with you
お名前をどうぞ、レディ
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「カズヤ」
「なにかしら」
「愛してる」
「は?」
うららかな春の陽気に包まれて、クロコダイルとわたしは操舵室にいた。
いつもどおりクロコダイルが舵を切り、わたしはその傍らで筋トレをしている。
そんな中唐突に愛をささやかれた。
いったい何事だろう。
変な物でも食べたんじゃなかろうか。
「クロコダイル、どうしたの?」
「なにがだ」
「愛してるだなんて普段言わないじゃない」
「だが、たまには言ってほしいものなのだろう」
「そりゃ、そうだけど…」
「…それともベッドの中で言った方が良かったか?」
「ばっ、何言ってるの!セクハラ、セクハラです!」
本当に涼しい顔でなにを言い出すんだ。
今だって恥ずかしくて仕方ないのに、ベッドの中でなんて言われたら恥ずかしすぎて頭が吹っ飛んでしまうかもしれない。
「クハハ、そう吠えるな。で?どうなんだ?」
「なにがよ」
「愛をささやかれた感想だ」
「そうね、嬉しかったわ。あなたがそんなこと言うなんて初めてのことじゃないかしら」
「そりゃ良かった。ところでお前から何か言うことはねえのか?」
「は?わたしからも何か言えと?」
「おれだけに言わせる気か?」
「う、そ、そうね。クロコダイル、わたしもあなたのこと愛しているわよ」
「そうか。まあ知っていたがな」
「だったら言わせないでよ!」
こんなところで、そんなこと言うのがどれだけ恥ずかしかったか…。
とはいえわたしも知ってたんだけどね。クロコダイルがわたしのことを愛していることくらい。
「たまには口にしてほしいもんなんだろ?」
「それは、そうだけど」
「ならいいじゃねえか。お互い様ってことだ」
「…クロコダイルも口にしてほしかったの?」
「おれは別にどっちでも構わねえな。
カズヤがおれのこと愛してることくらい知っているし、今さら確認することでもねえ」
「わたしも知ってたんだけどね」
「ああ?」
「クロコダイルがわたしを愛してるってこと。ちゃんと知ってるわよ」
「ふん、当たり前だ。今まで過ごしてきた中でどれだけおれが伝えてきたと思ってるんだ」
「それでも…直接的な言葉で伝えてもらえるって言うのはいいものなのよね」
いつもは「俺の傍にいろ」とか「お前はおれのものだ」とか直接的と言えば直接的だけど、曖昧と言えば曖昧な言い方でしか伝えられてこなかった愛の言葉。
それが直接的かつ具体的に言われて嬉しくないわけがない。
「クハハ、面倒臭え女だ」
「そんな女が好きなくせに」
「違えねえな」
そっとクロコダイルの後ろに回り、その大きな背中に抱きつく。
クロコダイルはなにも言わない。
それでいい。それがいい。
口にしようとしまいと、お互いの気持ちはちゃんと伝わっているのだから。
「なにかしら」
「愛してる」
「は?」
うららかな春の陽気に包まれて、クロコダイルとわたしは操舵室にいた。
いつもどおりクロコダイルが舵を切り、わたしはその傍らで筋トレをしている。
そんな中唐突に愛をささやかれた。
いったい何事だろう。
変な物でも食べたんじゃなかろうか。
「クロコダイル、どうしたの?」
「なにがだ」
「愛してるだなんて普段言わないじゃない」
「だが、たまには言ってほしいものなのだろう」
「そりゃ、そうだけど…」
「…それともベッドの中で言った方が良かったか?」
「ばっ、何言ってるの!セクハラ、セクハラです!」
本当に涼しい顔でなにを言い出すんだ。
今だって恥ずかしくて仕方ないのに、ベッドの中でなんて言われたら恥ずかしすぎて頭が吹っ飛んでしまうかもしれない。
「クハハ、そう吠えるな。で?どうなんだ?」
「なにがよ」
「愛をささやかれた感想だ」
「そうね、嬉しかったわ。あなたがそんなこと言うなんて初めてのことじゃないかしら」
「そりゃ良かった。ところでお前から何か言うことはねえのか?」
「は?わたしからも何か言えと?」
「おれだけに言わせる気か?」
「う、そ、そうね。クロコダイル、わたしもあなたのこと愛しているわよ」
「そうか。まあ知っていたがな」
「だったら言わせないでよ!」
こんなところで、そんなこと言うのがどれだけ恥ずかしかったか…。
とはいえわたしも知ってたんだけどね。クロコダイルがわたしのことを愛していることくらい。
「たまには口にしてほしいもんなんだろ?」
「それは、そうだけど」
「ならいいじゃねえか。お互い様ってことだ」
「…クロコダイルも口にしてほしかったの?」
「おれは別にどっちでも構わねえな。
カズヤがおれのこと愛してることくらい知っているし、今さら確認することでもねえ」
「わたしも知ってたんだけどね」
「ああ?」
「クロコダイルがわたしを愛してるってこと。ちゃんと知ってるわよ」
「ふん、当たり前だ。今まで過ごしてきた中でどれだけおれが伝えてきたと思ってるんだ」
「それでも…直接的な言葉で伝えてもらえるって言うのはいいものなのよね」
いつもは「俺の傍にいろ」とか「お前はおれのものだ」とか直接的と言えば直接的だけど、曖昧と言えば曖昧な言い方でしか伝えられてこなかった愛の言葉。
それが直接的かつ具体的に言われて嬉しくないわけがない。
「クハハ、面倒臭え女だ」
「そんな女が好きなくせに」
「違えねえな」
そっとクロコダイルの後ろに回り、その大きな背中に抱きつく。
クロコダイルはなにも言わない。
それでいい。それがいい。
口にしようとしまいと、お互いの気持ちはちゃんと伝わっているのだから。