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お名前をどうぞ、レディ
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操舵室にてもふっとクロコダイルに抱きつく。
「なんだ」
「組手しましょうよ」
「おれは今舵を切っているんだが」
「波は落ち着いてるし、しばらく放っておいても大丈夫でしょ」
「はあ、しかたねえな」
わざとらしくため息をついてクロコダイルはわたしを引きはがした。
「一戦だけだからな」
「うん!」
クロコダイルはばさりとコートを脱ぐ。
わたしもジャケットを脱ぎ捨てた。
「いくわよ」
「こい」
たたんっと足を踏み抜きクロコダイルに接近。
中段蹴りをかますが右手に捕まってしまう。
身体をひねって脱出。
月歩で空へと舞いあがり頭部を狙って踵落とし。
さらりとかわされクロコダイルの右手がわたしの首を狙う。
紙絵でかわせば反対側から鉤爪が飛んでくる。
それもなんとかかわして足に武装色の覇気を込める。
そのまま嵐脚で打ち抜くがそれも砂状になって回避。
クロコダイルがすたっと甲板に降り立ったのを見てわたしもクロコダイルの後ろに降り立ち背中に回し蹴り。
「くっ」
「まだまだよ」
すくっとしゃがんで足元に蹴りを入れる。
クロコダイルの体がわずかに揺らいだが、体格差のせいであまり効果はない。そもそも前から弁慶の泣き所を狙わなければあまり効果はないのだ。
せめてひざ裏を狙えば良かった。
ちっと舌打ちを一つしてクロコダイルの背中に向かってタックル。
その瞬間、頭部にひじ打ちを食らった。
痛い。
でも揺らいでいる場合じゃない。
振りぬかれた腕をひっつかんで跳躍し背後からの上段踵落とし。
クロコダイルの髪がはらりと崩れる。
踵落としの勢いのままクロコダイルの前に回り顎を狙ってアッパー。
これも体格差のためあまり効果はなしか。
クロコダイルはわずかに揺らぐだけでにやりと笑った。
「ちょっとくらい、効いてくれないかしらね」
「ふん、その程度の攻撃がおれに効くか」
「そうね。じゃあこれはどうかしら」
しゃがんで回し蹴り。
今回は弁慶の泣き所に見事ヒットした。
クロコダイルがぐらりと揺れる。
「痛えな」
「痛いようにしたのよ」
クロコダイルから蹴りが飛んできたので後方にジャンプして回避。
さらりと鉤爪が迫ってきたのでさらにバックステップ。
やばい、これ以上下がれない。
月歩で空中にジャンプ。
からのクロコダイルの背中に着地し、そのまま床に叩きつける。が、さらりと回避され逆に背中を取られてしまう。
「これで終いだ」
「そのようね」
背中から床に叩きつけられ、わたしはタップして負けを認める。
まったく、この怪人は。
いつになったらわたしが勝てる日がやってくるのかしら。
クロコダイルはゆっくりとわたしから降り、手を取って立たせてくれる。
「額から血が出ているな。治療してこい」
「そうさせてもらうわ」
クロコダイルの手を離し医務室へと向かう。
濡れたタオルで血をぬぐい、ガーゼを張り付ける。包帯までする必要はないだろう。
ささっと治療してクロコダイルの元へと戻る。
クロコダイルは再び舵をきっていた。
「もういいのか」
「ええ、そんなに出血してないしガーゼを張り付けるだけで十分よ」
「ならいい」
「ふふ、クロコダイルが傷つけたくせに」
「ああ?手でも抜いてほしかったのか」
「まさか」
眉間にしわを寄せるクロコダイルにくすっと笑って見せる。
「あなたが傷つけたくせに、心配してるようだからおかしかっただけよ」
「ふん、カズヤの体はおれのものなんだ。痕でも残ったら困るからな」
「嬉しいこと言ってくれるのね」
「違ったか?」
「いいえ、違わないわ。あなたのものよ。
にしても…わたしはいつになったらあなたに勝てるのかしら?」
はっとクロコダイルは鼻で笑った。
いぶかしげに彼の顔を伺う。
「カズヤがおれに勝とうなんざ百年早え」
「悔しいわ」
「その闘争心はいいこった。何度でも挑んで来い。何度でも負かしてやるよ」
きっとわたしは彼の言うとおり、何度だって挑んで何度だって負けるのだろう。
悔しいけど変わらない事実。
でもそれはずっと一緒にいてくれるということでもあって。
本当にさらりと嬉しいこと言ってくれるんだから。
わたしはくすりと微笑んだ。
「なんだ」
「組手しましょうよ」
「おれは今舵を切っているんだが」
「波は落ち着いてるし、しばらく放っておいても大丈夫でしょ」
「はあ、しかたねえな」
わざとらしくため息をついてクロコダイルはわたしを引きはがした。
「一戦だけだからな」
「うん!」
クロコダイルはばさりとコートを脱ぐ。
わたしもジャケットを脱ぎ捨てた。
「いくわよ」
「こい」
たたんっと足を踏み抜きクロコダイルに接近。
中段蹴りをかますが右手に捕まってしまう。
身体をひねって脱出。
月歩で空へと舞いあがり頭部を狙って踵落とし。
さらりとかわされクロコダイルの右手がわたしの首を狙う。
紙絵でかわせば反対側から鉤爪が飛んでくる。
それもなんとかかわして足に武装色の覇気を込める。
そのまま嵐脚で打ち抜くがそれも砂状になって回避。
クロコダイルがすたっと甲板に降り立ったのを見てわたしもクロコダイルの後ろに降り立ち背中に回し蹴り。
「くっ」
「まだまだよ」
すくっとしゃがんで足元に蹴りを入れる。
クロコダイルの体がわずかに揺らいだが、体格差のせいであまり効果はない。そもそも前から弁慶の泣き所を狙わなければあまり効果はないのだ。
せめてひざ裏を狙えば良かった。
ちっと舌打ちを一つしてクロコダイルの背中に向かってタックル。
その瞬間、頭部にひじ打ちを食らった。
痛い。
でも揺らいでいる場合じゃない。
振りぬかれた腕をひっつかんで跳躍し背後からの上段踵落とし。
クロコダイルの髪がはらりと崩れる。
踵落としの勢いのままクロコダイルの前に回り顎を狙ってアッパー。
これも体格差のためあまり効果はなしか。
クロコダイルはわずかに揺らぐだけでにやりと笑った。
「ちょっとくらい、効いてくれないかしらね」
「ふん、その程度の攻撃がおれに効くか」
「そうね。じゃあこれはどうかしら」
しゃがんで回し蹴り。
今回は弁慶の泣き所に見事ヒットした。
クロコダイルがぐらりと揺れる。
「痛えな」
「痛いようにしたのよ」
クロコダイルから蹴りが飛んできたので後方にジャンプして回避。
さらりと鉤爪が迫ってきたのでさらにバックステップ。
やばい、これ以上下がれない。
月歩で空中にジャンプ。
からのクロコダイルの背中に着地し、そのまま床に叩きつける。が、さらりと回避され逆に背中を取られてしまう。
「これで終いだ」
「そのようね」
背中から床に叩きつけられ、わたしはタップして負けを認める。
まったく、この怪人は。
いつになったらわたしが勝てる日がやってくるのかしら。
クロコダイルはゆっくりとわたしから降り、手を取って立たせてくれる。
「額から血が出ているな。治療してこい」
「そうさせてもらうわ」
クロコダイルの手を離し医務室へと向かう。
濡れたタオルで血をぬぐい、ガーゼを張り付ける。包帯までする必要はないだろう。
ささっと治療してクロコダイルの元へと戻る。
クロコダイルは再び舵をきっていた。
「もういいのか」
「ええ、そんなに出血してないしガーゼを張り付けるだけで十分よ」
「ならいい」
「ふふ、クロコダイルが傷つけたくせに」
「ああ?手でも抜いてほしかったのか」
「まさか」
眉間にしわを寄せるクロコダイルにくすっと笑って見せる。
「あなたが傷つけたくせに、心配してるようだからおかしかっただけよ」
「ふん、カズヤの体はおれのものなんだ。痕でも残ったら困るからな」
「嬉しいこと言ってくれるのね」
「違ったか?」
「いいえ、違わないわ。あなたのものよ。
にしても…わたしはいつになったらあなたに勝てるのかしら?」
はっとクロコダイルは鼻で笑った。
いぶかしげに彼の顔を伺う。
「カズヤがおれに勝とうなんざ百年早え」
「悔しいわ」
「その闘争心はいいこった。何度でも挑んで来い。何度でも負かしてやるよ」
きっとわたしは彼の言うとおり、何度だって挑んで何度だって負けるのだろう。
悔しいけど変わらない事実。
でもそれはずっと一緒にいてくれるということでもあって。
本当にさらりと嬉しいこと言ってくれるんだから。
わたしはくすりと微笑んだ。