with you
お名前をどうぞ、レディ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おいカズヤ」
「なあに、クロコダイル」
呼ばれて視線を上げればそこには不機嫌そうなクロコダイル。
昼食もすぎ穏やかな時間の中、クロコダイルと二人で船長室でのんびりと過ごしていた。
クロコダイルはソファに座って読書中。
わたしもクロコダイルにもたれかかり読書中。
海賊らしくない平和で穏やかな時間を満喫していたのだ。
「…」
「…?どうしたの?」
「いや…」
珍しく口ごもるクロコダイル。
一体どうしたというのだろう。
「お前、最近ユカタ着てねえな」
「そういえばそうね」
海軍時代に部屋着として着用していた浴衣。
あの戦争の最中持ってくる余裕なんてなかったし、
今まで停まってきた島にも浴衣は売っていなかった。
「今わたし浴衣持ってないのよ」
「そういやそうだな」
「なあに?浴衣着てほしいの?」
「ふん。そんなんじゃねえ。ただ、ユカタ姿も悪くなかったなと思っただけだ」
確かにクロコダイルはわたしの浴衣姿が好きだった。
しょっちゅう夜わたしの部屋にやってきては鑑賞していたくらいだ。
「浴衣は動きにくいでしょう。いつ襲撃があるかわからないのだし」
だから今後浴衣を発見しても買わないだろう。
海賊に浴衣は似合わない。
「そうだな」
「ええ、そうよ」
それきり無言。
やっぱりクロコダイルは浴衣姿が見たいのだろう。
でもわたしの言うことも一理ある。
少し惜しいような顔をするクロコダイルがかわいらしい。
「そうね…少し待っていてちょうだい」
「あ?」
クロコダイルをソファに残し、部屋を出る。
浴衣を持っていないとは思ったものの、元を言えばこの船はわたしの軍艦だ。
一着くらい予備に置いてあるかもしれない。
「うーん…。やっぱりないかなあ」
昔わたしが寝室として使っていた部屋を漁る。
でもやっぱり無いかなあ。
海軍をやっていた当時だって軍艦上では何があるかわからないから浴衣で寝るなんてことしてなかったし。
諦めてクロコダイルの待つ部屋へ戻った。
「クロコダイルー?ごめん、やっぱり浴衣ないわ」
「ふん。構いやしねえよ。ただ、まあ、なんだ。
次の島で浴衣見かけたら買うぞ」
「やっぱり浴衣気になってたんじゃない…」
その気が無いふりなんてして、本当は浴衣姿が見たかったのね。
まったく、かわいらしい人だ。
「何を着ていようとカズヤはカズヤだ。
しかしシチュエーションは大事だからな」
クロコダイルはそう言って再び手元の本へと視線を落とした。
わたしも再びクロコダイルにもたれかかって読書を再開する。
「シチュエーション、ね」
「…」
「もし浴衣が見つかったらクロコダイルにも着てほしいな」
「…」
「だってきっとすごく似合うもの」
「…」
「ね?」
「はあ、仕方ねえな。見つかったらな」
浴衣デート、楽しみにしてるね。
心の中で呟いて、手元の本へ意識を移した。
「なあに、クロコダイル」
呼ばれて視線を上げればそこには不機嫌そうなクロコダイル。
昼食もすぎ穏やかな時間の中、クロコダイルと二人で船長室でのんびりと過ごしていた。
クロコダイルはソファに座って読書中。
わたしもクロコダイルにもたれかかり読書中。
海賊らしくない平和で穏やかな時間を満喫していたのだ。
「…」
「…?どうしたの?」
「いや…」
珍しく口ごもるクロコダイル。
一体どうしたというのだろう。
「お前、最近ユカタ着てねえな」
「そういえばそうね」
海軍時代に部屋着として着用していた浴衣。
あの戦争の最中持ってくる余裕なんてなかったし、
今まで停まってきた島にも浴衣は売っていなかった。
「今わたし浴衣持ってないのよ」
「そういやそうだな」
「なあに?浴衣着てほしいの?」
「ふん。そんなんじゃねえ。ただ、ユカタ姿も悪くなかったなと思っただけだ」
確かにクロコダイルはわたしの浴衣姿が好きだった。
しょっちゅう夜わたしの部屋にやってきては鑑賞していたくらいだ。
「浴衣は動きにくいでしょう。いつ襲撃があるかわからないのだし」
だから今後浴衣を発見しても買わないだろう。
海賊に浴衣は似合わない。
「そうだな」
「ええ、そうよ」
それきり無言。
やっぱりクロコダイルは浴衣姿が見たいのだろう。
でもわたしの言うことも一理ある。
少し惜しいような顔をするクロコダイルがかわいらしい。
「そうね…少し待っていてちょうだい」
「あ?」
クロコダイルをソファに残し、部屋を出る。
浴衣を持っていないとは思ったものの、元を言えばこの船はわたしの軍艦だ。
一着くらい予備に置いてあるかもしれない。
「うーん…。やっぱりないかなあ」
昔わたしが寝室として使っていた部屋を漁る。
でもやっぱり無いかなあ。
海軍をやっていた当時だって軍艦上では何があるかわからないから浴衣で寝るなんてことしてなかったし。
諦めてクロコダイルの待つ部屋へ戻った。
「クロコダイルー?ごめん、やっぱり浴衣ないわ」
「ふん。構いやしねえよ。ただ、まあ、なんだ。
次の島で浴衣見かけたら買うぞ」
「やっぱり浴衣気になってたんじゃない…」
その気が無いふりなんてして、本当は浴衣姿が見たかったのね。
まったく、かわいらしい人だ。
「何を着ていようとカズヤはカズヤだ。
しかしシチュエーションは大事だからな」
クロコダイルはそう言って再び手元の本へと視線を落とした。
わたしも再びクロコダイルにもたれかかって読書を再開する。
「シチュエーション、ね」
「…」
「もし浴衣が見つかったらクロコダイルにも着てほしいな」
「…」
「だってきっとすごく似合うもの」
「…」
「ね?」
「はあ、仕方ねえな。見つかったらな」
浴衣デート、楽しみにしてるね。
心の中で呟いて、手元の本へ意識を移した。