第1章
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____あ、くる。
そう感じた瞬間、部屋中が凍りついた。
「足がっ、動かない…!」
「無理に動かないでっ」
ここまでの規模の氷。
推薦入学した男子か。さて、どうしよう。
一応、死柄木さんからは“それなりに”やってもいいと言われている。
ただし、目立つな、と。
「……」
私は自分の足元の氷に触れる。
するとその氷は私の手の動きに合わせて、足元から氷が“とれた”。
「え…」
「私の個性。生き物以外なら触れれば操れるんだ。
氷は“溶かす”ことはできないけど、“とる”ことはできるよ」
尾白くんの周りの氷にも触れる。
これで身動きが取れる。
「ありがとう」
あとは透ちゃんだけだが…。
裸足だから、痛いだろうな。
「これで氷には対処できるね。“武器”も確保出来た」
そう、操れるということは変形させることも可能。
私は氷を鋭くさせた。
「この核兵器も操れるだろうけど、“核”はさすがにどうなるか分からないからできない」
「いや、相手の攻撃を自分の武器にできるだけで十分だよ」
「じゃあ、私は透ちゃんを探してくる。また同じことにならないよう、ここの入口は氷で閉じておくね」
「わかった、葉隠さんのこと頼んだ」
この氷の個性。…彼の名前なんだったかな。
とど、ろきだっけ……。
まぁいいや。
彼、強いんだろうなあ。
私とやり合ったらどっちが勝つかな。
「…殺 りたいな 」
私の小さな呟きは、私にしか聞こえない。
「轟の氷ヤバかったけどよっ、佐藤がそれを無かったことにしちまってる!!」
「すげぇな、コイツら!!」
「……」
.
透ちゃんを探しに来たのはいいものの、透明だから何処にいるか分からない。
声を掛けたいが、相手に見つかるかもしれない。
「……お前…」
「あ、轟くん…」
轟くんと鉢合わせてしまった。
彼は目を見開いている。
どうしてお前は動けているんだ、と思っているのだろう。
「操れるんだよね、私」
私は変形させた氷を轟くんに向かって放つ。
だが、軽々と避けられてしまった。
まぁそうだよね。
「誤算だった。てっきりお前らは防衛戦に徹すると思っていた」
「うん、そのつもりだったよ。
でもここまで規模の大きいことされたら、ねぇ…」
私は壁の氷に触れる。
その氷を操り、轟くんの前後に厚い壁を作った。
時間稼ぎにはなるだろう。
______が、氷がみるみる溶けていった。
「悪ぃな、俺には効かねぇ」
「なるほど…」
熱することも可能、か。
こんな個性、最強じゃないか。
ヒーロー向きの個性だ。
「お前、強いだろ」
轟くんは急にそんなことを聞いてきた。
「何でそう思うの?」
「動きが素人じゃない。訓練を受けていた人間の動きだ」
やっぱり見る人には分かるのか。
尾白くんに言われてから、隠すようにはしてたんだけど。
なかなか上手くいくもんじゃないな。
「…小学生の頃に空手やってたんだ。多分、その名残」
まぁ、嘘だが。
「…そうか」
と、その瞬間。
「え…」
私は凍りついてしまった。
油断した。
しかも今度は足元だけじゃない、体全体だ。
「油断させるためにそんな話したの?」
「いや、ただ気になった」
「そう」
「…抵抗しないのか?」
「いや、体動かないし」
_____結果、敗北。
「ごめん、油断した。しかも轟くんの個性は氷だけじゃなかった」
「いや、俺なんて頼りっぱなしだったから」
「私も全っ然役に立てなかったー!」
まぁこれが、本当の“殺し合い”じゃなくてよかった。
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____あ、くる。
そう感じた瞬間、部屋中が凍りついた。
「足がっ、動かない…!」
「無理に動かないでっ」
ここまでの規模の氷。
推薦入学した男子か。さて、どうしよう。
一応、死柄木さんからは“それなりに”やってもいいと言われている。
ただし、目立つな、と。
「……」
私は自分の足元の氷に触れる。
するとその氷は私の手の動きに合わせて、足元から氷が“とれた”。
「え…」
「私の個性。生き物以外なら触れれば操れるんだ。
氷は“溶かす”ことはできないけど、“とる”ことはできるよ」
尾白くんの周りの氷にも触れる。
これで身動きが取れる。
「ありがとう」
あとは透ちゃんだけだが…。
裸足だから、痛いだろうな。
「これで氷には対処できるね。“武器”も確保出来た」
そう、操れるということは変形させることも可能。
私は氷を鋭くさせた。
「この核兵器も操れるだろうけど、“核”はさすがにどうなるか分からないからできない」
「いや、相手の攻撃を自分の武器にできるだけで十分だよ」
「じゃあ、私は透ちゃんを探してくる。また同じことにならないよう、ここの入口は氷で閉じておくね」
「わかった、葉隠さんのこと頼んだ」
この氷の個性。…彼の名前なんだったかな。
とど、ろきだっけ……。
まぁいいや。
彼、強いんだろうなあ。
私とやり合ったらどっちが勝つかな。
「…
私の小さな呟きは、私にしか聞こえない。
「轟の氷ヤバかったけどよっ、佐藤がそれを無かったことにしちまってる!!」
「すげぇな、コイツら!!」
「……」
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透ちゃんを探しに来たのはいいものの、透明だから何処にいるか分からない。
声を掛けたいが、相手に見つかるかもしれない。
「……お前…」
「あ、轟くん…」
轟くんと鉢合わせてしまった。
彼は目を見開いている。
どうしてお前は動けているんだ、と思っているのだろう。
「操れるんだよね、私」
私は変形させた氷を轟くんに向かって放つ。
だが、軽々と避けられてしまった。
まぁそうだよね。
「誤算だった。てっきりお前らは防衛戦に徹すると思っていた」
「うん、そのつもりだったよ。
でもここまで規模の大きいことされたら、ねぇ…」
私は壁の氷に触れる。
その氷を操り、轟くんの前後に厚い壁を作った。
時間稼ぎにはなるだろう。
______が、氷がみるみる溶けていった。
「悪ぃな、俺には効かねぇ」
「なるほど…」
熱することも可能、か。
こんな個性、最強じゃないか。
ヒーロー向きの個性だ。
「お前、強いだろ」
轟くんは急にそんなことを聞いてきた。
「何でそう思うの?」
「動きが素人じゃない。訓練を受けていた人間の動きだ」
やっぱり見る人には分かるのか。
尾白くんに言われてから、隠すようにはしてたんだけど。
なかなか上手くいくもんじゃないな。
「…小学生の頃に空手やってたんだ。多分、その名残」
まぁ、嘘だが。
「…そうか」
と、その瞬間。
「え…」
私は凍りついてしまった。
油断した。
しかも今度は足元だけじゃない、体全体だ。
「油断させるためにそんな話したの?」
「いや、ただ気になった」
「そう」
「…抵抗しないのか?」
「いや、体動かないし」
_____結果、敗北。
「ごめん、油断した。しかも轟くんの個性は氷だけじゃなかった」
「いや、俺なんて頼りっぱなしだったから」
「私も全っ然役に立てなかったー!」
まぁこれが、本当の“殺し合い”じゃなくてよかった。
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