幻想郷に冬がやって来た。妖怪の山付近にある神社、守矢神社にもたくさんの雪が降り積もる。そんな中せっせと雪をかく少年とそれを眺める少女の姿があった。


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　ここ、守矢神社にも当然のように雪が積もった。僕が幻想郷の冬を体験するのはこれで二度目となる。

　神社での生活はかなり大変だ。神社ということは人が多くやって来るということでいつも道は確保しておかなければいけない。なのに時が経てば経つほど雪は積もっていき次第に道は消えていく。

　だからこの時期は本当に辛い。だからって早苗さんにやらせるのは見ていて辛すぎる。

　最近は本当に雪かきが多いけど、早苗さんと一緒に話したり過ごせるのがとてもうれしくて、そんな辛さもすぐに吹き飛んでいった。

「ナナシさん！」

　早苗さんに声をかけられて後ろを向く。

「どうしました？」

「あの.......掃除が終わったらでいいので私の部屋にきてくれませんか？」

　僕は今は外で雪かき中だ。早苗さんは寒いのか頬を赤くして体をもじもじさせている。

「わかりました。寒いから中に入った方がいいですよ」

「あ、はい！　わかりました！　では待ってますね、ナナシさん♪」

　早苗さんはすごくにこやかな笑顔で神社の中へと入っていった。何かいつもと様子が違うと思うのは気のせいだろうか。

　さて、今日は何かあっただろうか。

　そんなことを考えながら僕は無言で雪かきを始めた。