.


幼い頃から、“悪魔の子”だと言われていた。

母は自分の娘にも関わらず、何度も何度も傷つけた。

父は酒に溺れ、いつしか家を出て行った。








それから母の行動は酷くなっていった。

私は心も体も衰退していた。

とうとう母も面倒になったのか、私を捨てた。









ただただ、怒りと憎しみだけが私の脳内を埋めていた。

嫌われるために産まれたわけじゃない。

こんな辛い思いをするならいっそ死んでしまった方が楽だと思った。

けれど、









ある1人の男が聞いてきた。









昔、テレビでヒーローを観ていた。

父と母がまだ、私の“大好きな両親”であった時。

私もいつかヒーローになりたいと夢見ていた。

でも、私の“個性”ではヒーローになれない。

そう、彼に伝えた。









私は彼に言われるがまま後ろを歩いた。

着いた場所は見知らぬ地の建物。

忌々しい雰囲気が漂っている。

私は直感で思った。

彼は“敵（ヴィラン）”だと。

中に入ると機械がたくさんあった。

そして、彼は口を開いた。









私は躊躇うこともなく答えた。









個性について説明もした。

すると彼は、笑った。







私は彼が指示した場所へと向かった。

何故私はこうも彼の言う通りに動いているのだろう。

自分でも不思議だ。

きっと彼は、私を否定しなかったからだろう。


.