第六十話

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主人公の名前(デフォルト:音莉〔おとり〕)
名前をひらがなで(五十八話で使用)

ヒラヒラと桃色の桜が舞う中、私達はその木の下にシートを敷いてお花見をしていた。


(妙)「はーい。お弁当ですよ」


お妙さんがお弁当箱をシートの上に置く。

(銀)「悪いな、オイ。姉弟水入らずのとこ邪魔しちゃって」


(妙)「いいのよー。二人でお花見なんてしても寂しいもの。ね? 新ちゃん」


それを聞いた新八君がにっこり笑う。


(妙)「お父上が健在の頃はよく三人、桜の下でハジけたものだわ。さ、お食べになって」


(銀)「んじゃ、遠慮なく…」


銀さんが蓋を開けるとそこには…


(銀&あ)「「あっ…」」


真っ黒になったダークマターがあった。…そうだ。お妙さんって確か料理ダメだったよね? 最近は忘れてたよ…。


(銀)「何ですか? これは…。アート?」


(妙)「私、卵焼きしか作れないの」


(銀)「卵焼きじゃねーだろ? これは焼けた卵だよ」


(妙)「卵が焼けていればそれがどんな状態であろうと卵焼きよ」


(銀)「違うよ。これは卵焼きじゃなくて可哀想な卵だよ」


(妙)「いいから男は黙って食えやァァァァァァァ!!」


お妙さんが銀さんの口に無理やりその黒いダークマターを突っ込んだ。なんかジャリジャリ…っていう音がするんですけど…。


(あ)「ぎ、銀さん! お、お茶…お茶はっと…」


そしてその横では…


(神)「コレを食べないと死ぬんだ。コレを食べないと死ぬんだ。コレを…」


ジャリジャリ…


(新)「暗示かけてまで食べんでいいわ! やめときなって。僕のように目が悪くなるよ」


(あ)「そ、そうだ! 私もお弁当作ってきたんで、食べてください」


私は四重くらいに重なった重箱を取り出し、蓋を開ける。


(新)「わあああ! スゴイ! 色どりがキレイ!」


(妙)「ホント。私も見習わなくっちゃ」


(新)「…姉上、台所を爆心地にするのだけはやめてください……」


(神)「流石は銀ちゃんの未来のお嫁さん!」


(あ)「えっ!? そ、そんな…お嫁さんなんて…///」


(銀)「なんだ? 俺が旦那じゃ嫌か?」


(あ)「そ、そんな事ないですけど…/// っていいから、早く食べましょ! はい、手を合わせて」


パチン…


(銀&あ&神&新&妙)「「「「「いただきます」」」」」


するとみんなが真っ先に卵焼きを口に入れる。


(あ)「…どうですか?」


(神)「…美味しいネ!」


(新)「この絶妙な甘さ…けど甘すぎないこの微妙バランス……」


(妙)「スゴイ…スゴイわ。私にも作れるかしら?」


(銀)「………」


(あ)「ぎ、銀さん?」


そうだ、銀さん甘党だから…。やっぱりもっと甘いのじゃないとダメかな…?


すると…


(銀)「………(泣)」


(あ)「えっ!? ちょ、銀さん!? なんで泣いてるんですか!?」


(銀)「音莉…お前マジでなんなの? …美味すぎて死にそう」


(あ)「は、はい!?」


(銀)「音莉…ここにいてくれてありがとう」


(あ)「あっ、え!? な、なんですか急に…///」


(新)「ま、まァさっきあのダークマターを食べさせられたから余計ですよね…」


(妙)「何がダークマターですって?」


(新)「えっ? あ、いや…」


(妙)「ホラ、私の卵焼きも食べてください。音莉ちゃんには敵わないですけど…」


(銀&あ&神&新)「「「「(…いや、それはもう食べ物ではない!)」」」」


すると…


(近)「だっはっはっは! まったく、しょうがない奴等だな。どれ? 俺が食べてやるから、このタッパーに入れておきなさい」


なんと、いつの間にかタッパーを片手に近藤さんがシートの上に座っていたのだ。


(銀&あ&神&新&妙)「「「「「………」」」」」


(妙)「何レギュラーみたいな顔して座ってんだ、ゴリラァァァァァァ!! どっから湧いて出た!」


バッコォォォォォン!


(近)「うおおおおおおおおお!」


お妙さんが近藤さんの顔面を殴り、さらに何発もの拳を受けて、近藤さんがボコボコになる。


(銀)「オイオイ…まだストーカー被害にあってたのか? 町奉行に相談した方がいいって」


(あ)「いや、あの人警察の…しかもトップの人ですから……」


(銀)「…世も末だな」


(土)「悪かったな」


声のした方を見ると、そこには土方さんや沖田さんなど、真選組の人達が立っていた。
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