言って顔を上げた新八の目は、真っ赤に充血していた。
「「………」」
(新)「ふざけやがって! ブッ殺してやる!!」
(タ)「新ちゃん!」
イキナリ走り出した新八をタカチンが追いかける。
(新)「一体どこのアイドルだ! どこの腐れアイドルに鞍替えしやがった! 『お通ちゃん以外のアイドルを決して崇拝することなかれ』…隊規14条を忘れたか、奴等ァァァァァァァァァァ!!」
(タ)「新ちゃん! お、落ちつけ、新ちゃん!」
タカチンが新八を止めようと抱きつくも、新八はタカチンを引きずりながら人々の間を走り続ける。
(新)「落ちつかない! 一人ずつ家に乗りこんで、隊規復唱しながら腕立て伏せだ!!」
(タ)「ち、違うんだ、新ちゃん! アイツら別にお通ちゃんのファンをやめたワケじゃないんだ!」
(新)「じゃあどうしてここに来てないんだ! 一体何があったていうんだ!!」
(タ)「それは…」
「その辺にしておいてあげなよ、志村氏」
(新)「………!」
その声に新八は立ち止まった。
「言えるワケないじゃないか」
「みんなが出て行ったのは、お通ちゃんのせいなんかじゃない」
「志村氏、君のやり方が気に食わないからだ。なんて…」
そこにはかつての親衛隊の隊員も含め、袖をギザギザにカットしたジージャンを着て、頭に赤いバンダナを巻いた人々が大量にいたのだ。
(新)「な、なんだお前ら。気持ち悪っ!」
(タ)「古田、川下、藤山! みんな…みんなてめーらウチをやめてった連中じゃねーか! 何してやがんだ! なんじゃ? その格好。てめーら、恥ずかしくねーのか!?」
(?)「恥ずかしいのは君達の方さ。硬派なアイドル親衛隊など松田珍子、中森刃牙菜らが席巻した太古の昔に既に滅んだ前時代の遺物」
その人々の間を割って、その声の主…誰かが新八の方へと歩いてくる。
(?)「君達のやり方はもう古いんだよ。そんなやり方ではもう誰もついていかない。寺門通親衛隊はもう滅んだんだ」
(新)「………!」
その姿を見て新八は驚愕した。
(ト)「これからはそう…この僕、僕が率いるニューウェーブ、通選組の時代なのだよ。クッスッスッス…」
そう…その男は……
(新)「お、お前は…トッシー!」
(ト)「クッスッスッスッス…」
トッシーは新八をあざ笑うかのように、不気味な笑みを浮かべていた。
~no side~
現在、新八を含む寺門通親衛隊は、お通のライブが終わり、大江戸ドームから出てきた所だった。
(タ)「いやぁ、今日も熱かったね、新ちゃん。やっぱりお通ちゃんのライブは最高だね。会場が一つになるあの一体感は何者にも代えがたいよ」
(新)「………」
(軍)「惜しむらくは神曲、『お前のジィちゃん自転車立ちこぎしてた』がアコースティックバージョンになってた事かな。アレンジもいいけどやっぱり原曲が聞きたかったね、僕は」
「神曲、『お前のバァちゃんお前のバッシュ履いてた』も客席にマイクをふってお通ちゃんの歌声が聞こえなかったね。ライブならではの観客との一体感を演出する為とはいえ、実に残念だったよ」
(タ)「オイ、グチグチ言ってんじゃねーぞ、てめーら! ライブにはライブのよさ、CDにはCDの良さがあんだよ! とどのつまり、お通ちゃんは最高って事だ。ね、新ちゃん」
(新)「………」
すると先程から黙っていた新八は、数歩先を歩いた所で足を止めた。
(タ)「新ちゃん…?」
(軍)「隊長、どうしたんですか? 今日はなんか元気ないですね。お通ちゃんのライブだってのに何かあったんですか」
すると新八は俯きながら言った。
(新)「…そうだな。今日はお通ちゃんのライブ。我々寺門通親衛隊にとっては何よりも重要な日。何ものにも代えがたい特別な日だ。なのに……」
そして新八は歯を食いしばって叫んだ。
(新)「なんでたった四人しか集まってねーんだァァァァァァァァァァ!!」
そう…現在この場には、親衛隊のメンバーは新八も含めて四人しか集まっていないのだ。
そして新八は軍曹に鼻フックデストロイヤーをかける。
(軍)「ふぎぃっ!」
(新)「軍曹! 寺門通親衛隊隊規、82条を言ってみろ!」
(軍)「お、お通ちゃんのライブは例え親の葬式の日でも必ず参加すべし! (姉上の葬式は可)であります!」
(新)「そうだ! なのになんだ、この体たらくは! 他の隊員はどうした!? 貴様、ちゃんと連絡網は回したのか!」
(軍)「ち、違うんです、隊長! これは…これは……!」
すると軍曹の懐から大量の脱隊願いが地面にバサッ…と落ちた
「ヤ、ヤベ…」
(タ)「バ、バカ! 軍曹! お前…!」
軍曹達が必死で新八にそれを見せまいと、そそくさと拾い上げる。
(タ)「い、いや、違うんだよ? 新ちゃん! これは、えっと、その…」
(新)「…やめたのか」
(タ)「えっ…」
「「げっ…」」
新八のその静かに放った一言を聞いて、三人が固まる。
(新)「アイツらまさか…この僕に何の断りもなく…親衛隊を……やめたのか!?」
そう言って顔を上げた新八の目は、真っ赤に充血していた。
「「………」」
(新)「ふざけやがって! ブッ殺してやる!!」
(タ)「新ちゃん!」
イキナリ走り出した新八をタカチンが追いかける。
(新)「一体どこのアイドルだ! どこの腐れアイドルに鞍替えしやがった! 『お通ちゃん以外のアイドルを決して崇拝することなかれ』…隊規14条を忘れたか、奴等ァァァァァァァァァァ!!」
(タ)「新ちゃん! お、落ちつけ、新ちゃん!」
タカチンが新八を止めようと抱きつくも、新八はタカチンを引きずりながら人々の間を走り続ける。
(新)「落ちつかない! 一人ずつ家に乗りこんで、隊規復唱しながら腕立て伏せだ!!」
(タ)「ち、違うんだ、新ちゃん! アイツら別にお通ちゃんのファンをやめたワケじゃないんだ!」
(新)「じゃあどうしてここに来てないんだ! 一体何があったていうんだ!!」
(タ)「それは…」
「その辺にしておいてあげなよ、志村氏」
(新)「………!」
その声に新八は立ち止まった。
「言えるワケないじゃないか」
「みんなが出て行ったのは、お通ちゃんのせいなんかじゃない」
「志村氏、君のやり方が気に食わないからだ。なんて…」
そこにはかつての親衛隊の隊員も含め、袖をギザギザにカットしたジージャンを着て、頭に赤いバンダナを巻いた人々が大量にいたのだ。
(新)「な、なんだお前ら。気持ち悪っ!」
(タ)「古田、川下、藤山! みんな…みんなてめーらウチをやめてった連中じゃねーか! 何してやがんだ! なんじゃ? その格好。てめーら、恥ずかしくねーのか!?」
(?)「恥ずかしいのは君達の方さ。硬派なアイドル親衛隊など松田珍子、中森刃牙菜らが席巻した太古の昔に既に滅んだ前時代の遺物」
その人々の間を割って、その声の主…誰かが新八の方へと歩いてくる。
(?)「君達のやり方はもう古いんだよ。そんなやり方ではもう誰もついていかない。寺門通親衛隊はもう滅んだんだ」
(新)「………!」
その姿を見て新八は驚愕した。
(ト)「これからはそう…この僕、僕が率いるニューウェーブ、通選組の時代なのだよ。クッスッスッス…」
そう…その男は……
(新)「お、お前は…トッシー!」
(ト)「クッスッスッスッス…」
トッシーは新八をあざ笑うかのように、不気味な笑みを浮かべていた。
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