第四十三話(柳生篇)
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~no side~
今から何年も前の話。
夕焼け色に染まったとある神社の境内から子供達が缶蹴りをして遊んでいる声が聞こえてくる。
そんな中、二人の少年少女が祭壇の階段に座っていた。
「うぅ…ひっく……」
「もう、男の子がそんなにめそめそしないの。それでもお侍さん?」
「妙ちゃんもじーちゃんと同じ事言うんだね。侍、侍って…お侍ってそんなに強くなきゃいけないの? 僕なんかチビチビっていっつもイジメられてるし、女の子の妙ちゃんよりちっちゃいし…。こんなチビで弱虫な奴がお侍なんてなれるワケないんだ」
「大人になったら大きくなれるよ」
「なれないね。だって父上もじーちゃんも、僕の一族はみんなちっちゃいんだ」
「ちっちゃくたっていいじゃない。山椒は小粒でもピリリと辛(から)いって言うでしょ?」
「妙ちゃん…」
「私のデータによると、社長さんとか大物には結構背が小さい人の方が多いのよ?」
「どこのデータだよ、妙ちゃん…」
「そういう人の"股の玉"になれってお父上に言われてるんだ」
「玉の輿だよ? 妙ちゃん。もうなんかいろんなものがグッチャグチャだよ…」
「それに、みんなより背がちっちゃいなら九ちゃんは誰よりも心の大きな侍になればいいんだよ」
「……じゃあ、妙ちゃん。僕が心の大きな強い侍になったら…妙ちゃん、僕の…僕の股の玉に………」
今から何年も前の話。
夕焼け色に染まったとある神社の境内から子供達が缶蹴りをして遊んでいる声が聞こえてくる。
そんな中、二人の少年少女が祭壇の階段に座っていた。
「うぅ…ひっく……」
「もう、男の子がそんなにめそめそしないの。それでもお侍さん?」
「妙ちゃんもじーちゃんと同じ事言うんだね。侍、侍って…お侍ってそんなに強くなきゃいけないの? 僕なんかチビチビっていっつもイジメられてるし、女の子の妙ちゃんよりちっちゃいし…。こんなチビで弱虫な奴がお侍なんてなれるワケないんだ」
「大人になったら大きくなれるよ」
「なれないね。だって父上もじーちゃんも、僕の一族はみんなちっちゃいんだ」
「ちっちゃくたっていいじゃない。山椒は小粒でもピリリと辛(から)いって言うでしょ?」
「妙ちゃん…」
「私のデータによると、社長さんとか大物には結構背が小さい人の方が多いのよ?」
「どこのデータだよ、妙ちゃん…」
「そういう人の"股の玉"になれってお父上に言われてるんだ」
「玉の輿だよ? 妙ちゃん。もうなんかいろんなものがグッチャグチャだよ…」
「それに、みんなより背がちっちゃいなら九ちゃんは誰よりも心の大きな侍になればいいんだよ」
「……じゃあ、妙ちゃん。僕が心の大きな強い侍になったら…妙ちゃん、僕の…僕の股の玉に………」
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