第五十話
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『若の成長日記 東城歩
12月1日 今日も麗しの若は気高く凛々しく美しい。あの一件以来どこか表情が柔らかくなった。これは妙殿と音莉殿の存在が大きかろう。あんな騒動があったにも関わらず、変わらず若と親交を交わす彼女達の懐の深さには心底感服する。妙齢の女子三人、仲睦まじく歩く姿は実に微笑ましい。やはり若は女の子だ。色々遠回りしてしまったが、やはり若には女子としての幸せを掴んでほしい。
12月2日 軽いジャブとして若の部屋にゴスロリ衣装を置いておく。燃やされる。
12月4日 カーテンの上のシャーってなるヤツが外れたので、呂太に行く。
12月7日 機は熟した。ゴスロリ衣装を…爆破される。
12月10日 カーテンの上のシャーってなるヤツがアレだったので、呂太に行く。
12月12日 ナース服を…爆破される。
12月14日 カーテンの……爆破される。
この日記を今読んでいる者へ。コレを今そなたが読んでいるという事は恐らく私はもうこの世にはいないだろう。しかし私の若への思いは重々解ってくれた事と思う。頼む。どうか私の意志を継ぎ、若を…若を立派な女の子に……』
ある日、万事屋のポストに入っていた郵便物の中身がコレだった。
(銀)「なんだ? コレ…」
(あ)「アレ? まだ続きがありますね…」
『12月15日 カーテンの上のシャーのヤツがやっぱりアレなので、呂太へ…』
(銀&あ&神&新)「「「「………」」」」
私達は後ろを向き…
(銀&あ&神&新)「「「「うりゃああああああああああああ!!」」」」
扉の隙間からこっそり覗いていた東城さんを蹴り飛ばした。
・
・
・
・
あれから東城さんを万事屋の中に通し、私達は席につく。
(銀)「なんだよ、コレ。『若の成長日記』って」
(新)「アンタどんだけ暇なんですか。九兵衛さんへの嫌がらせと呂太の往復しかしてないじゃないですか!」
(あ)「ていうかどんだけカーテンのシャー気になってるんですか…」
(東)「いやァ、他にも裏柳生との死闘とか色々あったんですが、取り立てて日記に書く程でもないので…」
(あ)「シャーの方がいりませんよ!」
(銀)「オイオイ、こんなの俺の『音莉の記録』のパクリじゃねーか」
(あ)「ちょ、なんですか!? それ!」
(銀)「ん? 例えば…」
と銀さんが一冊のノートを取り出して中を開く。
(銀)「『12月20日 今日も音莉は相変わらず宇宙一カワイイ。非常識のカワイさである。もう音莉以外の人間が道端に転がっている石にしか見えない。ていうか音莉マジ天使。マジパネェ。もう俺の心臓ドッキドキだよ!』とか…」
(新)「アンタも相当な暇人だな…」
(銀)「『12月25日 今日は聖夜らしく、俺の下で音莉を喘がせて…』」
(あ)「だあああああああ! ストップ、ストップぅぅぅぅぅぅぅ!!////」
銀さんの手にあるノートをぱたっと閉じる。
(あ)「ウソを書くんじゃない! してないからね、ホントに!」
そしてヘナヘナと座り込む私。
(あ)「それで…なんの話でしたっけ……?」
(東)「若の複雑な事情を知るアナタ達ならば力になってくれるのではと頼みにきた次第です。最早柳生の者は若に警戒され動けません。どうか力を貸していただけませんかね?」
(銀)「事情を知ってるからこそ手が出しづらいんだろうが。今まで男して育てられて急に女になれ?『お前今日から女になれ』って言われてなれるか? あ? チンコ切ってから来い、ボケ」
すると東城さんが刀を抜き…
(東)「さようなら、歩! こんにちは、綾!」
(新)「待て待て待て待て! 解った! アンタの気持ちは充分解った!」
刀を手にする東城さんを新八君がなんとか止める。
(銀)「で? 親父やジジイはなんて言ってんだ?」
(東)「共に『自然の成り行きに任せろ』と…。『若の一番望むようにするのが良い』と…。あのお二人は若を護る為とは言え、あのようにしてしまった事に責任を感じています。その負い目から若に強く出られずあのような騒動が起きたとも言える。ここは私がなんとかするしかないでしょう! 若がこのまま女の身でありながら男を遠ざけ、女の子ばかり追いかけていても幸せになれると思いますか!? 否!」
(新)「ただ、気持ちは解りますが幸せってのは百人いれば百通りあるモンじゃないんですか? 九兵衛さんが幸せなら、それを外野がとやかく言うのは間違ってませんか?」
すると…
(東)「そんな余裕こいてる場合じゃねーんだァァァァァァァァ!!」
バコッ!
(新)「うおおおおおおおおお!」
新八君が東城さんに殴られ、さらに…
(神)「甘ちゃんは黙ってな!」
バコッ!
神楽ちゃんも新八君を殴った。
(新)「ちょっと、何するんですか! 神楽ちゃんまで!」
(神)「イラッときたアル! 喋り場を見た時と同じ感情が芽生えてきたアル!」
(東)「事は一刻を争うのです」
(あ)「争うって…さっきから何をそんなに焦ってるんですか?」
(東)「ゴスロリの衣装を仕込む折、若の部屋からこんなものが…」
東城さんが一枚のチラシを取り出す。そこには…
(新)「整形外科!?」
(銀)「(もしや…!)」
(新)「(工事…!?)」
(あ)「………?」
整形? 別に九兵衛さん、そんな事したいなんて言ってなかったと思うんだけど…。ていうかコレの何が一刻を争うの?
(新)「(あの顔の下に…穢れたバベルの塔を建設しようというのか!)」
(銀&新&東)「「「………」」」
立ちあがって深刻な表情を浮かべる三人。
(神)「穢れたバベルの塔、ってお前ら全員生えてんだろ」
(あ)「穢れたバベルの塔って何?」
(東)「報酬なら幾らでも払いましょう。男としてもう一度頼みます。バベルの塔建設阻止、お手伝い願えますか?」
(あ)「だからバベルの塔って何?」
すると銀さんが静かに座り込む。
(銀)「…合コン、開くぞ」
(新&東)「「………!」」
(銀)「今迄男として生きてきた奴を女に変えるのは容易じゃねェ。だが女である事を自覚させる事は容易い」
(新&東)「「(つまり…男に惚れさせる!)」」
(あ)「あの…」
私、話についていけないんですけど…。
(銀)「バベルの塔を完成阻止する手立てはもうそれしかねェ。集めるんだ、勇者(おとこ)達を。選ばれしバベルの勇者達を!」
(あ)「…いい加減にしろ!」
バコッ!
(銀)「いった!」
全然話を聞いてくれないので、ハリセンで銀さんを殴ってやった。
(あ)「だから、まずバベルの塔ってなんなんですか!?」
(神)「音莉は純粋すぎるアルヨ」
(銀)「アレだよ…アレ。ホラ…息子さん……」
(あ)「へっ!? 九兵衛さんが結婚して妊娠するんですか!? めでたい話じゃないですか!」
(銀)「ちっがーう! そっちじゃなくて男の股についてる方の息子さんだって!」
(あ)「……いやいやいや! それにしたってそれはないですよ! 九兵衛さん、別に完全なる男になりたがってるような素振りは…」
それで『合コン』というワードが出てきたわけか…。
(あ)「でも合コンか…。友達とか出来るかな?」
(銀)「あ? 音莉は留守番に決まってんだろ」
(あ)「えっ!? ちょっと、なんでですか!」
(銀)「なんでって…そりゃあ音莉を合コンなんかに連れていったら悪い虫がうじゃうじゃ寄ってくるじゃねーか!!」
(あ)「寄ってきませんよ。私カワイくないですもん」
(銀)「寄ってくるんだよ! 百人男がいたら絶対百人寄ってくるね!」
(あ)「でも、そんなの銀さんだけズルイです…。仮に九兵衛さんが銀さんに惚れちゃったらどうするんですか……」
(銀)「心配しなくても俺は音莉一筋だ」
(あ)「それでも不安です…。不安なまま一人で待つのは嫌です。それに…悪い虫は全部銀さんがやっつけてくれるんでしょ? (ニコッ」
(銀)「………///」
(神)「銀ちゃん、負けたアルな」
(新)「負けましたね」
12月1日 今日も麗しの若は気高く凛々しく美しい。あの一件以来どこか表情が柔らかくなった。これは妙殿と音莉殿の存在が大きかろう。あんな騒動があったにも関わらず、変わらず若と親交を交わす彼女達の懐の深さには心底感服する。妙齢の女子三人、仲睦まじく歩く姿は実に微笑ましい。やはり若は女の子だ。色々遠回りしてしまったが、やはり若には女子としての幸せを掴んでほしい。
12月2日 軽いジャブとして若の部屋にゴスロリ衣装を置いておく。燃やされる。
12月4日 カーテンの上のシャーってなるヤツが外れたので、呂太に行く。
12月7日 機は熟した。ゴスロリ衣装を…爆破される。
12月10日 カーテンの上のシャーってなるヤツがアレだったので、呂太に行く。
12月12日 ナース服を…爆破される。
12月14日 カーテンの……爆破される。
この日記を今読んでいる者へ。コレを今そなたが読んでいるという事は恐らく私はもうこの世にはいないだろう。しかし私の若への思いは重々解ってくれた事と思う。頼む。どうか私の意志を継ぎ、若を…若を立派な女の子に……』
ある日、万事屋のポストに入っていた郵便物の中身がコレだった。
(銀)「なんだ? コレ…」
(あ)「アレ? まだ続きがありますね…」
『12月15日 カーテンの上のシャーのヤツがやっぱりアレなので、呂太へ…』
(銀&あ&神&新)「「「「………」」」」
私達は後ろを向き…
(銀&あ&神&新)「「「「うりゃああああああああああああ!!」」」」
扉の隙間からこっそり覗いていた東城さんを蹴り飛ばした。
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あれから東城さんを万事屋の中に通し、私達は席につく。
(銀)「なんだよ、コレ。『若の成長日記』って」
(新)「アンタどんだけ暇なんですか。九兵衛さんへの嫌がらせと呂太の往復しかしてないじゃないですか!」
(あ)「ていうかどんだけカーテンのシャー気になってるんですか…」
(東)「いやァ、他にも裏柳生との死闘とか色々あったんですが、取り立てて日記に書く程でもないので…」
(あ)「シャーの方がいりませんよ!」
(銀)「オイオイ、こんなの俺の『音莉の記録』のパクリじゃねーか」
(あ)「ちょ、なんですか!? それ!」
(銀)「ん? 例えば…」
と銀さんが一冊のノートを取り出して中を開く。
(銀)「『12月20日 今日も音莉は相変わらず宇宙一カワイイ。非常識のカワイさである。もう音莉以外の人間が道端に転がっている石にしか見えない。ていうか音莉マジ天使。マジパネェ。もう俺の心臓ドッキドキだよ!』とか…」
(新)「アンタも相当な暇人だな…」
(銀)「『12月25日 今日は聖夜らしく、俺の下で音莉を喘がせて…』」
(あ)「だあああああああ! ストップ、ストップぅぅぅぅぅぅぅ!!////」
銀さんの手にあるノートをぱたっと閉じる。
(あ)「ウソを書くんじゃない! してないからね、ホントに!」
そしてヘナヘナと座り込む私。
(あ)「それで…なんの話でしたっけ……?」
(東)「若の複雑な事情を知るアナタ達ならば力になってくれるのではと頼みにきた次第です。最早柳生の者は若に警戒され動けません。どうか力を貸していただけませんかね?」
(銀)「事情を知ってるからこそ手が出しづらいんだろうが。今まで男して育てられて急に女になれ?『お前今日から女になれ』って言われてなれるか? あ? チンコ切ってから来い、ボケ」
すると東城さんが刀を抜き…
(東)「さようなら、歩! こんにちは、綾!」
(新)「待て待て待て待て! 解った! アンタの気持ちは充分解った!」
刀を手にする東城さんを新八君がなんとか止める。
(銀)「で? 親父やジジイはなんて言ってんだ?」
(東)「共に『自然の成り行きに任せろ』と…。『若の一番望むようにするのが良い』と…。あのお二人は若を護る為とは言え、あのようにしてしまった事に責任を感じています。その負い目から若に強く出られずあのような騒動が起きたとも言える。ここは私がなんとかするしかないでしょう! 若がこのまま女の身でありながら男を遠ざけ、女の子ばかり追いかけていても幸せになれると思いますか!? 否!」
(新)「ただ、気持ちは解りますが幸せってのは百人いれば百通りあるモンじゃないんですか? 九兵衛さんが幸せなら、それを外野がとやかく言うのは間違ってませんか?」
すると…
(東)「そんな余裕こいてる場合じゃねーんだァァァァァァァァ!!」
バコッ!
(新)「うおおおおおおおおお!」
新八君が東城さんに殴られ、さらに…
(神)「甘ちゃんは黙ってな!」
バコッ!
神楽ちゃんも新八君を殴った。
(新)「ちょっと、何するんですか! 神楽ちゃんまで!」
(神)「イラッときたアル! 喋り場を見た時と同じ感情が芽生えてきたアル!」
(東)「事は一刻を争うのです」
(あ)「争うって…さっきから何をそんなに焦ってるんですか?」
(東)「ゴスロリの衣装を仕込む折、若の部屋からこんなものが…」
東城さんが一枚のチラシを取り出す。そこには…
(新)「整形外科!?」
(銀)「(もしや…!)」
(新)「(工事…!?)」
(あ)「………?」
整形? 別に九兵衛さん、そんな事したいなんて言ってなかったと思うんだけど…。ていうかコレの何が一刻を争うの?
(新)「(あの顔の下に…穢れたバベルの塔を建設しようというのか!)」
(銀&新&東)「「「………」」」
立ちあがって深刻な表情を浮かべる三人。
(神)「穢れたバベルの塔、ってお前ら全員生えてんだろ」
(あ)「穢れたバベルの塔って何?」
(東)「報酬なら幾らでも払いましょう。男としてもう一度頼みます。バベルの塔建設阻止、お手伝い願えますか?」
(あ)「だからバベルの塔って何?」
すると銀さんが静かに座り込む。
(銀)「…合コン、開くぞ」
(新&東)「「………!」」
(銀)「今迄男として生きてきた奴を女に変えるのは容易じゃねェ。だが女である事を自覚させる事は容易い」
(新&東)「「(つまり…男に惚れさせる!)」」
(あ)「あの…」
私、話についていけないんですけど…。
(銀)「バベルの塔を完成阻止する手立てはもうそれしかねェ。集めるんだ、勇者(おとこ)達を。選ばれしバベルの勇者達を!」
(あ)「…いい加減にしろ!」
バコッ!
(銀)「いった!」
全然話を聞いてくれないので、ハリセンで銀さんを殴ってやった。
(あ)「だから、まずバベルの塔ってなんなんですか!?」
(神)「音莉は純粋すぎるアルヨ」
(銀)「アレだよ…アレ。ホラ…息子さん……」
(あ)「へっ!? 九兵衛さんが結婚して妊娠するんですか!? めでたい話じゃないですか!」
(銀)「ちっがーう! そっちじゃなくて男の股についてる方の息子さんだって!」
(あ)「……いやいやいや! それにしたってそれはないですよ! 九兵衛さん、別に完全なる男になりたがってるような素振りは…」
それで『合コン』というワードが出てきたわけか…。
(あ)「でも合コンか…。友達とか出来るかな?」
(銀)「あ? 音莉は留守番に決まってんだろ」
(あ)「えっ!? ちょっと、なんでですか!」
(銀)「なんでって…そりゃあ音莉を合コンなんかに連れていったら悪い虫がうじゃうじゃ寄ってくるじゃねーか!!」
(あ)「寄ってきませんよ。私カワイくないですもん」
(銀)「寄ってくるんだよ! 百人男がいたら絶対百人寄ってくるね!」
(あ)「でも、そんなの銀さんだけズルイです…。仮に九兵衛さんが銀さんに惚れちゃったらどうするんですか……」
(銀)「心配しなくても俺は音莉一筋だ」
(あ)「それでも不安です…。不安なまま一人で待つのは嫌です。それに…悪い虫は全部銀さんがやっつけてくれるんでしょ? (ニコッ」
(銀)「………///」
(神)「銀ちゃん、負けたアルな」
(新)「負けましたね」
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