with you
お名前をどうぞ、レディ
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「…だりぃ」
「シャワーで済ませておけばよかったのに」
湯船でクロコダイルはぐったりと縁に寄りかかっていた。
わたしは隣で彼の頭に冷たいタオルを乗せている。
「湯船に浸かりたいとか世迷い事言いだしたのカズヤじゃねえか」
わたしは湯船に浸かってるから、その間にシャワー浴びてれば。というつもりで言ったのだけれど。
「砂」である彼は、普通の悪魔の実の能力者と比べて、かなり水が苦手なようだ。
湯船に浸かることを「世迷い事」などと言い出しているあたり、かなり末期に見える。
普段なら吸い取って済ませるところなのに、わたしに付き合って湯船に浸かっているせいでそれもできない。
「難儀ねえ」
「うるせえ」
「そんな残念なところも、十分あなたのチャームポイントだから大丈夫よ」
「干からびてえか」
「あなたよりわたしの覇気の方が格上なのだから無理でしょう。
悪魔の実の能力に頼りすぎるのはよくなくてよ」
「クハー、だりぃ」
無限ループか。
まったく体調は辛いだろうに、口だけは減らないのだから。
「出れば?」
「……ふん」
いやいやいや。
ふん。じゃないわよ。
そんなにだるいなら無理せず出れば良いのに。
「カズヤ、こっちに来い」
そう言って彼は力なくわたしを抱き寄せる。
その手に引かれ、彼の太ももに座り首もとに顔をうずめる。
「まったく」
しょうのない男。
でも。
「悪くないわ」
「てめえだけだ」
「そうしてちょうだい」
いつもと違い、気だるそうな彼にそっと体重をかける。
「だりぃ上に重てえ」
じゃあ乗せるな。
そんなことも言い出せないほど、今の彼は弱っている。
ても、ちょっと最近太ったかしら…
海軍に居た時みたいに毎日トレーニングできているわけではないし。
食べ物も自己管理だからなあ……うわぁ
「クク。安心しろ。そんなに変わってねえよ。
だいたい、てめえが重てえのは体脂肪率が低いからだ」
「…からかわないでちょうだい。
女子にとっては死活問題なのよ」
「女子って年か」
……すみませんでした。
そうよね。女子を名乗って良いのは10代までよねえ…。
「何にやにやしてるのよ」
気がつけば、クロコダイルがにやにやしている。
だるいのはどうしたのやら。
「何でもねえよ。
ほら、おれ様に湯が染みる前にあがるぞ。
背中流せ」
「横暴ね」
「髪でも洗ってやろうか、お嬢さん」
わたしの反論を許さず、クロコダイルはわたしを抱き上げた。
「重たいのではなくて?」
「拗ねんじゃねえよ」
膨れるわたしの額にクロコダイルが唇を寄せる。
さっきまでの気だるさはどこへ行ったのやら。
結局クロコダイルのペースに巻き込まれている。
「あなたにわたし以外のものを染みこませなんかしないわよ」
悔しいので最後の反論に出る。
「当たり前だろうが」
にやりと笑ってかわされた。
ああ駄目だ。
完敗ね。
「お互いな」
彼にわたし以外を染みこませたりしないために。
わたしは愛が湯に溶ける前に、湯から出る。
湯はゆっくりと、しかし確実に彼の野望とわたしの愛を浮かべてたゆっていた。
「シャワーで済ませておけばよかったのに」
湯船でクロコダイルはぐったりと縁に寄りかかっていた。
わたしは隣で彼の頭に冷たいタオルを乗せている。
「湯船に浸かりたいとか世迷い事言いだしたのカズヤじゃねえか」
わたしは湯船に浸かってるから、その間にシャワー浴びてれば。というつもりで言ったのだけれど。
「砂」である彼は、普通の悪魔の実の能力者と比べて、かなり水が苦手なようだ。
湯船に浸かることを「世迷い事」などと言い出しているあたり、かなり末期に見える。
普段なら吸い取って済ませるところなのに、わたしに付き合って湯船に浸かっているせいでそれもできない。
「難儀ねえ」
「うるせえ」
「そんな残念なところも、十分あなたのチャームポイントだから大丈夫よ」
「干からびてえか」
「あなたよりわたしの覇気の方が格上なのだから無理でしょう。
悪魔の実の能力に頼りすぎるのはよくなくてよ」
「クハー、だりぃ」
無限ループか。
まったく体調は辛いだろうに、口だけは減らないのだから。
「出れば?」
「……ふん」
いやいやいや。
ふん。じゃないわよ。
そんなにだるいなら無理せず出れば良いのに。
「カズヤ、こっちに来い」
そう言って彼は力なくわたしを抱き寄せる。
その手に引かれ、彼の太ももに座り首もとに顔をうずめる。
「まったく」
しょうのない男。
でも。
「悪くないわ」
「てめえだけだ」
「そうしてちょうだい」
いつもと違い、気だるそうな彼にそっと体重をかける。
「だりぃ上に重てえ」
じゃあ乗せるな。
そんなことも言い出せないほど、今の彼は弱っている。
ても、ちょっと最近太ったかしら…
海軍に居た時みたいに毎日トレーニングできているわけではないし。
食べ物も自己管理だからなあ……うわぁ
「クク。安心しろ。そんなに変わってねえよ。
だいたい、てめえが重てえのは体脂肪率が低いからだ」
「…からかわないでちょうだい。
女子にとっては死活問題なのよ」
「女子って年か」
……すみませんでした。
そうよね。女子を名乗って良いのは10代までよねえ…。
「何にやにやしてるのよ」
気がつけば、クロコダイルがにやにやしている。
だるいのはどうしたのやら。
「何でもねえよ。
ほら、おれ様に湯が染みる前にあがるぞ。
背中流せ」
「横暴ね」
「髪でも洗ってやろうか、お嬢さん」
わたしの反論を許さず、クロコダイルはわたしを抱き上げた。
「重たいのではなくて?」
「拗ねんじゃねえよ」
膨れるわたしの額にクロコダイルが唇を寄せる。
さっきまでの気だるさはどこへ行ったのやら。
結局クロコダイルのペースに巻き込まれている。
「あなたにわたし以外のものを染みこませなんかしないわよ」
悔しいので最後の反論に出る。
「当たり前だろうが」
にやりと笑ってかわされた。
ああ駄目だ。
完敗ね。
「お互いな」
彼にわたし以外を染みこませたりしないために。
わたしは愛が湯に溶ける前に、湯から出る。
湯はゆっくりと、しかし確実に彼の野望とわたしの愛を浮かべてたゆっていた。