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お名前をどうぞ、レディ
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穏やかな風の吹く甲板。
舵をダズに任せてわたしとクロコダイルは組手をしていた。
と言っても1時間ほど組み合った後にわたしが惜敗して終わったのだけれど。
「あー、悔しい!」
「クハハ、カズヤもまだまだだな」
わたしは甲板に座り込んで吠えている。
吠えたって悔やんだって勝てないものは勝てないのだけれど。
「カズヤ」
「なにかしら」
わずかにむくれながらクロコダイルの方へ向き直る。
クロコダイルはわたしの隣にどっかりと腰を下ろすと、ぐしゃぐしゃとわたしの頭を撫でた。
もう、髪が乱れちゃうじゃない。
「なんですか」
「いや、カズヤの髪はさわり心地が良いな」
「なんです、珍しい」
「たまには口にしてみたってかまわないだろう」
「まあ、そりゃかまいませんが」
「カズヤが嫌なら言わねえが」
「嫌ってことないですよ。むしろ嬉しいです」
「なら問題ねえな」
そう言ってクロコダイルはわたしの頭…というより髪をさらさらと梳いた。
正直言ってわたし自身はこの髪があまり好きではない。
妹のようなふわっと緩やかにウェーブした髪が良かった。
それでも、クロコダイルが好きだと言ってくれるのならそれでいいとも思う。
「長くて邪魔だから切ろうかとも思っていたのだけど」
「だめだ。切るなら揃えるくらいにしておけ」
「長い髪って戦闘の時に邪魔にならない?」
「だが、お前はその髪型で今までやってきたのだろう?ならば問題ないだろ」
「そう言われてしまうとそうなんだけどね」
「それに先ほども言ったがおれはカズサの柔らかくて長い髪が好きなんだ。
髪型の変更なんざ認めねえよ」
横暴だ事で。
今のわたしの髪型は前髪は目にかからない程度に切りそろえていて、後ろは腰ほどの長さのストレートロングだ。
ちなみに色は黒。墨を流したような黒だと、故郷では言われていた。
「まあ…この髪型も長いから、たまにはイメチェンとか」
「だめだ。許さねえ」
「そうよねー」
「じゃあ逆にクロコダイルはイメチェンしないの?」
「しねえ。する必要性もねえ」
「ふふ、そのままで十分素敵だものね」
そっと手を伸ばし、クロコダイルの頭に触れる。びしっときまったオールバックに隙はな…ちょっとだけほどけている。
先ほどまでのわたしとの組手の際にほつれたのだろう。
一房前にたれている毛束がセクシーだと思う。
「うん、やっぱりクロコダイルにイメチェンは不要ね」
「てめえもな」
「はいはい、わかってますよ。イメチェンなんてしないから」
「さて、汗も引いてきたし、クロコダイル、お風呂に入りましょう」
「ほう?そりゃあ誘ってんのか?」
「ええそうよ、誘ってるの。一緒にお風呂入りましょう」
「上等じゃねえか、乗ってやるよ」
甲板にすくっと立ち上がり、同じく立ち上がったクロコダイルの腕を取る。
「じゃあ、ダズ、もうしばらく舵お願いね」
「ああ」
ダズは無愛想に答える。
押し付けてしまって申し訳ないとは思うから、この後の舵取りは全部わたしが変わろう。
「カズヤ、行くぞ」
「はいはーい」
わたしとクロコダイルは並んで浴室へと向かう。
風呂ではクロコダイルが動けなくなるのをいいことに好き放題してやろうと、わたしは一人、ほくそ笑んだ。
舵をダズに任せてわたしとクロコダイルは組手をしていた。
と言っても1時間ほど組み合った後にわたしが惜敗して終わったのだけれど。
「あー、悔しい!」
「クハハ、カズヤもまだまだだな」
わたしは甲板に座り込んで吠えている。
吠えたって悔やんだって勝てないものは勝てないのだけれど。
「カズヤ」
「なにかしら」
わずかにむくれながらクロコダイルの方へ向き直る。
クロコダイルはわたしの隣にどっかりと腰を下ろすと、ぐしゃぐしゃとわたしの頭を撫でた。
もう、髪が乱れちゃうじゃない。
「なんですか」
「いや、カズヤの髪はさわり心地が良いな」
「なんです、珍しい」
「たまには口にしてみたってかまわないだろう」
「まあ、そりゃかまいませんが」
「カズヤが嫌なら言わねえが」
「嫌ってことないですよ。むしろ嬉しいです」
「なら問題ねえな」
そう言ってクロコダイルはわたしの頭…というより髪をさらさらと梳いた。
正直言ってわたし自身はこの髪があまり好きではない。
妹のようなふわっと緩やかにウェーブした髪が良かった。
それでも、クロコダイルが好きだと言ってくれるのならそれでいいとも思う。
「長くて邪魔だから切ろうかとも思っていたのだけど」
「だめだ。切るなら揃えるくらいにしておけ」
「長い髪って戦闘の時に邪魔にならない?」
「だが、お前はその髪型で今までやってきたのだろう?ならば問題ないだろ」
「そう言われてしまうとそうなんだけどね」
「それに先ほども言ったがおれはカズサの柔らかくて長い髪が好きなんだ。
髪型の変更なんざ認めねえよ」
横暴だ事で。
今のわたしの髪型は前髪は目にかからない程度に切りそろえていて、後ろは腰ほどの長さのストレートロングだ。
ちなみに色は黒。墨を流したような黒だと、故郷では言われていた。
「まあ…この髪型も長いから、たまにはイメチェンとか」
「だめだ。許さねえ」
「そうよねー」
「じゃあ逆にクロコダイルはイメチェンしないの?」
「しねえ。する必要性もねえ」
「ふふ、そのままで十分素敵だものね」
そっと手を伸ばし、クロコダイルの頭に触れる。びしっときまったオールバックに隙はな…ちょっとだけほどけている。
先ほどまでのわたしとの組手の際にほつれたのだろう。
一房前にたれている毛束がセクシーだと思う。
「うん、やっぱりクロコダイルにイメチェンは不要ね」
「てめえもな」
「はいはい、わかってますよ。イメチェンなんてしないから」
「さて、汗も引いてきたし、クロコダイル、お風呂に入りましょう」
「ほう?そりゃあ誘ってんのか?」
「ええそうよ、誘ってるの。一緒にお風呂入りましょう」
「上等じゃねえか、乗ってやるよ」
甲板にすくっと立ち上がり、同じく立ち上がったクロコダイルの腕を取る。
「じゃあ、ダズ、もうしばらく舵お願いね」
「ああ」
ダズは無愛想に答える。
押し付けてしまって申し訳ないとは思うから、この後の舵取りは全部わたしが変わろう。
「カズヤ、行くぞ」
「はいはーい」
わたしとクロコダイルは並んで浴室へと向かう。
風呂ではクロコダイルが動けなくなるのをいいことに好き放題してやろうと、わたしは一人、ほくそ笑んだ。