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愛毒に墜ちる
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あれから、数日が経った。
霊夢は僕に住む場所を与えてくれた。居候という形で、だが。
流石に居候の身ということもあって迷惑はかけないよう掃除などを手伝っている。だからといって、ずっとここで暮らすわけにはいかないわけで。
とりあえず、博麗神社から出てみることにしたのが今日の朝のこと。
そして、日が真上に昇る頃には――
「来てしまった……」
――鈴蘭が咲き誇る場所。
無名の丘。幻想入りした時に、僕が流れ着いた場所。
そこに、僕は自然と来てしまっていた。
――会いたい……。
最初から来ようと思っていたわけではない。
ただ、僕の中にあるこの感情が、僕を動かした。
――会いたい……!
胸が高鳴る。動悸が早くなる。
昨日は何とか抑えた感情は、時間が経つほどに膨れ上がる。止まることなく、どこまでも、どこまでも。
僕は、感情のままに呟いた。
「メディスン・メランコリー……」
「は~い! 呼んだかしら?」
顔を上げると、目の前にはあの時の少女がいた。
途端に感じる安堵感。メディスンの顔を見ていると、不思議と安心した。
「君、は……」
「お兄さんは、こんな私を恨むかな……」
メディスンは呟いた。それはどこか、自分に問いかけるようだった。
一瞬見せた暗い顔。しかしその顔はすぐに妖艶な笑みに変わる。
「お兄さんは、私のものだからね!」
そう言って、メディスンはゆっくりと僕へと近づいてくる。
僕は動けない。
「お兄さんが、どう思っていようと構わない」
ふわふわと、ゆらゆらと。メディスンは距離を詰めていく。
僕に抵抗の意思などなかった。
もう、手の届く距離。それでも彼女は止まらない――
「私は妖怪で、人形だから…………え?」
だから僕はその手を取った。驚くメディスンを、僕は強く抱きしめた。
「お、お兄さん……?」
メディスンは震える声で言った。
表情はちょうど隠れてしまって見えない。きっと彼女からも、僕の顔は見えていないだろう。
僕は構わず、それは穴の空いた風船のように、溢れ出る感情を吐き出していく。
「会いたかった……」
「わ、私も、会いたかった……! でも、お兄さんのそれは……」
「それ、って……?」
「……お兄さんのその感情は、私がそういう毒を、使ったから――」
「そんなの、関係ないよ」
本当は言うつもりなんてなかったのだろう。
今にも泣きそうな声で話すメディスンを僕は離した。改めて、僕は彼女の顔を見る。
不安で、目には涙を浮かべる彼女に、僕は告げた。
「その前から、僕は君のことが好きでした」
鈴蘭畑を可憐に、舞うように飛ぶ少女に、僕は惹かれていた。一目惚れだった。
今のこの感情が毒によるものだったとしても、その事実だけは変わらない。
「私は、お兄さんに毒を……」
「気にしてないよ。むしろそのおかげでここに戻って来れて、感謝してる」
「嫌いに、ならない……?」
「当然」
「私のこと、捨てない……?」
「捨てるわけないよ、ほら……」
「あっ……」
僕はそう言って、メディスンのことをもう一度、抱き寄せた。
「人形だからって関係ない。僕は、メディスンのことが好きだから」
「うん、うん……! 私も、お兄さんが、好き……大好き!」
メディスンは涙を流しながら、力強く抱きしめ返した。
霊夢は僕に住む場所を与えてくれた。居候という形で、だが。
流石に居候の身ということもあって迷惑はかけないよう掃除などを手伝っている。だからといって、ずっとここで暮らすわけにはいかないわけで。
とりあえず、博麗神社から出てみることにしたのが今日の朝のこと。
そして、日が真上に昇る頃には――
「来てしまった……」
――鈴蘭が咲き誇る場所。
無名の丘。幻想入りした時に、僕が流れ着いた場所。
そこに、僕は自然と来てしまっていた。
――会いたい……。
最初から来ようと思っていたわけではない。
ただ、僕の中にあるこの感情が、僕を動かした。
――会いたい……!
胸が高鳴る。動悸が早くなる。
昨日は何とか抑えた感情は、時間が経つほどに膨れ上がる。止まることなく、どこまでも、どこまでも。
僕は、感情のままに呟いた。
「メディスン・メランコリー……」
「は~い! 呼んだかしら?」
顔を上げると、目の前にはあの時の少女がいた。
途端に感じる安堵感。メディスンの顔を見ていると、不思議と安心した。
「君、は……」
「お兄さんは、こんな私を恨むかな……」
メディスンは呟いた。それはどこか、自分に問いかけるようだった。
一瞬見せた暗い顔。しかしその顔はすぐに妖艶な笑みに変わる。
「お兄さんは、私のものだからね!」
そう言って、メディスンはゆっくりと僕へと近づいてくる。
僕は動けない。
「お兄さんが、どう思っていようと構わない」
ふわふわと、ゆらゆらと。メディスンは距離を詰めていく。
僕に抵抗の意思などなかった。
もう、手の届く距離。それでも彼女は止まらない――
「私は妖怪で、人形だから…………え?」
だから僕はその手を取った。驚くメディスンを、僕は強く抱きしめた。
「お、お兄さん……?」
メディスンは震える声で言った。
表情はちょうど隠れてしまって見えない。きっと彼女からも、僕の顔は見えていないだろう。
僕は構わず、それは穴の空いた風船のように、溢れ出る感情を吐き出していく。
「会いたかった……」
「わ、私も、会いたかった……! でも、お兄さんのそれは……」
「それ、って……?」
「……お兄さんのその感情は、私がそういう毒を、使ったから――」
「そんなの、関係ないよ」
本当は言うつもりなんてなかったのだろう。
今にも泣きそうな声で話すメディスンを僕は離した。改めて、僕は彼女の顔を見る。
不安で、目には涙を浮かべる彼女に、僕は告げた。
「その前から、僕は君のことが好きでした」
鈴蘭畑を可憐に、舞うように飛ぶ少女に、僕は惹かれていた。一目惚れだった。
今のこの感情が毒によるものだったとしても、その事実だけは変わらない。
「私は、お兄さんに毒を……」
「気にしてないよ。むしろそのおかげでここに戻って来れて、感謝してる」
「嫌いに、ならない……?」
「当然」
「私のこと、捨てない……?」
「捨てるわけないよ、ほら……」
「あっ……」
僕はそう言って、メディスンのことをもう一度、抱き寄せた。
「人形だからって関係ない。僕は、メディスンのことが好きだから」
「うん、うん……! 私も、お兄さんが、好き……大好き!」
メディスンは涙を流しながら、力強く抱きしめ返した。