(キ)「坂田サーン、坂田サーン！ オ登勢サンノ代ワリニ家賃ノ回収ニ参リマシタ。開ケテクダサーイ！ イルノハワカッテマース」


外からキャサリンさんの声が聞こえる。


そんな中、私達は部屋の明かりを消して、机の下に潜り、息を潜めていた。


実は今日、家賃のお金を作る為にとある場所へ出かける予定だったのだが、意外と早くキャサリンさんが来てしまったので、外に出れなくなってしまったのだ。


(キ)「坂田サーン、アホノ坂田サーン！」


(新)「あーあ。だから早く出ようって言ったのに…」


(銀)「しーっ、静かに。いいか、絶対動くなよ？ 気配を殺せ。自然と一体になるんだ」


(あ)「いや、忍者じゃあるまいし…」


(銀)「お前は宇宙の一部であり、宇宙はお前の一部だ」


(神)「宇宙は私の一部！？ スゴイアル！ 小さな悩みなんて吹っ飛んじゃうアルネ！」


(銀)「うるせーよ、静かにしろ！」


(新)「アンタが一番うるさいよ！」


(銀)「いいや、お前のツッコミが一番うるさーい！」


(あ)「二人共うるさい。黙れ。それとも黙らせてやろうか？」


(銀&新)「「はい、スイマセン…」」


(あ)「アレ？ でも静かになりましたね」


それに玄関前の人影も消えていた。


(銀)「帰ったか？」


(キ)「ナンカ修学旅行ミタイデドキドキスルネ」


(銀&あ&神&新)「「「「うわあああああああああ！」」」」


イキナリ背後からキャサリンさんの声がして、私達は机をひっくり返して一目散に逃げ出す。ていうかどうやって入ったのやら…。


(キ)「待チナサイ！」


(銀)「開け、豆！」


銀さんが部屋の窓を開ける。


(あ)「いや、『豆』じゃなくて『ごま』だから！」


そして銀さんに続いて窓から飛び降りる。


(銀)「ふっ！」


(あ)「うわあっ！」


(神)「ほいっ！」


(新)「あたっ！」


最後に新八君が机を倒してキャサリンさんを足止めした。


(銀)「行くぞ！」


私達が立ちあがり、逃げようとすると…


(登)「キャサリンは鍵開けが十八番なんだ。例え金庫に立てこもろうがが逃げられないよ」


目の前にお登勢さんが立ち塞がった。


(銀&神)「「くっ……」」


(新)「お登勢さん…」


(あ)「はぁ…」


(キ)「鍵ッ娘キャサリンッテ呼ンデネ」


背後にはキャサリンさんが立ち塞がり、完全に挟み撃ちにされた私達。


(登)「コラァァァァァ、天然パーマ！ 今日こそは溜まった家賃、払ってもらうからね！」


(銀)「くっ…」


(登)「金がねェなら腎臓なり金玉なり売って金作らんかい！ このクソったれがァァァァァァァ！！」


すると背後から定春が現れて…



(定)「はぐ……」


お登勢さんの顔を噛んだ。


(銀)「今だ！」


(あ)「お登勢さん、ゴメンなさい！」


私達はお登勢さんの横をすり抜けて、再び逃げ出した。


後ろから定春も走ってくる。


(登)「コラァァァァァ！ 家賃寄こせェェェェェェ！」


そんなお登勢さんの声をバックに、走り続ける私達。


(新)「銀さん、ホントに家賃払えるくらい松茸取れるんですよね？」


(神)「そうでないと帰ってこられないアル！」


(あ)「私、ホームレス生活とか嫌ですよ！？」


(銀)「大丈夫だって！ 俺の情報を信じろよ！」


そう。今日は銀さんの情報を頼りに松茸の採れる山に行く予定なのだ。


ドン！


(銀&あ&神&新)「「「「うわあっ！」」」」


定春が追突してきて、私達を背に乗せて、山まで一直線に走る。


(銀&あ&神&新)「「「「キノコ狩りじゃァァァァァァ！！」」」」