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お名前をどうぞ、レディ
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「おい、出かけるぞ」
「デート?」
「好きに捉えろ」
「準備するからちょっと待ってね」
「早くしろよ」
とある島に停泊して二日目。
朝からクロコダイルは出かけると言い出した。
必要な物資の買い付けは昨日済ませたので、今日はおそらく大した用事ではないだろう。
ってことは…ってことはデートってことでいいんだよね?
クロコダイルも否定しなかったし。
ちなみにダズは昨晩の見張り当番だったので今はぐっすり眠っているだろう。
メモでも残しておけばいいかな。
「お待たせー」
「遅えぞ」
「女の子の準備は時間がかかるものなのよ」
「女の子、ねえ」
「うるさいわね、いいでしょ」
「クハハ、行くとするか」
二人でひらりと船から降りる。
左手をしっかりクロコダイルの腕に絡ませてデート開始だ。
「どこに行くの?」
「とりあえず朝飯にするぞ」
「りょーかい」
港の近くにあるカフェに入る。
何食べようかしら。
パンケーキか…クロックムッシュか…
「おい、いつまで悩んでやがる」
「選べないのよ。パンケーキとクロックムッシュとどっちがいいと思う?」
「どちらでも構わねえだろうが。だがまあ、そうだな。
サンドイッチセットにしとけ」
「どちらでもない!」
「ああ?なんでもいいんだろ?」
「そんなこと言ってないわよ。
でもまあ、いっか、それで」
店員さんを呼びメニューを伝えれば、数分足らずで料理が運ばれてきた。
「それで…今日はどこに行くの?」
「特に決めちゃあいねえが、カズヤが昨日張り付いてた雑貨屋があっただろ。
そこに行くぞ」
「覚えててくれたの?嬉しい」
「ふん。あれだけ張り付いてりゃ嫌でも記憶に残る」
「じゃあ急いで食べないとね!」
「子供か、てめえは」
急いで朝食を食べクロコダイルを急き立てる。
苦笑しながらも従ってくれるところが、彼のわたしに甘いところだ。
カフェを出てふらふらと町中を見ながら雑貨屋さんに向かう。
途中途中にも魅力的なお店が多くてついつい足を止めてしまう。
「…カズヤ、雑貨屋に着かねえぞ」
「わかってるんだけど…でも、この武器屋さんも見たいのよ」
「仕方ねえなあ…」
「ねえ、この刀どうかしら。わたしに似合う?」
「普段武器使わねえだろ」
「そうなんだけど。でもこの刀の装飾が綺麗じゃない?」
「まあ、見てくれは悪くねえが…。
使わねえもの買ってもしょうがねえだろ」
「うーん、そうね。今回は諦めようかしら」
気になる刀をそっと戻し、再びクロコダイルの腕を取る。
今度こそまっすぐ雑貨屋さんに向かおう。
雑貨屋さんに着くと可愛らしい雑貨たちが輝いていた。
「うわぁ、可愛いー!」
「女ってなぁ、こういうごちゃごちゃしたもんが好きだよな」
「ごちゃごちゃって言わないでよ。細々しくて可愛いいじゃない」
「おれにはうっとおしくて仕方ねえよ」
「もう、いいでしょ。
あ、ねえこの置物!可愛くない?」
連れてきといて不満気なクロコダイルの前に真鍮製の鳥の置物を差し出す。
クロコダイルは眉間にしわを寄せてそれを手に取った。
「まあ、悪くはねえが、どこに置く気だ?」
「うーん、わたしたちの部屋の窓辺?」
「船が揺れたら落ちるだろ」
「そうねえ、じゃあベッドサイドのテーブルの上」
「そこならいいか…」
「でももうちょっといろいろ見てから決めましょう」
「欲しいんじゃなかったのか」
「いろいろ見たいのよ」
「…好きにしろ」
脱力したクロコダイルの腕を引きながら、ふらふらと店内を歩き回る。
ジュエリーボックス
ペンたて
キャンディボックス
スタンドライト
可愛らしい雑貨だらけで目移りしてしまう。
せっかくクロコダイルが連れてきてくれたのだから、何か買いたいのだけど、なかなかこれってのが見つからない。
なんていうか…クロコダイルは部屋に余計な装飾をすることを好まないし、それはわたしも同じで。
戦いばかりしているわたしに、こんな可愛らしいものは似合わないんじゃないかって思ってしまう。
「おい、カズヤ」
考えこんでしまっていると、クロコダイルに腕を引かれた。
「なっ、なに?」
「欲しいものがないなら、無理に買う必要はねえぞ」
どうして、そう見透かしてしまうのだろう。
「欲しいものがないって言うか…。
こんな可愛らしいものはわたしに似合わないんじゃないかって思って」
「そうだな」
「やっぱり…」
「だが、買ったところで、それを知ってるのはおれとてめえだけだろうが」
「え?」
「てめえが可愛いものを持っていたとして、今更おれが嫌がるとでも思うのか?」
「思わ、ない」
「なら好きにしろ。買いたいものがあれば買え。無ければそれでいいじゃねえか」
「っ、うん!」
本当にもう。
どうして、そうわたしを甘やかすのが上手いのだろう。
思わずクロコダイルに抱きつく。
クロコダイルは苦笑しながら、わたしの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「うふふ、可愛いなあ」
「そりゃあ、よかったぜ」
結局、一番最初に手にした真鍮製の鳥の置物を二羽買ってきてベッドサイドのテーブルに置いた。
「ねえ、クロコダイル」
「あ?」
「この部屋、もっと可愛いものでいっぱいにしてもいい?」
「クハハ、可愛いものはてめえだけで十分だ。ほどほどしろよ」
クロコダイルはニヤリと笑いながら、わたしの頭を優しく撫でた。
「デート?」
「好きに捉えろ」
「準備するからちょっと待ってね」
「早くしろよ」
とある島に停泊して二日目。
朝からクロコダイルは出かけると言い出した。
必要な物資の買い付けは昨日済ませたので、今日はおそらく大した用事ではないだろう。
ってことは…ってことはデートってことでいいんだよね?
クロコダイルも否定しなかったし。
ちなみにダズは昨晩の見張り当番だったので今はぐっすり眠っているだろう。
メモでも残しておけばいいかな。
「お待たせー」
「遅えぞ」
「女の子の準備は時間がかかるものなのよ」
「女の子、ねえ」
「うるさいわね、いいでしょ」
「クハハ、行くとするか」
二人でひらりと船から降りる。
左手をしっかりクロコダイルの腕に絡ませてデート開始だ。
「どこに行くの?」
「とりあえず朝飯にするぞ」
「りょーかい」
港の近くにあるカフェに入る。
何食べようかしら。
パンケーキか…クロックムッシュか…
「おい、いつまで悩んでやがる」
「選べないのよ。パンケーキとクロックムッシュとどっちがいいと思う?」
「どちらでも構わねえだろうが。だがまあ、そうだな。
サンドイッチセットにしとけ」
「どちらでもない!」
「ああ?なんでもいいんだろ?」
「そんなこと言ってないわよ。
でもまあ、いっか、それで」
店員さんを呼びメニューを伝えれば、数分足らずで料理が運ばれてきた。
「それで…今日はどこに行くの?」
「特に決めちゃあいねえが、カズヤが昨日張り付いてた雑貨屋があっただろ。
そこに行くぞ」
「覚えててくれたの?嬉しい」
「ふん。あれだけ張り付いてりゃ嫌でも記憶に残る」
「じゃあ急いで食べないとね!」
「子供か、てめえは」
急いで朝食を食べクロコダイルを急き立てる。
苦笑しながらも従ってくれるところが、彼のわたしに甘いところだ。
カフェを出てふらふらと町中を見ながら雑貨屋さんに向かう。
途中途中にも魅力的なお店が多くてついつい足を止めてしまう。
「…カズヤ、雑貨屋に着かねえぞ」
「わかってるんだけど…でも、この武器屋さんも見たいのよ」
「仕方ねえなあ…」
「ねえ、この刀どうかしら。わたしに似合う?」
「普段武器使わねえだろ」
「そうなんだけど。でもこの刀の装飾が綺麗じゃない?」
「まあ、見てくれは悪くねえが…。
使わねえもの買ってもしょうがねえだろ」
「うーん、そうね。今回は諦めようかしら」
気になる刀をそっと戻し、再びクロコダイルの腕を取る。
今度こそまっすぐ雑貨屋さんに向かおう。
雑貨屋さんに着くと可愛らしい雑貨たちが輝いていた。
「うわぁ、可愛いー!」
「女ってなぁ、こういうごちゃごちゃしたもんが好きだよな」
「ごちゃごちゃって言わないでよ。細々しくて可愛いいじゃない」
「おれにはうっとおしくて仕方ねえよ」
「もう、いいでしょ。
あ、ねえこの置物!可愛くない?」
連れてきといて不満気なクロコダイルの前に真鍮製の鳥の置物を差し出す。
クロコダイルは眉間にしわを寄せてそれを手に取った。
「まあ、悪くはねえが、どこに置く気だ?」
「うーん、わたしたちの部屋の窓辺?」
「船が揺れたら落ちるだろ」
「そうねえ、じゃあベッドサイドのテーブルの上」
「そこならいいか…」
「でももうちょっといろいろ見てから決めましょう」
「欲しいんじゃなかったのか」
「いろいろ見たいのよ」
「…好きにしろ」
脱力したクロコダイルの腕を引きながら、ふらふらと店内を歩き回る。
ジュエリーボックス
ペンたて
キャンディボックス
スタンドライト
可愛らしい雑貨だらけで目移りしてしまう。
せっかくクロコダイルが連れてきてくれたのだから、何か買いたいのだけど、なかなかこれってのが見つからない。
なんていうか…クロコダイルは部屋に余計な装飾をすることを好まないし、それはわたしも同じで。
戦いばかりしているわたしに、こんな可愛らしいものは似合わないんじゃないかって思ってしまう。
「おい、カズヤ」
考えこんでしまっていると、クロコダイルに腕を引かれた。
「なっ、なに?」
「欲しいものがないなら、無理に買う必要はねえぞ」
どうして、そう見透かしてしまうのだろう。
「欲しいものがないって言うか…。
こんな可愛らしいものはわたしに似合わないんじゃないかって思って」
「そうだな」
「やっぱり…」
「だが、買ったところで、それを知ってるのはおれとてめえだけだろうが」
「え?」
「てめえが可愛いものを持っていたとして、今更おれが嫌がるとでも思うのか?」
「思わ、ない」
「なら好きにしろ。買いたいものがあれば買え。無ければそれでいいじゃねえか」
「っ、うん!」
本当にもう。
どうして、そうわたしを甘やかすのが上手いのだろう。
思わずクロコダイルに抱きつく。
クロコダイルは苦笑しながら、わたしの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「うふふ、可愛いなあ」
「そりゃあ、よかったぜ」
結局、一番最初に手にした真鍮製の鳥の置物を二羽買ってきてベッドサイドのテーブルに置いた。
「ねえ、クロコダイル」
「あ?」
「この部屋、もっと可愛いものでいっぱいにしてもいい?」
「クハハ、可愛いものはてめえだけで十分だ。ほどほどしろよ」
クロコダイルはニヤリと笑いながら、わたしの頭を優しく撫でた。