with you
お名前をどうぞ、レディ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「クロコダイル!早く早く!」
「走らねえでも時間はたっぷりあるだろうが」
「久しぶりだから興奮してるのよ」
今わたしとクロコダイルは久しぶりに二人きりで散歩している。
この治安の良い町でダズは買い出し、わたしとクロコダイルは散策中だ。
「興奮するのはおれの下だけにしておいてもらいたいね」
「それは別の機会に取っておきましょう。今はデートよ。デート!」
久しぶりのデートにはしゃぐわたしにクロコダイルは半ばあきれながらも
満更でもなさそうに紫煙をくゆらせついてくる。
港から市場、商店街、住宅街を抜けて小高くなっている丘まで上がってきた。
高い建物のない小さな町なので、そこから海までが一望できる。
「わあ、いい景色ね。風が気持ちいいわ」
「なんにもねえところだな」
「クロコダイル、情緒が足りないわよ」
風にあおられて髪を抑える。
暖かい空気が大きく動く。
「カズヤ」
「なにかしら」
「楽しいか?」
「ええ、もちろん」
クロコダイルは「そうか」とつぶやき海へと視線を送る。
わたしはの気持ちのいい丘で風に吹かれているのはとても楽しいけれど
クロコダイルにはそうでもないのかしら。
もっと別の場所の方が良かったのかな。
でもこの島にはとくに目立った施設は存在しない。
他にクロコダイルが喜びそうな場所…
「いたっ!?」
考え込んでいたらいきなり鉤爪で頭を叩かれた。
本格的に機嫌を損ねてしまったのだろうか。
おそるおそるクロコダイルの様子を伺う。
「クロコダイル…?」
「なに一人で考え込んでやがる」
「クロコダイルが喜びそうな場所が他にないかなって考えてました」
「なぜ」
「…今、あんまり楽しそうじゃないから」
クロコダイルは大きくため息をついた。
ああ、やっぱりこの場所は失敗だったのかしら。
「バカか、てめえは」
「ごめんなさい」
「別に嫌なわけじゃねえよ。天気はいいしカズヤは喜んでいる。
それで十分じゃねえか」
「そう、なの?」
「当たり前だ。他に何がいる」
「いやー、クロコダイルはもっと華やかな場所の方がいいかなって」
困ったように笑って見せると、彼は右手でわたしの頭をがしがしと撫でた。
彼の口角が今は機嫌よさ気に吊り上っている。
「まあそういうのも嫌いではねえが…場所なんて細けえこと気にはしねえよ」
それはつまりどういうことかと言うと。
「大事なのは"どこで"じゃなくて、"誰と"だろ」
その言葉はとても嬉しい言葉だ。
クロコダイルは気がついているのだろうか。
その言葉がどれだけわたしを甘やかすのかを。
「なににやついてやがる」
「いやー、嬉しくて、照れちゃいました」
「ふん」
そのぶっきらぼうな言い方すら愛おしくてクロコダイルに抱きつく。
彼はなにも言わずに力強く抱きしめてくれる。
本当に彼の言うとおり。
あなたがいればそれだけでどこにいたって良かったんだ。
風が再び、わたしたちを包むように強く吹き抜けた。
「走らねえでも時間はたっぷりあるだろうが」
「久しぶりだから興奮してるのよ」
今わたしとクロコダイルは久しぶりに二人きりで散歩している。
この治安の良い町でダズは買い出し、わたしとクロコダイルは散策中だ。
「興奮するのはおれの下だけにしておいてもらいたいね」
「それは別の機会に取っておきましょう。今はデートよ。デート!」
久しぶりのデートにはしゃぐわたしにクロコダイルは半ばあきれながらも
満更でもなさそうに紫煙をくゆらせついてくる。
港から市場、商店街、住宅街を抜けて小高くなっている丘まで上がってきた。
高い建物のない小さな町なので、そこから海までが一望できる。
「わあ、いい景色ね。風が気持ちいいわ」
「なんにもねえところだな」
「クロコダイル、情緒が足りないわよ」
風にあおられて髪を抑える。
暖かい空気が大きく動く。
「カズヤ」
「なにかしら」
「楽しいか?」
「ええ、もちろん」
クロコダイルは「そうか」とつぶやき海へと視線を送る。
わたしはの気持ちのいい丘で風に吹かれているのはとても楽しいけれど
クロコダイルにはそうでもないのかしら。
もっと別の場所の方が良かったのかな。
でもこの島にはとくに目立った施設は存在しない。
他にクロコダイルが喜びそうな場所…
「いたっ!?」
考え込んでいたらいきなり鉤爪で頭を叩かれた。
本格的に機嫌を損ねてしまったのだろうか。
おそるおそるクロコダイルの様子を伺う。
「クロコダイル…?」
「なに一人で考え込んでやがる」
「クロコダイルが喜びそうな場所が他にないかなって考えてました」
「なぜ」
「…今、あんまり楽しそうじゃないから」
クロコダイルは大きくため息をついた。
ああ、やっぱりこの場所は失敗だったのかしら。
「バカか、てめえは」
「ごめんなさい」
「別に嫌なわけじゃねえよ。天気はいいしカズヤは喜んでいる。
それで十分じゃねえか」
「そう、なの?」
「当たり前だ。他に何がいる」
「いやー、クロコダイルはもっと華やかな場所の方がいいかなって」
困ったように笑って見せると、彼は右手でわたしの頭をがしがしと撫でた。
彼の口角が今は機嫌よさ気に吊り上っている。
「まあそういうのも嫌いではねえが…場所なんて細けえこと気にはしねえよ」
それはつまりどういうことかと言うと。
「大事なのは"どこで"じゃなくて、"誰と"だろ」
その言葉はとても嬉しい言葉だ。
クロコダイルは気がついているのだろうか。
その言葉がどれだけわたしを甘やかすのかを。
「なににやついてやがる」
「いやー、嬉しくて、照れちゃいました」
「ふん」
そのぶっきらぼうな言い方すら愛おしくてクロコダイルに抱きつく。
彼はなにも言わずに力強く抱きしめてくれる。
本当に彼の言うとおり。
あなたがいればそれだけでどこにいたって良かったんだ。
風が再び、わたしたちを包むように強く吹き抜けた。