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久遠の夢

 ずっと一緒にいられるものだと思っていた。
 幼馴染という関係は、そう簡単に切れるものではない。そう楽観視していた。
 関係を切るのは、決して自分たちの意思だけではないというのに。

 彼女は僕の知らないうちに、遠くへと行ってしまったのだ。
 不幸な事故だった。彼女の家族が言うには、車に引かれて、即死らしい。

「そろそろ、だね……」

 夢の中の彼女が小さな声で呟く。

「もう、行くの?」
「ううん、行くのは君だよ? 私はずっとここで、君を待ってるんだから!」

 彼女はきっと、僕が望む限りここにいてくれる。僕を笑顔で出迎えてくれる。
 だから僕は夢で、彼女に会うことができる。
 でもそれでは足りなくて。苦しくて。いっそ僕も死んでしまえば、なんて負の感情が体を巡って離れない。
 僕はその度に手を伸ばす。彼女を手繰り寄せるように、そばにいてほしいからと、全力で彼女を追いかける。届かないことを知っていても、伸ばさずにはいられなかった。

「またね」

 そんな言葉が、僕を夢から解き放つ。
 こうして始まる、いつもの日常。いくら夢だと思っても、彼女の最後の寂しそうな表情が頭から離れなかった。
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