「本当ナナシの作るケーキはおいしいわね」

　何回もそんなことを言いながらケーキを優雅に食べていくレミリア。本当においしいのか表情がとても軟らかいものになっている。

　永遠に死ぬことを許されない俺にとってこれが、これだけが最後に残された癒しだ。レミリアの為にケーキを作り、そしてレミリアの優しい笑顔を見る。だから俺はーーーー

「レミリア、好きだよ」

「な、何よ急にっ！」

　急に言われて驚いたのかレミリアはまた顔を真っ赤に染めた。本当にかわいい反応をする。

「いやぁ、かわいいなと思って」

「ふ、ふんっ！　あ、当たり前でしょ！」

　こんな風に強がっているがただ恥ずかしいだけなんだろう。

「だから、これからも一緒にいよう、レミリア」

「急にどうしたのよ......あ、あたり前じゃない」

　レミリアは変わらず顔が赤いままの表情でこっちを向いた。そして近くまで歩いてくる。

「あなたこそ、途中で逃げ出さないでよね？」

　その言葉に俺は軽く笑いながら答える。

「俺が逃げるわけないだろ？　永遠に一緒にいよう、レミリア」

　そう言って俺はレミリアを抱きしめた。そして目を瞑っているレミリアに優しく、甘いキスをした。