第二十五話
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とある日の朝、事件は唐突に起こった。
「うわあああああああああっ!」という私と神楽ちゃん、そして新八君の悲鳴が朝の万事屋に響き渡ったのだ。
え、銀さんはどうしたのかって?
こんな時に限って銀さんは昨晩飲みに出かけたきり、まだ帰ってきていない。
とその時、ガラガラと万事屋の扉が開く音が聞こえてきて、どうやらウワサをすればなんとやらだ。
(銀)「オーイ帰ったぞォ。銀さんが帰って来たよォ……あー気持ち悪っ…」
そんな声の後、ドサリと銀さんが倒れ込んで、「誰かイチゴ牛乳持ってきて…」と助けを求める声がするが、生憎今はそれどころではないのだ。
(あ)「ちょっと銀さん! ヤバイんです…色々ヤバイんです! 二日酔いなんかしてる場合じゃないですよ!」
逆に助けを求めるためにリビングの扉を開けば、銀さんが「あ?」と言いながら次の瞬間、動きを止めた。
なんとリビングは机からソファまでひっちゃかめっちゃかにひっくり返っていて。
それだけではない。
散乱した家具の山の上に、元々大きくはあったけどそういう問題じゃないくらいいつもの何倍以上の大きさになった定春が座っていて、その定春の口には、頭から飲み込まれた神楽ちゃんと新八君の足がはみ出ている。
床に這いつくばったままの銀さんと、定春は数秒見つめ合った後。
(銀)「……なんだ? やっぱり飲みすぎたか? やたら定春がデカく見えるぞ」
(あ)「デカく見えるというか、本当に大きくなっちゃったんですって!」
(銀)「オイ新八、そんな所に頭突っ込んでねェでイチゴ牛乳もってこーい!」
すると二人が定春の口をなんとかこじ開けて姿を見せた。
(新)「何寝ぼけたこと言ってんスか、この状況を見ろ!」
(神)「定春が…定春が一夜にして巨大化したネ!」
(銀)「うるせーなァ。デカい声出すんじゃねーよ、頭痛いから。男と犬はな、2、3日目ェ離すと急に大きくなるモンなんだ」
(新)「アンタは何日経っても平行線でずっとダメ人間だけどな、酔っ払い!」
(あ)「ていうか定春は毎日見てるじゃないですか。そもそも2、3日でこんなに大きくなるワケないでしょ!?」
そんなことをしている間にも、再び定春が口を閉じて二人を呑みこんでしまう
(神&新)「「うわあああああ!」」
(あ)「あ、ちょっと定春! ダメ、ダメだって!」
・
・
・
・
そしてどうにかして二人を救出しようと策を練っていれば、神楽ちゃんが「イチゴ牛乳…定春にイチゴ牛乳を!」と定春の口の中から叫ぶので、桶いっぱいになるほどのイチゴ牛乳を持っていけば、定春はあっさりと二人を解放してイチゴ牛乳を飲み始めた。
というか、犬にイチゴ牛乳を飲ませても大丈夫なのだろうか。それも牛乳パック10本分ほどの量を…。
(神)「定春はイチゴ牛乳が好物ヨ。飲んだら大人しくなるネ。身体は大きくなったけど性格は変わってないネ。さっきもじゃれてただけみたいアル」
(新)「じゃれてただけみたいって…あの大きさでじゃれられたらこっちとしては命とりなんだよね」
(あ)「でもなんでこんな事に…」
(銀)「成長期じゃねーの? 元々があのデカさだ。これくらいになるだろ」
(新)「でも一夜にしてこんな…」
(銀)「オメーらがむやみにカルシウム摂らせるからこんな事になるんだよ。カルシウムナメんなよ。カルシウムさえ摂っとけば全て上手くいくんだよ」
(新)「アンタ全然上手くいってないじゃないですか」
(銀)「何言ってんだ。カルシウムのおかげで俺ァこの前の音莉との初エッチもそりゃもう淫靡な夜に…」
…なんてすごく恥ずかしいことを言いかけた銀さんの腹に、無言で一発拳を打ち込めば、銀さんは「げふっ」と呻きをあげながらうずくまってしまった。
(新)「それよりどうしましょう。コレじゃ象飼ってるようなもんですよ。エサ代が…」
(神)「エサ代なんて元々バカになってなかったアルヨ。万が億になろうが億が兆になろうが一緒ネ」
(新)「一緒じゃねーよ! 一兆は一億がなんぼあると思ってんだ、てめーは!」
(銀)「…アレ、何個だっけ? 音莉ちゃん」
(あ)「しっかりしてくださいよ…。一兆は一億が一万個集まった数ですよ。腹だけじゃなくて頭にも一発おみまいした方がいいですか?」
(銀)「それは遠慮します…」
(新)「とにかくこのままじゃ飼ってく事すら難しいですよ。いや、捨てるのだって難しいし…」
(神)「捨てるなんて選択肢ないネ! お前ふざけるなヨ!」
(新)「誰も捨てようなんて言ってないだろ!?」
(銀)「大丈夫だよ、新八君、神楽ちゃん、音莉ちゃん。こーいう時は…」
と銀さんが懐をまさぐり、何かを取り出したと思えば。
(銀)「たらりらったら~。犬語翻訳機、『わんじゃこりゃああ』」
と金色の猫のような犬のような顔型で、画面のついた機械をダミ声でしゃべりながら取り出した。
(銀)「コレさえあれば犬が何を喋っているか、その鳴き声から分かるんだ」
(あ)「そのしゃべり方…ドラ○もんのつもりですか?」
(新)「いつの間にそんな便利なアイテムを…!」
(銀)「昨日飲み屋で隣の親父に枝豆と交換してもらったんだ」
(あ)「胡散臭さ100%じゃないですか!」
(銀)「とりあえず、コレを使えば定春がデカくなった理由も解決策も分かるかもしれねェ」
そう言いながら、銀さんはそのヘンテコな機械を持って定春の前に立ちはだかった。
(銀)「定春、お前どうしてそんなにデカくなったんだ?」
(定)「…………」
だがしかし、定春は銀さんをじっと見つめるのみ。
(銀)「オイ、なんとか言え!」
痺れを切らせた銀さんが定春をはたくと。
(定)「わぎゃァ!!」
……定春が振り上げた前足で何十倍返しのビンタをお見舞いされた銀さんは、鼻血を噴き出しながら吹っ飛んでしまった。
『わんじゃこりゃああ』が床に転がり、それを新八君が拾い上げたと同時に、機械からピピッと音が鳴って見てみれば。
『いてーな 動物愛護団体に訴えるぞこの野郎!』
そんな文字が画面に表示されていて。
(神)「当たってるっちゃ当たってるアル…」
(銀)「コノヤロー、ご主人様に何しやがるんだ!」
(神)「銀ちゃん定春の世話した事ないから」
(新)「銀さん、でもコレ結構使えるかもしれませんよ?」
すると今度は神楽ちゃんが定春に近寄っていく。
(神)「ふふん、次は私の番ネ。私は定春いつも可愛がってるから大丈夫ネ。定春、とりあえず私への日頃の感謝を言ってみるアル」
(定)「わん!」
するとまた『わんじゃこりゃああ』に文字が表示された。
『おまえ7位だったな ジャンプの人気投票』
それを見た神楽ちゃんは目を三角にしながら、思わず拳を振り上げていた。
(神)「てめー、なんでそんな事知ってんだァァァァァァ!」
(あ)「お、落ち着いて、神楽ちゃん!」
(新)「僕なんか8位だぞ!?」
なんとか新八君と二人で神楽ちゃんを取り押さえてなだめる。
だってこれ、神楽ちゃんと今の定春で殴り合いが始まったら万事屋がボロボロになって再起不能になりそうだし。
(新)「しょうがないな。なんだかんだ言って定春の世話をしてたの僕だもんね。定春、僕の言う事は聞いてくれるよね?」
(定)「わん!」
するとまたピロピロと音が鳴って、『わんじゃこりゃああ』の画面の覗き込んでみれば。
『お前という男を常日頃観察し感じたことを述べる 誰がボケてもツッコむ姿勢は評価に値するがツッコミに夢中になっているせいで自分の特性を忘れる傾向がある…といってもお前の特性なんてアイドルオタク以外ないがな 哀れな奴だ』
(新)「黒っ、こんな白い犬なのに腹の中黒っ! っていうか長げーよ! こんな長い意味あんの!? ってまたツッコんじまったァァァァァァ!! コイツの思うがままだ!」
(あ)「じゃあこの流れでいくと私かな?」
私も定春に辛辣な事言われたらどうしようとちょっとドキドキしながら近づいていく。
(あ)「定春、どうしてそんなに大きくなっちゃったの?」
(定)「わん!」
すると同様にまたピロピロと音が鳴って、『わんじゃこりゃああ』に文字が表示された。
『お前初めて会った時から可愛いと思ってたんだよ 食ってやろうか?』
(あ)「………」
(銀)「だァァァァァァ! 何言ってんだ、定春! てめー、音莉をそんな目で日頃見てたのかぁァァァァァァ!!」
思わず私の手から『わんじゃこりゃああ』が滑り落ちると、三人がそれを取り囲んで思いっきり踏みつけ始めた。
(神)「クッソー、このインチキマシーン!」
(銀)「あのジジイ、枝豆返せ! この野郎!」
すると画面が光り、また文字が表示された。
『く、苦しい』
(あ)「苦しい…?」
(新)「故障かな?」
(銀)「俺は二日酔いで苦しいよ…」
そしてまた文字列が変わる。
『助けて』
(神)「助けて?」
(銀)「こっちが助けてほしいわ。どうするんだよ、コレ…」
そんなことを言っている間にも、後ろからなんだか嫌なメキメキと建物が軋む音が聞こえてきて。
(あ)「あの…このメキメキいってるのなんの音でしょう…?」
(銀)「なんだ? 夏期講習で学力アップか?」
恐る恐る定春の方を見てみれば、先ほどまで少し見上げれば見えた定春の顔は、既に遥か頭上。
天井からは屋根の木くずが雨のように降り注いでいた。
……そう、定春が天井を突き破るほどに、さらなる巨大化を遂げてしまっていたのだった。
「うわあああああああああっ!」という私と神楽ちゃん、そして新八君の悲鳴が朝の万事屋に響き渡ったのだ。
え、銀さんはどうしたのかって?
こんな時に限って銀さんは昨晩飲みに出かけたきり、まだ帰ってきていない。
とその時、ガラガラと万事屋の扉が開く音が聞こえてきて、どうやらウワサをすればなんとやらだ。
(銀)「オーイ帰ったぞォ。銀さんが帰って来たよォ……あー気持ち悪っ…」
そんな声の後、ドサリと銀さんが倒れ込んで、「誰かイチゴ牛乳持ってきて…」と助けを求める声がするが、生憎今はそれどころではないのだ。
(あ)「ちょっと銀さん! ヤバイんです…色々ヤバイんです! 二日酔いなんかしてる場合じゃないですよ!」
逆に助けを求めるためにリビングの扉を開けば、銀さんが「あ?」と言いながら次の瞬間、動きを止めた。
なんとリビングは机からソファまでひっちゃかめっちゃかにひっくり返っていて。
それだけではない。
散乱した家具の山の上に、元々大きくはあったけどそういう問題じゃないくらいいつもの何倍以上の大きさになった定春が座っていて、その定春の口には、頭から飲み込まれた神楽ちゃんと新八君の足がはみ出ている。
床に這いつくばったままの銀さんと、定春は数秒見つめ合った後。
(銀)「……なんだ? やっぱり飲みすぎたか? やたら定春がデカく見えるぞ」
(あ)「デカく見えるというか、本当に大きくなっちゃったんですって!」
(銀)「オイ新八、そんな所に頭突っ込んでねェでイチゴ牛乳もってこーい!」
すると二人が定春の口をなんとかこじ開けて姿を見せた。
(新)「何寝ぼけたこと言ってんスか、この状況を見ろ!」
(神)「定春が…定春が一夜にして巨大化したネ!」
(銀)「うるせーなァ。デカい声出すんじゃねーよ、頭痛いから。男と犬はな、2、3日目ェ離すと急に大きくなるモンなんだ」
(新)「アンタは何日経っても平行線でずっとダメ人間だけどな、酔っ払い!」
(あ)「ていうか定春は毎日見てるじゃないですか。そもそも2、3日でこんなに大きくなるワケないでしょ!?」
そんなことをしている間にも、再び定春が口を閉じて二人を呑みこんでしまう
(神&新)「「うわあああああ!」」
(あ)「あ、ちょっと定春! ダメ、ダメだって!」
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そしてどうにかして二人を救出しようと策を練っていれば、神楽ちゃんが「イチゴ牛乳…定春にイチゴ牛乳を!」と定春の口の中から叫ぶので、桶いっぱいになるほどのイチゴ牛乳を持っていけば、定春はあっさりと二人を解放してイチゴ牛乳を飲み始めた。
というか、犬にイチゴ牛乳を飲ませても大丈夫なのだろうか。それも牛乳パック10本分ほどの量を…。
(神)「定春はイチゴ牛乳が好物ヨ。飲んだら大人しくなるネ。身体は大きくなったけど性格は変わってないネ。さっきもじゃれてただけみたいアル」
(新)「じゃれてただけみたいって…あの大きさでじゃれられたらこっちとしては命とりなんだよね」
(あ)「でもなんでこんな事に…」
(銀)「成長期じゃねーの? 元々があのデカさだ。これくらいになるだろ」
(新)「でも一夜にしてこんな…」
(銀)「オメーらがむやみにカルシウム摂らせるからこんな事になるんだよ。カルシウムナメんなよ。カルシウムさえ摂っとけば全て上手くいくんだよ」
(新)「アンタ全然上手くいってないじゃないですか」
(銀)「何言ってんだ。カルシウムのおかげで俺ァこの前の音莉との初エッチもそりゃもう淫靡な夜に…」
…なんてすごく恥ずかしいことを言いかけた銀さんの腹に、無言で一発拳を打ち込めば、銀さんは「げふっ」と呻きをあげながらうずくまってしまった。
(新)「それよりどうしましょう。コレじゃ象飼ってるようなもんですよ。エサ代が…」
(神)「エサ代なんて元々バカになってなかったアルヨ。万が億になろうが億が兆になろうが一緒ネ」
(新)「一緒じゃねーよ! 一兆は一億がなんぼあると思ってんだ、てめーは!」
(銀)「…アレ、何個だっけ? 音莉ちゃん」
(あ)「しっかりしてくださいよ…。一兆は一億が一万個集まった数ですよ。腹だけじゃなくて頭にも一発おみまいした方がいいですか?」
(銀)「それは遠慮します…」
(新)「とにかくこのままじゃ飼ってく事すら難しいですよ。いや、捨てるのだって難しいし…」
(神)「捨てるなんて選択肢ないネ! お前ふざけるなヨ!」
(新)「誰も捨てようなんて言ってないだろ!?」
(銀)「大丈夫だよ、新八君、神楽ちゃん、音莉ちゃん。こーいう時は…」
と銀さんが懐をまさぐり、何かを取り出したと思えば。
(銀)「たらりらったら~。犬語翻訳機、『わんじゃこりゃああ』」
と金色の猫のような犬のような顔型で、画面のついた機械をダミ声でしゃべりながら取り出した。
(銀)「コレさえあれば犬が何を喋っているか、その鳴き声から分かるんだ」
(あ)「そのしゃべり方…ドラ○もんのつもりですか?」
(新)「いつの間にそんな便利なアイテムを…!」
(銀)「昨日飲み屋で隣の親父に枝豆と交換してもらったんだ」
(あ)「胡散臭さ100%じゃないですか!」
(銀)「とりあえず、コレを使えば定春がデカくなった理由も解決策も分かるかもしれねェ」
そう言いながら、銀さんはそのヘンテコな機械を持って定春の前に立ちはだかった。
(銀)「定春、お前どうしてそんなにデカくなったんだ?」
(定)「…………」
だがしかし、定春は銀さんをじっと見つめるのみ。
(銀)「オイ、なんとか言え!」
痺れを切らせた銀さんが定春をはたくと。
(定)「わぎゃァ!!」
……定春が振り上げた前足で何十倍返しのビンタをお見舞いされた銀さんは、鼻血を噴き出しながら吹っ飛んでしまった。
『わんじゃこりゃああ』が床に転がり、それを新八君が拾い上げたと同時に、機械からピピッと音が鳴って見てみれば。
『いてーな 動物愛護団体に訴えるぞこの野郎!』
そんな文字が画面に表示されていて。
(神)「当たってるっちゃ当たってるアル…」
(銀)「コノヤロー、ご主人様に何しやがるんだ!」
(神)「銀ちゃん定春の世話した事ないから」
(新)「銀さん、でもコレ結構使えるかもしれませんよ?」
すると今度は神楽ちゃんが定春に近寄っていく。
(神)「ふふん、次は私の番ネ。私は定春いつも可愛がってるから大丈夫ネ。定春、とりあえず私への日頃の感謝を言ってみるアル」
(定)「わん!」
するとまた『わんじゃこりゃああ』に文字が表示された。
『おまえ7位だったな ジャンプの人気投票』
それを見た神楽ちゃんは目を三角にしながら、思わず拳を振り上げていた。
(神)「てめー、なんでそんな事知ってんだァァァァァァ!」
(あ)「お、落ち着いて、神楽ちゃん!」
(新)「僕なんか8位だぞ!?」
なんとか新八君と二人で神楽ちゃんを取り押さえてなだめる。
だってこれ、神楽ちゃんと今の定春で殴り合いが始まったら万事屋がボロボロになって再起不能になりそうだし。
(新)「しょうがないな。なんだかんだ言って定春の世話をしてたの僕だもんね。定春、僕の言う事は聞いてくれるよね?」
(定)「わん!」
するとまたピロピロと音が鳴って、『わんじゃこりゃああ』の画面の覗き込んでみれば。
『お前という男を常日頃観察し感じたことを述べる 誰がボケてもツッコむ姿勢は評価に値するがツッコミに夢中になっているせいで自分の特性を忘れる傾向がある…といってもお前の特性なんてアイドルオタク以外ないがな 哀れな奴だ』
(新)「黒っ、こんな白い犬なのに腹の中黒っ! っていうか長げーよ! こんな長い意味あんの!? ってまたツッコんじまったァァァァァァ!! コイツの思うがままだ!」
(あ)「じゃあこの流れでいくと私かな?」
私も定春に辛辣な事言われたらどうしようとちょっとドキドキしながら近づいていく。
(あ)「定春、どうしてそんなに大きくなっちゃったの?」
(定)「わん!」
すると同様にまたピロピロと音が鳴って、『わんじゃこりゃああ』に文字が表示された。
『お前初めて会った時から可愛いと思ってたんだよ 食ってやろうか?』
(あ)「………」
(銀)「だァァァァァァ! 何言ってんだ、定春! てめー、音莉をそんな目で日頃見てたのかぁァァァァァァ!!」
思わず私の手から『わんじゃこりゃああ』が滑り落ちると、三人がそれを取り囲んで思いっきり踏みつけ始めた。
(神)「クッソー、このインチキマシーン!」
(銀)「あのジジイ、枝豆返せ! この野郎!」
すると画面が光り、また文字が表示された。
『く、苦しい』
(あ)「苦しい…?」
(新)「故障かな?」
(銀)「俺は二日酔いで苦しいよ…」
そしてまた文字列が変わる。
『助けて』
(神)「助けて?」
(銀)「こっちが助けてほしいわ。どうするんだよ、コレ…」
そんなことを言っている間にも、後ろからなんだか嫌なメキメキと建物が軋む音が聞こえてきて。
(あ)「あの…このメキメキいってるのなんの音でしょう…?」
(銀)「なんだ? 夏期講習で学力アップか?」
恐る恐る定春の方を見てみれば、先ほどまで少し見上げれば見えた定春の顔は、既に遥か頭上。
天井からは屋根の木くずが雨のように降り注いでいた。
……そう、定春が天井を突き破るほどに、さらなる巨大化を遂げてしまっていたのだった。
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