第六十二話
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~no side~
「うおおおおおおおおおお!!」と歓声が響くスタジアム。
(司会)「さあ、後半はロスタイム! ここにきてFC大江戸、最後のチャンスだァァァァァァァァ!!」
(長)「頼んだぜ…」
(桂)「行け…」
(エ)[フリップ:行け]
(近)「決めろ!」
(妙)「任せたわよ!」
(猿)「今よ!」
(神)「打つアル!」
(新)「そこだ!」
(あ)「みんな信じてるから!」
(銀)「叩き込め、甘羅尾!」
甘羅尾…と呼ばれたその男は、サッカーボールめがけて思いっきり足を振り上げ……。
~2時間40分前~
コツコツ…とスタジアムの廊下を歩く音が響く。
その正体は、サッカーチーム、FC大江戸のストライカー…甘羅尾大作であった。
(甘)「(ストライカー…。それは"ゴール"と言う獲物を追い続ける獣。その獣を追い求めてきた旅路の先で、待っているものはなんだろう? この旅の終着点となる今日の試合でも、自分の真意を貫ければ全てが見えてくるハズだ。この俺の…ゴールを追い続けた人生の先にある新たな世界が……)」
そして目の前に現れた『ロッカルーム』と書かれている扉に手をかけ…
(甘)「よし、行くぞお前ら!!」
だが甘羅尾が扉を開けると、そこには腹を抱えて床に横たわっているチームメイトと、『麦汁』と書かれた売り子服を着た万事屋一行の姿があったのだった。
(甘)「えええええええええええええええ!?」
甘羅尾の叫びがスタジアム中に響き渡った。
~音莉side~
やっちゃったなァ…。やっちゃったよ、オイ…。
恐らく今扉を開けた人は、同じユニフォームを着ている事から倒れているこの人達のチームメイト。
そりゃあ自分のチームメイトがこんな姿になってたら驚くのも無理はない。
(甘)「オイ、何コレ!? 一体どうなってんの!? つーか誰? アンタら一体誰!?」
救急隊員に運ばれていくチームメイトを見て、大慌てする肌の黒いこの選手。
(銀)「だ、誰って言われても…なァ?」
銀さんがこちらを向く。
(あ)「バ、バイトしてるというか…よね?」
私は新八君の方を向く。
(新)「ま、まァビールの売り子的な…ねェ?」
新八君は神楽ちゃんの方を向く。
(神)「ビール売りに来たらコイツら、『試合前にビールは飲めない。ボカリしか飲みたくない』って言ったアル。だから私、わざわざボカリの粉探して作ってやったネ」
神楽ちゃんが思い浮かべる回想には、『水』と書かれたバケツに大量の石火を入れる神楽ちゃんであった。
(甘)「違うよ、それ! ボカリの粉じゃないから! デッド・オア・アライブの境界線の粉だからァァァァァァァ!」
いや、ですよね…。そんなもの飲ませたら…ヤバイ事になりますよね。ていうかもうなっちゃいましたけど……。
(甘)「もう試合始まるんだぞ!? つーかなんて事してくれたんだよ! 一体どうすればいいんだよ、俺は!」
その人は頭を抱える。
(銀)「新八、誰だ? アイツ」
(あ)「そうそう。私も気になってたの」
(新)「アレですよ。『FC大江戸のスター選手、甘羅尾大作ですよ」
うーん…イマイチ聞き覚えがないなぁ……。
(銀)「あのー…甘羅尾さんよォ。そんな大騒ぎしなくていいじゃない。俺なんかアレだよ? 8月31日まで夏休みの宿題やってなくても全然動じなかったよ?」
だが甘羅尾さんは俯いたままであった。
(あ)「…甘羅尾さん?」
(甘)「……今日は…俺の引退試合だったんだ」
(銀)「引退試合?」
(甘)「ああ。自分で言うのもなんだが、俺はこのチームのシンボル的存在だ。今まで20年間FC大江戸一筋で数々のゴールを奪ってきた。そしてそれ以上のゴールを夜の町で量産し、サポーターからは『夜の得点王』、『合コンの司令塔』と親しまれてきたエースストライカーだ」
(銀)「いや、見下されてるだろ、それ」
(あ)「ていうかなんのエース!?」
(甘)「全盛期には数々の伝説となるゴールを築いた俺は、そう…ファンタジスタ」
(銀)「オイ、ダメだろお前! どんなファンタジーだよ!」
(神)「要するにただのタラシアルな」
(甘)「そんな俺の引退試合が不戦敗だなんて…。ファンを悲しませるだけだ」
(新)「いや、アンタの経歴が既に不戦敗な気がするんですけど…」
(あ)「もう既にファンを悲しませてるような気がするんですけど…」
(甘)「解ってるさ…。でも今日だけはちがァァァァァァう!!」
(銀&あ&神&新)「「「「ん?」」」」
(甘)「今日だけは…この引退試合で俺の大事な息子の願いを叶えてやりたいと思ってんだ!」
(新)「じゃあ、息子さんの為に今日ゴールを…?」
(甘)「そうだよ! そのつもりだったんだよ!? それをこんなにしやがって! 解ったよ、もう死ぬわ! 俺が死にゃあいいんだ! 今すぐ死のう! ネーちゃん、俺にもボカリ大盛りで!」
(神)「はいアル!」
すると神楽ちゃんはどこからか石灰のつまったラインカーを取り出した。
(あ)「いや、ちょっと待って待って! 何も死ぬ事ないじゃないですか!」
(甘)「じゃあアンタらどうしてくれるんだ!? 責任とってくれんの!?」
すると甘羅尾さんが銀さんの胸ぐらを掴んだ。
(甘)「人を集めるのでもなんでもいいよ! とにかく試合が出来るようになんとかしてくれよ! そうじゃないと…息子が…もう俺の息子が……」
銀さんに縋りつきながら涙を流す甘羅尾さん。
(あ)「(まさか息子さん…病気かなにかなのかな……)」
だから甘羅尾さんは自分の…父親のカッコいい所をみせて息子さんに元気を出してもらおうと……。
(あ)「銀さん…」
すると銀さんは溜息を一つつき…
(銀)「解った。解ったよ。とりあえず俺がなんとかすっから、ちょっと待っててくれ」
(甘)「感謝しまーす!!」
甘羅尾さんが涙と鼻水を垂らしながらそう言った。
「うおおおおおおおおおお!!」と歓声が響くスタジアム。
(司会)「さあ、後半はロスタイム! ここにきてFC大江戸、最後のチャンスだァァァァァァァァ!!」
(長)「頼んだぜ…」
(桂)「行け…」
(エ)[フリップ:行け]
(近)「決めろ!」
(妙)「任せたわよ!」
(猿)「今よ!」
(神)「打つアル!」
(新)「そこだ!」
(あ)「みんな信じてるから!」
(銀)「叩き込め、甘羅尾!」
甘羅尾…と呼ばれたその男は、サッカーボールめがけて思いっきり足を振り上げ……。
~2時間40分前~
コツコツ…とスタジアムの廊下を歩く音が響く。
その正体は、サッカーチーム、FC大江戸のストライカー…甘羅尾大作であった。
(甘)「(ストライカー…。それは"ゴール"と言う獲物を追い続ける獣。その獣を追い求めてきた旅路の先で、待っているものはなんだろう? この旅の終着点となる今日の試合でも、自分の真意を貫ければ全てが見えてくるハズだ。この俺の…ゴールを追い続けた人生の先にある新たな世界が……)」
そして目の前に現れた『ロッカルーム』と書かれている扉に手をかけ…
(甘)「よし、行くぞお前ら!!」
だが甘羅尾が扉を開けると、そこには腹を抱えて床に横たわっているチームメイトと、『麦汁』と書かれた売り子服を着た万事屋一行の姿があったのだった。
(甘)「えええええええええええええええ!?」
甘羅尾の叫びがスタジアム中に響き渡った。
~音莉side~
やっちゃったなァ…。やっちゃったよ、オイ…。
恐らく今扉を開けた人は、同じユニフォームを着ている事から倒れているこの人達のチームメイト。
そりゃあ自分のチームメイトがこんな姿になってたら驚くのも無理はない。
(甘)「オイ、何コレ!? 一体どうなってんの!? つーか誰? アンタら一体誰!?」
救急隊員に運ばれていくチームメイトを見て、大慌てする肌の黒いこの選手。
(銀)「だ、誰って言われても…なァ?」
銀さんがこちらを向く。
(あ)「バ、バイトしてるというか…よね?」
私は新八君の方を向く。
(新)「ま、まァビールの売り子的な…ねェ?」
新八君は神楽ちゃんの方を向く。
(神)「ビール売りに来たらコイツら、『試合前にビールは飲めない。ボカリしか飲みたくない』って言ったアル。だから私、わざわざボカリの粉探して作ってやったネ」
神楽ちゃんが思い浮かべる回想には、『水』と書かれたバケツに大量の石火を入れる神楽ちゃんであった。
(甘)「違うよ、それ! ボカリの粉じゃないから! デッド・オア・アライブの境界線の粉だからァァァァァァァ!」
いや、ですよね…。そんなもの飲ませたら…ヤバイ事になりますよね。ていうかもうなっちゃいましたけど……。
(甘)「もう試合始まるんだぞ!? つーかなんて事してくれたんだよ! 一体どうすればいいんだよ、俺は!」
その人は頭を抱える。
(銀)「新八、誰だ? アイツ」
(あ)「そうそう。私も気になってたの」
(新)「アレですよ。『FC大江戸のスター選手、甘羅尾大作ですよ」
うーん…イマイチ聞き覚えがないなぁ……。
(銀)「あのー…甘羅尾さんよォ。そんな大騒ぎしなくていいじゃない。俺なんかアレだよ? 8月31日まで夏休みの宿題やってなくても全然動じなかったよ?」
だが甘羅尾さんは俯いたままであった。
(あ)「…甘羅尾さん?」
(甘)「……今日は…俺の引退試合だったんだ」
(銀)「引退試合?」
(甘)「ああ。自分で言うのもなんだが、俺はこのチームのシンボル的存在だ。今まで20年間FC大江戸一筋で数々のゴールを奪ってきた。そしてそれ以上のゴールを夜の町で量産し、サポーターからは『夜の得点王』、『合コンの司令塔』と親しまれてきたエースストライカーだ」
(銀)「いや、見下されてるだろ、それ」
(あ)「ていうかなんのエース!?」
(甘)「全盛期には数々の伝説となるゴールを築いた俺は、そう…ファンタジスタ」
(銀)「オイ、ダメだろお前! どんなファンタジーだよ!」
(神)「要するにただのタラシアルな」
(甘)「そんな俺の引退試合が不戦敗だなんて…。ファンを悲しませるだけだ」
(新)「いや、アンタの経歴が既に不戦敗な気がするんですけど…」
(あ)「もう既にファンを悲しませてるような気がするんですけど…」
(甘)「解ってるさ…。でも今日だけはちがァァァァァァう!!」
(銀&あ&神&新)「「「「ん?」」」」
(甘)「今日だけは…この引退試合で俺の大事な息子の願いを叶えてやりたいと思ってんだ!」
(新)「じゃあ、息子さんの為に今日ゴールを…?」
(甘)「そうだよ! そのつもりだったんだよ!? それをこんなにしやがって! 解ったよ、もう死ぬわ! 俺が死にゃあいいんだ! 今すぐ死のう! ネーちゃん、俺にもボカリ大盛りで!」
(神)「はいアル!」
すると神楽ちゃんはどこからか石灰のつまったラインカーを取り出した。
(あ)「いや、ちょっと待って待って! 何も死ぬ事ないじゃないですか!」
(甘)「じゃあアンタらどうしてくれるんだ!? 責任とってくれんの!?」
すると甘羅尾さんが銀さんの胸ぐらを掴んだ。
(甘)「人を集めるのでもなんでもいいよ! とにかく試合が出来るようになんとかしてくれよ! そうじゃないと…息子が…もう俺の息子が……」
銀さんに縋りつきながら涙を流す甘羅尾さん。
(あ)「(まさか息子さん…病気かなにかなのかな……)」
だから甘羅尾さんは自分の…父親のカッコいい所をみせて息子さんに元気を出してもらおうと……。
(あ)「銀さん…」
すると銀さんは溜息を一つつき…
(銀)「解った。解ったよ。とりあえず俺がなんとかすっから、ちょっと待っててくれ」
(甘)「感謝しまーす!!」
甘羅尾さんが涙と鼻水を垂らしながらそう言った。
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