with you
お名前をどうぞ、レディ
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その晩、わたしは見張り当番だった。
日を跨ぐ前にダズと代わり、見張り台に登る。
空を見上げると一面の星月夜が広がっていた。
こんなにも澄んで見えるのは、冬島が近いからだろう。
だから、寒い。
コートもマフラーも帽子も手袋も装備しているけれど、寒いもんは寒い。
「これ以上どうにもできないし」
はあ、と息を吐けば視界が白くなる。
音が聞こえにくくなるから耳当ては出来ないし。
目出し帽でも被れば良かったかしら。
持ってないけど。
「何しかめっ面してやがる」
振り向けば、そこにはクロコダイルが居た。
いつの間に。
梯子が軋む音がしなかったから砂になってきたのだろう。
「寒いのよ」
「当たり前だろうが」
わかってるわよ。
わかってるけど、寒いものは寒いのよ。
「そう睨むな」
クロコダイルはわたしの隣にどっかり座る。
胡座をかき、わたしをそこに座らせた。
「これでちったあマシだろ」
「ええ。ありがとう」
ありがたくクロコダイルの温もりを享受する。
でも参ったな。
これだと眠い。
「てめえ日中15時間寝て、まだ眠いか」
眠いのが顔に出ていたのか、クロコダイルにたしなめられる。
「だってクロコダイルが温かいのですもの」
そっとクロコダイルにすり寄り、葉巻の香りを胸一杯に吸い込む。
「……」
「……」
静かな静かな星月夜。
二人で黙って空を眺める。
「綺麗な空ね」
「何だ。お前の方が綺麗とか言ってほしいか」
キザな台詞を吐く彼にクスクスと笑い返す。
「結構よ。遠慮しておくわ」
「そうか」
「もう少し、野心が欲しいわね。
「いつか、あの星空ごとくれてやる」
くらい」
「ワガママなお嬢さんだな」
「そうよ。あなたと同じくらい」
「それなら、おれもワガママにさせてもらうぜ」
そう言ってクロコダイルはわたしの首筋に顔をうずめる。
しばらくして規則正しい寝息が聞こえてきた。
ああ、何てワガママかしら。
わたしを抱き枕にしに来たのね。
ワガママなクロコダイルを起こさぬよう、そっと体勢を変える。
彼の頭を自分の膝に乗せ、大きなコートを彼に被せた。
しんと静かな星月夜。
そっと愛を照らして瞬く。
日を跨ぐ前にダズと代わり、見張り台に登る。
空を見上げると一面の星月夜が広がっていた。
こんなにも澄んで見えるのは、冬島が近いからだろう。
だから、寒い。
コートもマフラーも帽子も手袋も装備しているけれど、寒いもんは寒い。
「これ以上どうにもできないし」
はあ、と息を吐けば視界が白くなる。
音が聞こえにくくなるから耳当ては出来ないし。
目出し帽でも被れば良かったかしら。
持ってないけど。
「何しかめっ面してやがる」
振り向けば、そこにはクロコダイルが居た。
いつの間に。
梯子が軋む音がしなかったから砂になってきたのだろう。
「寒いのよ」
「当たり前だろうが」
わかってるわよ。
わかってるけど、寒いものは寒いのよ。
「そう睨むな」
クロコダイルはわたしの隣にどっかり座る。
胡座をかき、わたしをそこに座らせた。
「これでちったあマシだろ」
「ええ。ありがとう」
ありがたくクロコダイルの温もりを享受する。
でも参ったな。
これだと眠い。
「てめえ日中15時間寝て、まだ眠いか」
眠いのが顔に出ていたのか、クロコダイルにたしなめられる。
「だってクロコダイルが温かいのですもの」
そっとクロコダイルにすり寄り、葉巻の香りを胸一杯に吸い込む。
「……」
「……」
静かな静かな星月夜。
二人で黙って空を眺める。
「綺麗な空ね」
「何だ。お前の方が綺麗とか言ってほしいか」
キザな台詞を吐く彼にクスクスと笑い返す。
「結構よ。遠慮しておくわ」
「そうか」
「もう少し、野心が欲しいわね。
「いつか、あの星空ごとくれてやる」
くらい」
「ワガママなお嬢さんだな」
「そうよ。あなたと同じくらい」
「それなら、おれもワガママにさせてもらうぜ」
そう言ってクロコダイルはわたしの首筋に顔をうずめる。
しばらくして規則正しい寝息が聞こえてきた。
ああ、何てワガママかしら。
わたしを抱き枕にしに来たのね。
ワガママなクロコダイルを起こさぬよう、そっと体勢を変える。
彼の頭を自分の膝に乗せ、大きなコートを彼に被せた。
しんと静かな星月夜。
そっと愛を照らして瞬く。