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久遠の夢

 最近、よく夢を見る。

 夢の中には女の子がいて、僕を笑顔で出迎えてくれる。
 肩より下くらいの長い黒髪を揺らしながら差し伸べてくれるその小さな手を、僕はいつものように掴んだ。

 場所についてはその日によって様々だ。
 夢らしい一面緑の色鮮やかな草原や、辺り一帯を埋め尽くすお花畑のときもあれば、学校や図書館などの公共施設のときもある。僕の部屋のときもあれば、一度しか見たことない彼女の女子らしい部屋のときもあった。

 そんな不思議な空間の中で、僕は彼女と他愛のない話を繰り返した。
 基本的に話す内容は最近あったことばかりだ。過去の話をすると決まって彼女は悲しい顔を浮かべる。彼女のそんな表情は、もう二度と見たくない。

「今日はクラスのやつが馬鹿なことしでかしてさ。連帯責任で俺まで説教で帰るの遅れちゃったよ……」
「ふふっ、なんか楽しそうね!」
「なんだよ、俺は大変だったんだぞ!」

 僕が怒ったように言うと、彼女は謝りながら俯いて笑った。

「あ~、ずっとこんな時間が続けばいいのに」

 思わず、そんな言葉が口から溢れだす。
 ハッとして彼女の方を見た。

「うん……そうだねぇ……」

 彼女は笑顔でそう言った。誰が見てもわかる、偽りの笑顔だ。

「ごめん……」
「だ、大丈夫だよ!」

 心配しないでと言う彼女の表情はやっぱり少し悲しそうで、僕は申し訳無さでいっぱいになった。
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