第六話
NameChange
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
~no side~
蝉が大合唱を告げ、まったくさりげなくないギンギラギンの太陽が地上を照り付ける中、一人の男がパチンコ屋から出てきた。
グラサンをかけ、少し小汚い茶色の甚平を着て、しおれたタバコを咥えたそのオッさんは、冷房がきいていたハズの店内から今しがた出てきたばかりだというのに、既に顔は廃人のようになっていた。
男がしばらく店前で佇んでいると、向かいにある別のパチンコ屋から、これまた今しがた店内から出てきたばかりだというのに、既に顔は廃人のようになっている銀時が出てきたのだ。
(?)「よ、よォ…」
(銀)「お、おう…長谷川さんも来てたの。どうした? すごい汗だぞ?」
長谷川さんと呼ばれた男は、万事屋とは少々因縁があり、不憫な目に遭わされているものの、銀時とはたまに一緒に飲む仲であった。
(銀)「……負けたのか?」
(長)「えっ…、い、いや…今日はあっついな。そういうお前も汗だくだぞ? 負けたのか?」
その言葉に銀時は一瞬眉をピクリと動かした後、思いっきり太陽を指さした。
(銀)「暑いィィィィィィィィィィィ!! 今日はあっついな、オイ! 太陽、お前有給とれ、バカヤロー!」
(長)「そうか。俺はてっきり冷や汗かと…」
とその時、長谷川の真横にあった自販機で飲み物を買おうとしていた男性が、うっかり手を滑らせて小銭を落とした。
チャリン…という音が辺りに響いた次の瞬間、二人の足はその音がする方に動き出していた。
・
・
・
・
(長)「人間、楽して儲けようとか、やっぱり考えちゃいけねーな。汗水流して稼いだ金は、自然と身から離れねーモンなんだ」
(銀)「なんであそこでやめなかったかな…あそこでやめてりゃお前……ああ、もったいねェことしちまったよ…あそこでやめてりゃ……」
人が落とした金で買ったチューペットをすすりながら、二人は池に向かってただひたすらに後悔をこぼす。
(長)「……人の話聞いてる? 夢と希望に満ち溢れたガキの頃の俺が、今の俺を見たらなんて言うだろう。拾った金でアイスを買うオッさんを見たら……」
(銀)「あそこでやめてりゃ、今頃パフェ食べ放題だったのになァ…。あそこでやめてりゃ………」
(長)「人の話聞いてる?」
(銀)「長谷川さんよォ、どっかにいい儲け話でも転がってねーもんか…」
(長)「最近はみんな不景気で、三食アイスさ」
(銀)「三食は無理だな…音莉が栄養失調で倒れちまう。つーかこのままだとついに音莉からもゴミを見るような目が……あああああ、それが一番怖ェェェェェェェ!!!」
(長)「オイ、ちょっと待て。音莉って誰? ま、まさか銀さん、そんなアンタでもか、彼女が………」
その時。
「もう、アンタったら、海連れてってくれるって言ったじゃん」
茂みの向こうから、女の甘ったらしい声が聞こえてきた。
(長)「いいなァ、海行きてーなァ…」
「私、もう水着買っちゃったのよ」
(銀)「いいなァ…音莉のビキニ…いや、フリルつき水着もいいなァ……」
(長)「だからその音莉って誰?」
二人のオッさんは茂みに隠れて声のする方を覗き見する。
その先では階段に座る男が、膝の上に女を乗せながら、イチャイチャと会話をしており。
「お前、今海なんて言っても泳げねーよ。なんでも謎の宇宙生物が出るらしいんだ」
「宇宙生物」という言葉に、二人のオッさんは同時に反応した。
「人食いサメだかイカだかタコだか知らないけど、危ないから泳げねェってんで、その化け物のクビに懸賞金がかけられたらしいぜ?」
(銀&長)「「懸賞金……!」」
「やだァ、こわーい」
なんて今にもおっぱじめそうな雰囲気の中、「金」というワードに反応した二人のオッさんは、隠れていることも忘れてすくっと立ち上がった。
もちろん、急に出てきた二人のオッさんの姿に、カップルもビックリだ。
(長)「今年の夏は…」
(銀)「えいりあん一本釣りだ!」
「……なに?この人達」
(長)「……ってか、だから音莉って誰!?」
蝉が大合唱を告げ、まったくさりげなくないギンギラギンの太陽が地上を照り付ける中、一人の男がパチンコ屋から出てきた。
グラサンをかけ、少し小汚い茶色の甚平を着て、しおれたタバコを咥えたそのオッさんは、冷房がきいていたハズの店内から今しがた出てきたばかりだというのに、既に顔は廃人のようになっていた。
男がしばらく店前で佇んでいると、向かいにある別のパチンコ屋から、これまた今しがた店内から出てきたばかりだというのに、既に顔は廃人のようになっている銀時が出てきたのだ。
(?)「よ、よォ…」
(銀)「お、おう…長谷川さんも来てたの。どうした? すごい汗だぞ?」
長谷川さんと呼ばれた男は、万事屋とは少々因縁があり、不憫な目に遭わされているものの、銀時とはたまに一緒に飲む仲であった。
(銀)「……負けたのか?」
(長)「えっ…、い、いや…今日はあっついな。そういうお前も汗だくだぞ? 負けたのか?」
その言葉に銀時は一瞬眉をピクリと動かした後、思いっきり太陽を指さした。
(銀)「暑いィィィィィィィィィィィ!! 今日はあっついな、オイ! 太陽、お前有給とれ、バカヤロー!」
(長)「そうか。俺はてっきり冷や汗かと…」
とその時、長谷川の真横にあった自販機で飲み物を買おうとしていた男性が、うっかり手を滑らせて小銭を落とした。
チャリン…という音が辺りに響いた次の瞬間、二人の足はその音がする方に動き出していた。
・
・
・
・
(長)「人間、楽して儲けようとか、やっぱり考えちゃいけねーな。汗水流して稼いだ金は、自然と身から離れねーモンなんだ」
(銀)「なんであそこでやめなかったかな…あそこでやめてりゃお前……ああ、もったいねェことしちまったよ…あそこでやめてりゃ……」
人が落とした金で買ったチューペットをすすりながら、二人は池に向かってただひたすらに後悔をこぼす。
(長)「……人の話聞いてる? 夢と希望に満ち溢れたガキの頃の俺が、今の俺を見たらなんて言うだろう。拾った金でアイスを買うオッさんを見たら……」
(銀)「あそこでやめてりゃ、今頃パフェ食べ放題だったのになァ…。あそこでやめてりゃ………」
(長)「人の話聞いてる?」
(銀)「長谷川さんよォ、どっかにいい儲け話でも転がってねーもんか…」
(長)「最近はみんな不景気で、三食アイスさ」
(銀)「三食は無理だな…音莉が栄養失調で倒れちまう。つーかこのままだとついに音莉からもゴミを見るような目が……あああああ、それが一番怖ェェェェェェェ!!!」
(長)「オイ、ちょっと待て。音莉って誰? ま、まさか銀さん、そんなアンタでもか、彼女が………」
その時。
「もう、アンタったら、海連れてってくれるって言ったじゃん」
茂みの向こうから、女の甘ったらしい声が聞こえてきた。
(長)「いいなァ、海行きてーなァ…」
「私、もう水着買っちゃったのよ」
(銀)「いいなァ…音莉のビキニ…いや、フリルつき水着もいいなァ……」
(長)「だからその音莉って誰?」
二人のオッさんは茂みに隠れて声のする方を覗き見する。
その先では階段に座る男が、膝の上に女を乗せながら、イチャイチャと会話をしており。
「お前、今海なんて言っても泳げねーよ。なんでも謎の宇宙生物が出るらしいんだ」
「宇宙生物」という言葉に、二人のオッさんは同時に反応した。
「人食いサメだかイカだかタコだか知らないけど、危ないから泳げねェってんで、その化け物のクビに懸賞金がかけられたらしいぜ?」
(銀&長)「「懸賞金……!」」
「やだァ、こわーい」
なんて今にもおっぱじめそうな雰囲気の中、「金」というワードに反応した二人のオッさんは、隠れていることも忘れてすくっと立ち上がった。
もちろん、急に出てきた二人のオッさんの姿に、カップルもビックリだ。
(長)「今年の夏は…」
(銀)「えいりあん一本釣りだ!」
「……なに?この人達」
(長)「……ってか、だから音莉って誰!?」
1/9ページ
