with you
お名前をどうぞ、レディ
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「お前、まだそんなもん持ち歩いてんのか」
「うん。だってクロコダイル写真撮らせてくれないんですもの」
わたしの両手にはクロコダイルの手配書。
他に彼の写真はない。
紙面に写った自分なんて意味がないらしい。
写真の類を一切撮らせてくれないのだ。
だから、最近ニュース・クーが落としていった彼の手配書を
常に持ち歩いているのだ。
「そんなもん眺めなくったって目の前に本物がいるだろうがよ」
「常にはいないもん」
「もん、じゃねえよ」
眉間のしわをさらに深くするクロコダイル。
いいじゃない。愛されてるんだから。
「二次元だろうが三次元だろうが、いっそ一次元でもクロコダイルのことなら大切にきまっているじゃない」
「おれはどのヒモだ…」
「たとえ山のようなヒモが積まれていても、わたしはあなたを見つけ出すわよ」
胸を張るわたしに対して、クロコダイルは肩を落とした。
「山のようなヒモと、今目の前にいるおれと、どちらを選ぶんだ?」
「あら、両方とるわよ」
「贅沢な女だ…
だが浮気を許すほどおれの心は広くねエ」
そう言うと、クロコダイルは素早く手を伸ばして手配書をもぎ取る。
彼の写真はあっという間に砂に変えられてしまった。
「あー、わたしのお守り!!!!なんてことすんのよ!!!?」
「ふん」
なぜか勝ち誇ったような顔で見下ろされる。
…
…
「やきもちね」
「浮気は良くねえと思わねえか?」
「開き直るな!!!!浮気じゃないよ、クロコダイルじゃないの」
「ふん。紙面のおれとひも状のおれをこのおれと一緒にするんじゃねよ」
なんて横暴な嫉妬。
意味わかんないですよ、クロコダイルさん。
「じゃあ、わたしの手配書が出回ったらどうするのよ」
「あ?んなもん独占するにきまってるだろうが。
てめえの面をおれ以外の男に所持されるなんざ許さねえぞ」
わあ、ダブルスタンダード。
「なんかさっきと言ってること違くない?」
「ふん。おれの場合とカズヤの場合は違エんだよ」
「横暴」
「なんとでも言いやがれ」
本当に口では敵わない。
そんな些細な嫉妬は嬉しいのだけれど、でも写真は写真で素敵な写りだったんだけどな。
「仕方ねえな。おい、こっちにこい」
クロコダイルはそう言うとソファに腰掛けてわたしに向かって手招きする。
「なにかしら」
近づくとひょいっと持ち上げられて膝に乗せられる。
クロコダイルの顔が近い。その距離20センチ。
「なに…?」
「紙面じゃなくて、目の前にいるおれを見ろ」
結局そこに落ち着くのね。
「…」
「…」
無言で二人で見つめあう。
なんだか時間がすごく長く感じる。
まだほんの数分しかたっていないはずなのに、すごく長時間見つめあっているような気がする。
「覚えたか?」
「忘れたことなんてないわよ」
「クク、そうかよ」
なぜだかすごくくすぐったい気持ちになってクロコダイルの胸に顔をうずめた。
それじゃ顔が見れねえだろうが、なんて声が上から降ってくる。
もういいよ。
十分。
あなたのその顔をわたしは脳内に焼き付けた。
あなただってそうでしょう?
「うん。だってクロコダイル写真撮らせてくれないんですもの」
わたしの両手にはクロコダイルの手配書。
他に彼の写真はない。
紙面に写った自分なんて意味がないらしい。
写真の類を一切撮らせてくれないのだ。
だから、最近ニュース・クーが落としていった彼の手配書を
常に持ち歩いているのだ。
「そんなもん眺めなくったって目の前に本物がいるだろうがよ」
「常にはいないもん」
「もん、じゃねえよ」
眉間のしわをさらに深くするクロコダイル。
いいじゃない。愛されてるんだから。
「二次元だろうが三次元だろうが、いっそ一次元でもクロコダイルのことなら大切にきまっているじゃない」
「おれはどのヒモだ…」
「たとえ山のようなヒモが積まれていても、わたしはあなたを見つけ出すわよ」
胸を張るわたしに対して、クロコダイルは肩を落とした。
「山のようなヒモと、今目の前にいるおれと、どちらを選ぶんだ?」
「あら、両方とるわよ」
「贅沢な女だ…
だが浮気を許すほどおれの心は広くねエ」
そう言うと、クロコダイルは素早く手を伸ばして手配書をもぎ取る。
彼の写真はあっという間に砂に変えられてしまった。
「あー、わたしのお守り!!!!なんてことすんのよ!!!?」
「ふん」
なぜか勝ち誇ったような顔で見下ろされる。
…
…
「やきもちね」
「浮気は良くねえと思わねえか?」
「開き直るな!!!!浮気じゃないよ、クロコダイルじゃないの」
「ふん。紙面のおれとひも状のおれをこのおれと一緒にするんじゃねよ」
なんて横暴な嫉妬。
意味わかんないですよ、クロコダイルさん。
「じゃあ、わたしの手配書が出回ったらどうするのよ」
「あ?んなもん独占するにきまってるだろうが。
てめえの面をおれ以外の男に所持されるなんざ許さねえぞ」
わあ、ダブルスタンダード。
「なんかさっきと言ってること違くない?」
「ふん。おれの場合とカズヤの場合は違エんだよ」
「横暴」
「なんとでも言いやがれ」
本当に口では敵わない。
そんな些細な嫉妬は嬉しいのだけれど、でも写真は写真で素敵な写りだったんだけどな。
「仕方ねえな。おい、こっちにこい」
クロコダイルはそう言うとソファに腰掛けてわたしに向かって手招きする。
「なにかしら」
近づくとひょいっと持ち上げられて膝に乗せられる。
クロコダイルの顔が近い。その距離20センチ。
「なに…?」
「紙面じゃなくて、目の前にいるおれを見ろ」
結局そこに落ち着くのね。
「…」
「…」
無言で二人で見つめあう。
なんだか時間がすごく長く感じる。
まだほんの数分しかたっていないはずなのに、すごく長時間見つめあっているような気がする。
「覚えたか?」
「忘れたことなんてないわよ」
「クク、そうかよ」
なぜだかすごくくすぐったい気持ちになってクロコダイルの胸に顔をうずめた。
それじゃ顔が見れねえだろうが、なんて声が上から降ってくる。
もういいよ。
十分。
あなたのその顔をわたしは脳内に焼き付けた。
あなただってそうでしょう?