with you
お名前をどうぞ、レディ
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「さっき店員さんと何話してたの?」
とある島に停泊中。クロコダイル、ダズと三人で買い出しに出かけた。
その途中のあるお店で、珍しくクロコダイルが店員さんと会話をしていたのだ。
それも…可愛らしい女の店員さんと。
「なんだカズヤ、やきもちか?」
「ち、違うし!クロコダイルが店員さんと会話するなんて珍しいと思っただけよ」
「カズヤ、女の嫉妬は見苦しいぞ」
「ダズ、うるさい。嫉妬じゃないって言ってるでしょ」
…いや、本当は嫉妬なのだろう。でもそんなこと恥ずかしくて口に出せない。
とっくにクロコダイルにもダズにもばれてしまっているのだろうけど。
恥ずかしいなあ、もう。
「クハハ、そう焼くな。カズヤの話をしていたんだ」
「わたしの?」
「ああ。店員に娘かと聞かれたんでな、嫁だと答えておいた」
「娘!?」
「娘…たしかにそう見えないことも…」
娘…。たしかにクロコダイルとはそれに近い位年が離れているし、わたしは童顔で未成年に見られることも多い。
それせいでだろうか。もしかして今までもわたしが気づかなかっただけで親子扱いされていたことがあったのだろうか?
「にしてもその訂正で嫁って…」
「なにか間違ってたか?」
「大いに違うわよ」
「いいじゃねえか、いずれはそうなるんだ」
「いずれ…ね」
「カズヤはクロコダイルさんの嫁になるのが嫌なのか」
「ちょ、ダズ、なに言ってるのよ!?」
「おい、どういうことだ」
「クロコダイルも本気にしないでよ!そんなことあるわけないでしょ!
最期まで一緒にいる覚悟がなきゃ一緒に来たりしてないわよ!」
「ふん、それならいいさ。ダズ、くだらねえこと言うんじゃねえよ」
「すみません」
ダズめ。本当に余計なことを言いよってからに。
クロコダイルのお嫁さんになるのが嫌なんて…そんなことあるわけないじゃない。
なんやかや話しながら艦に戻る。
荷物を片付けて自室へ帰るとすでにクロコダイルがソファで新聞を読んでいた。
「…」
「…」
お互い無言のままソファに腰を下ろしクロコダイルにもたれかかる。
時計のちくたくいう音と、波のさざめきだけが聞こえる静かな部屋が心地いい。
「カズヤ」
「なにかしら」
「もし、お前が嫌だと言うなら、おれは口をきかない」
「?なんの話?」
「先ほどの店員との話だ。お前は俺が店員と口をきくのを嫌がっただろ」
その話はもう恥ずかしいからやめてほしいのだけど。
「別に嫌がってはいないわよ」
「強がるな。焼きもちを妬いたと素直に言え」
「…」
「言え」
「う…、わかりましたよ。妬きましたあんなに可愛い店員さんと話してるなんてどういうつもりなのかと思いました」
「ふん、最初からそう素直に言やあいいんだ。可愛げがねえ」
「わ、悪かったわね」
「まあいい。別にあの店員にはおれから話しかけたわけじゃねえ。
「可愛らしいお嬢さんですね」と話しかけられたんだ」
そうだったのか。てっきりクロコダイルから話しかけたのかと…いや、それはないか。
この無愛想が自らにこやかに店員さんに話しかけるなんてありえない。
「そうだったの。ごめんなさいね、勝手に妬いて勝手に拗ねて…」
「かまいやしねえよ。それだけおれに依存してるってこった。可愛いもんじゃねえか」
可愛げがないのか可愛いのかどっちだ。
そりゃあ、もちろん可愛いって言ってもらう方が嬉しいわけだけど。
「でも別に他の女といっさい口をきかないでなんて言うつもりないわよ。
いいじゃない、たまには他の人と話したって。あなた普段わたしかダズとしか会話しないんだから、たまには他の人と口きかないと口が退化するわよ」
「そりゃあ、てめえも同じだろうが」
「ふふ、そうなんだけどね」
「おれは、カズヤはおれ以外の人間とは口をきかなくてもいいと思ってるがな」
「なにその独占欲」
「知らなかったのか?おれは独占欲が強いんだ。他の誰にもお前を見せたくねえんだよ」
「多少の独占欲はあると思ってたけど…そこまでとは」
「嫌か?」
「まさか」
わたしだって似たようなもんだ。
本当はわたし以外の女とは口なんてきかないでほしい。でもいい年してそんなことを言うのは恥ずかしいから言わない。
それをすんなり口にできるクロコダイルはある意味とても素直なのだろう。
わたしもいつか…いつかそんなわがままを言ってみてもいいのかもね。
とある島に停泊中。クロコダイル、ダズと三人で買い出しに出かけた。
その途中のあるお店で、珍しくクロコダイルが店員さんと会話をしていたのだ。
それも…可愛らしい女の店員さんと。
「なんだカズヤ、やきもちか?」
「ち、違うし!クロコダイルが店員さんと会話するなんて珍しいと思っただけよ」
「カズヤ、女の嫉妬は見苦しいぞ」
「ダズ、うるさい。嫉妬じゃないって言ってるでしょ」
…いや、本当は嫉妬なのだろう。でもそんなこと恥ずかしくて口に出せない。
とっくにクロコダイルにもダズにもばれてしまっているのだろうけど。
恥ずかしいなあ、もう。
「クハハ、そう焼くな。カズヤの話をしていたんだ」
「わたしの?」
「ああ。店員に娘かと聞かれたんでな、嫁だと答えておいた」
「娘!?」
「娘…たしかにそう見えないことも…」
娘…。たしかにクロコダイルとはそれに近い位年が離れているし、わたしは童顔で未成年に見られることも多い。
それせいでだろうか。もしかして今までもわたしが気づかなかっただけで親子扱いされていたことがあったのだろうか?
「にしてもその訂正で嫁って…」
「なにか間違ってたか?」
「大いに違うわよ」
「いいじゃねえか、いずれはそうなるんだ」
「いずれ…ね」
「カズヤはクロコダイルさんの嫁になるのが嫌なのか」
「ちょ、ダズ、なに言ってるのよ!?」
「おい、どういうことだ」
「クロコダイルも本気にしないでよ!そんなことあるわけないでしょ!
最期まで一緒にいる覚悟がなきゃ一緒に来たりしてないわよ!」
「ふん、それならいいさ。ダズ、くだらねえこと言うんじゃねえよ」
「すみません」
ダズめ。本当に余計なことを言いよってからに。
クロコダイルのお嫁さんになるのが嫌なんて…そんなことあるわけないじゃない。
なんやかや話しながら艦に戻る。
荷物を片付けて自室へ帰るとすでにクロコダイルがソファで新聞を読んでいた。
「…」
「…」
お互い無言のままソファに腰を下ろしクロコダイルにもたれかかる。
時計のちくたくいう音と、波のさざめきだけが聞こえる静かな部屋が心地いい。
「カズヤ」
「なにかしら」
「もし、お前が嫌だと言うなら、おれは口をきかない」
「?なんの話?」
「先ほどの店員との話だ。お前は俺が店員と口をきくのを嫌がっただろ」
その話はもう恥ずかしいからやめてほしいのだけど。
「別に嫌がってはいないわよ」
「強がるな。焼きもちを妬いたと素直に言え」
「…」
「言え」
「う…、わかりましたよ。妬きましたあんなに可愛い店員さんと話してるなんてどういうつもりなのかと思いました」
「ふん、最初からそう素直に言やあいいんだ。可愛げがねえ」
「わ、悪かったわね」
「まあいい。別にあの店員にはおれから話しかけたわけじゃねえ。
「可愛らしいお嬢さんですね」と話しかけられたんだ」
そうだったのか。てっきりクロコダイルから話しかけたのかと…いや、それはないか。
この無愛想が自らにこやかに店員さんに話しかけるなんてありえない。
「そうだったの。ごめんなさいね、勝手に妬いて勝手に拗ねて…」
「かまいやしねえよ。それだけおれに依存してるってこった。可愛いもんじゃねえか」
可愛げがないのか可愛いのかどっちだ。
そりゃあ、もちろん可愛いって言ってもらう方が嬉しいわけだけど。
「でも別に他の女といっさい口をきかないでなんて言うつもりないわよ。
いいじゃない、たまには他の人と話したって。あなた普段わたしかダズとしか会話しないんだから、たまには他の人と口きかないと口が退化するわよ」
「そりゃあ、てめえも同じだろうが」
「ふふ、そうなんだけどね」
「おれは、カズヤはおれ以外の人間とは口をきかなくてもいいと思ってるがな」
「なにその独占欲」
「知らなかったのか?おれは独占欲が強いんだ。他の誰にもお前を見せたくねえんだよ」
「多少の独占欲はあると思ってたけど…そこまでとは」
「嫌か?」
「まさか」
わたしだって似たようなもんだ。
本当はわたし以外の女とは口なんてきかないでほしい。でもいい年してそんなことを言うのは恥ずかしいから言わない。
それをすんなり口にできるクロコダイルはある意味とても素直なのだろう。
わたしもいつか…いつかそんなわがままを言ってみてもいいのかもね。