第八話
NameChange
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
~no side~
月の綺麗なある夜。
大きな屋敷の一角では、ネズミ頭の男と人間の男が言葉を交わしていた。
「へっへっへ…越後屋、お主も悪よのう。お宮もあの世で恨んでいよう」
「お戯れを。あやつめを殺す算段を整えたのは、鼠屋様…あなた様の方ではありませんか」
「アレ? そうだったっけ?」
「またこれ、とぼけちゃってェ! これからもよきに…」
「うむ」
とその時、襖がカタカタ…と震えた。
「ん?誰かいるのか?」
男が襖に近づいた、次の瞬間…。
ガタッ! と障子を突き破って伸びてきた腕が男の首を掴み、男は襖ごとその場に押し倒された。
「な、なにあつだ!」
男の首からボキッ…という不穏な音が鳴った後、首を掴んだその人物……藤紫色の長い髪の女は、すくっと立ち上がった。
(?)「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、鬼畜外道…必殺の理をあらわす」
スタスタと歩いてくる女に、ネズミ男は腰をぬかして動けないでいた。
(?)「こんばんは、始末屋さっちゃん、見参。闇商人鼠屋、か弱き民衆を食い物にし、己の至福を肥やすこと万死に値する。この始末屋さっちゃんが、成敗してくれよう!」
だが怒気の迫る声を向けたその相手はネズミ男……ではなく、部屋に飾っていた仏像であった。
「お、オイ…こっちだぞ!」
たまらずネズミ男は声をかけるが、女はその声のする方に視線を向けた後。
(?)「さあ、覚悟しなさい、鼠屋!」
…今度は鏡に向かって臨戦態勢をとった。
「何しにきたの!? お前!」
(?)「あの、すいません。さっきメガネ落としちゃって。ちょっと一緒に探してくれませんか?」
するとどこからか伸びてきた男の手が、「ほら」と女に赤縁のメガネを差し出した。
(?)「ああ、見えてきた見えてきた」
受け取った女はそのメガネを装着するも……そうこうしているうちに、刀を持った数人の男に取り囲まれていたのだ。
(?)「……見えなきゃよかった」
「曲者ォォォォォ!」
背後から斬りかかってきた男を華麗によけ、輪の中から抜け出すと、とんでもない速さで駆けだして襖を蹴破り、外へ飛び出す。
外では仲間の男二人が待機していたが、まさかの展開に目を丸くしている。
(?)「作戦失敗、退却よ!」
「逃げだぞ!」
「追え! 逃がすな!」
そんな追っ手をもろともせず、女はまるで忍者のように屋根の上を伝い走っていく。
(?)「しくじったか、出直そう」
だがある家の屋根に足をつけた、次の瞬間。
ガラガラガラ! と屋根が崩れる音と共に、女はその屋根の下へと姿を消してしまった。
月の綺麗なある夜。
大きな屋敷の一角では、ネズミ頭の男と人間の男が言葉を交わしていた。
「へっへっへ…越後屋、お主も悪よのう。お宮もあの世で恨んでいよう」
「お戯れを。あやつめを殺す算段を整えたのは、鼠屋様…あなた様の方ではありませんか」
「アレ? そうだったっけ?」
「またこれ、とぼけちゃってェ! これからもよきに…」
「うむ」
とその時、襖がカタカタ…と震えた。
「ん?誰かいるのか?」
男が襖に近づいた、次の瞬間…。
ガタッ! と障子を突き破って伸びてきた腕が男の首を掴み、男は襖ごとその場に押し倒された。
「な、なにあつだ!」
男の首からボキッ…という不穏な音が鳴った後、首を掴んだその人物……藤紫色の長い髪の女は、すくっと立ち上がった。
(?)「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、鬼畜外道…必殺の理をあらわす」
スタスタと歩いてくる女に、ネズミ男は腰をぬかして動けないでいた。
(?)「こんばんは、始末屋さっちゃん、見参。闇商人鼠屋、か弱き民衆を食い物にし、己の至福を肥やすこと万死に値する。この始末屋さっちゃんが、成敗してくれよう!」
だが怒気の迫る声を向けたその相手はネズミ男……ではなく、部屋に飾っていた仏像であった。
「お、オイ…こっちだぞ!」
たまらずネズミ男は声をかけるが、女はその声のする方に視線を向けた後。
(?)「さあ、覚悟しなさい、鼠屋!」
…今度は鏡に向かって臨戦態勢をとった。
「何しにきたの!? お前!」
(?)「あの、すいません。さっきメガネ落としちゃって。ちょっと一緒に探してくれませんか?」
するとどこからか伸びてきた男の手が、「ほら」と女に赤縁のメガネを差し出した。
(?)「ああ、見えてきた見えてきた」
受け取った女はそのメガネを装着するも……そうこうしているうちに、刀を持った数人の男に取り囲まれていたのだ。
(?)「……見えなきゃよかった」
「曲者ォォォォォ!」
背後から斬りかかってきた男を華麗によけ、輪の中から抜け出すと、とんでもない速さで駆けだして襖を蹴破り、外へ飛び出す。
外では仲間の男二人が待機していたが、まさかの展開に目を丸くしている。
(?)「作戦失敗、退却よ!」
「逃げだぞ!」
「追え! 逃がすな!」
そんな追っ手をもろともせず、女はまるで忍者のように屋根の上を伝い走っていく。
(?)「しくじったか、出直そう」
だがある家の屋根に足をつけた、次の瞬間。
ガラガラガラ! と屋根が崩れる音と共に、女はその屋根の下へと姿を消してしまった。
1/8ページ
