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お名前をどうぞ、レディ
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「まったく、余計なことをしてくれたもんじゃ」
はぁ、と海軍本部中将ガープはため息をついた。
ガープの眼前には強固な檻。
その奥には捕らわれて尚、獰猛さを失わない三白眼。
「ふん。海軍にとっちゃあ、何もしねえで海賊を捕らえられたんだ。
若干の不手際はもみ消したんだろう?
しかも七武海の首をてめえの孫が捕らえたんだぜ。
幸運以外の何物でもねえだろ」
乾いた声が檻に響く。
ガープが再度ため息をつく。
「問題なのは捕まったのがクロコダイル、お前だってことじゃ」
「あ?」
「カズヤじゃよ」
獰猛な三白眼がここにきて揺らめく。
「貴様、カズヤに何を吹き込んだ」
「クハハ。なんのことだ。
海賊が海軍本部中将補佐官殿にどんな関係がある」
ガープが苛立ちを露わに檻の奥を睨む。
「先日カズヤは貴様をインペルダウンへ連行しただろう。
あれからじゃ。貴様は気付かんか。
捕縛される海賊の量が日に日に増えていることを」
「level6が上層部のことなんざ知らねえし関係ねえ」
「しかも捕縛される海賊の大半が残虐に痛めつけられ、
完膚なきまでに叩き潰されている」
「ほう」
「連行しているのは必ずカズヤじゃ」
「ふん、てめえの部下が手柄をあげてるんだ。
何を嘆く」
三白眼がニヤリと嘲笑う。
ガープはうつむいた。
「海賊どもは一様に『黒い悪魔にいたぶられた』と証言している。
…カズヤじゃ。
カズヤが海賊をいたぶり、他の者が取り押さえている」
「素晴らしい連携プレーじゃねえか」
「白々しいことを抜かすな。
取り押さえられているのはカズヤの方じゃ。
カズヤは日に日に荒れておる。
マリンフォードにおるときも、稽古とは名ばかりの自傷にも近い喧嘩ばかり。
海軍の名を背負っていなければ、あやつはただの殺戮者じゃ。
貴様以外に誰がカズヤをあそこまで翻弄できる。」
吐き出すガープに、三白眼はますます獰猛に嘲笑った。
「そこまでおれが買われてるとは心外だな。
だが、それだけで中将補佐官殿の荒れた行動がおれのせいとは言い切れねえだろ」
「カズヤは貴様と出会って変わった。
無表情な娘だったのが、よく笑い、よく稽古に励む、前向きな娘になった。
それが。
それが、貴様がここに捕らえられてから前と同じように
いや、前以上に残虐非道な海賊狩りになってしまった。
これ以上はワシも庇いきれん」
「おれにどうしろと?」
「カズヤを解放しろ」
「クハハ。言ったろう。
おれは中将補佐官殿と何の関係もねえ。
何の関係もない囚人に何ができる」
「白をきるならそれまでじゃ。
ワシにはどうにもしきれん。
異動か……最悪カズヤも海軍の命に背いたとして、無実の罪でここに捕らえられるじゃろう」
ガープの怒りの眼差しも、三白眼も揺るがない。
「知ったことじゃねえな」
「それが貴様の答えか」
三白眼は何も答えない。
交渉は決裂した。
静かなインペルダウンlevel6。
コツンコツンとヒールが響く。
黒い小柄な魔女が一点を目指して前へ進む。
「最近荒れているらしいじゃねえか」
「…」
魔女は口を開かない。
「女のくせに、傷だらけだ」
「…」
「ガープの野郎の愚痴に付き合うおれの気持ちも考えやがれ」
「わたしにどうしろと」
「どうもしなくていいさ。
そう言えば…ガープから、中将補佐官殿を解放しろという"お願い"をされたんだが」
「…」
「残念ながら、その"お願いはお断りだ"と言伝を頼む。
おれは一度ほしいと思ったものは手放さない主義なんだ」
「承りました」
魔女は踵を返す。
そのまま永遠に、捕らえておいてやる。
どこにいようと。
何をしていようと。
魔女の心は永遠に解放されない。
はぁ、と海軍本部中将ガープはため息をついた。
ガープの眼前には強固な檻。
その奥には捕らわれて尚、獰猛さを失わない三白眼。
「ふん。海軍にとっちゃあ、何もしねえで海賊を捕らえられたんだ。
若干の不手際はもみ消したんだろう?
しかも七武海の首をてめえの孫が捕らえたんだぜ。
幸運以外の何物でもねえだろ」
乾いた声が檻に響く。
ガープが再度ため息をつく。
「問題なのは捕まったのがクロコダイル、お前だってことじゃ」
「あ?」
「カズヤじゃよ」
獰猛な三白眼がここにきて揺らめく。
「貴様、カズヤに何を吹き込んだ」
「クハハ。なんのことだ。
海賊が海軍本部中将補佐官殿にどんな関係がある」
ガープが苛立ちを露わに檻の奥を睨む。
「先日カズヤは貴様をインペルダウンへ連行しただろう。
あれからじゃ。貴様は気付かんか。
捕縛される海賊の量が日に日に増えていることを」
「level6が上層部のことなんざ知らねえし関係ねえ」
「しかも捕縛される海賊の大半が残虐に痛めつけられ、
完膚なきまでに叩き潰されている」
「ほう」
「連行しているのは必ずカズヤじゃ」
「ふん、てめえの部下が手柄をあげてるんだ。
何を嘆く」
三白眼がニヤリと嘲笑う。
ガープはうつむいた。
「海賊どもは一様に『黒い悪魔にいたぶられた』と証言している。
…カズヤじゃ。
カズヤが海賊をいたぶり、他の者が取り押さえている」
「素晴らしい連携プレーじゃねえか」
「白々しいことを抜かすな。
取り押さえられているのはカズヤの方じゃ。
カズヤは日に日に荒れておる。
マリンフォードにおるときも、稽古とは名ばかりの自傷にも近い喧嘩ばかり。
海軍の名を背負っていなければ、あやつはただの殺戮者じゃ。
貴様以外に誰がカズヤをあそこまで翻弄できる。」
吐き出すガープに、三白眼はますます獰猛に嘲笑った。
「そこまでおれが買われてるとは心外だな。
だが、それだけで中将補佐官殿の荒れた行動がおれのせいとは言い切れねえだろ」
「カズヤは貴様と出会って変わった。
無表情な娘だったのが、よく笑い、よく稽古に励む、前向きな娘になった。
それが。
それが、貴様がここに捕らえられてから前と同じように
いや、前以上に残虐非道な海賊狩りになってしまった。
これ以上はワシも庇いきれん」
「おれにどうしろと?」
「カズヤを解放しろ」
「クハハ。言ったろう。
おれは中将補佐官殿と何の関係もねえ。
何の関係もない囚人に何ができる」
「白をきるならそれまでじゃ。
ワシにはどうにもしきれん。
異動か……最悪カズヤも海軍の命に背いたとして、無実の罪でここに捕らえられるじゃろう」
ガープの怒りの眼差しも、三白眼も揺るがない。
「知ったことじゃねえな」
「それが貴様の答えか」
三白眼は何も答えない。
交渉は決裂した。
静かなインペルダウンlevel6。
コツンコツンとヒールが響く。
黒い小柄な魔女が一点を目指して前へ進む。
「最近荒れているらしいじゃねえか」
「…」
魔女は口を開かない。
「女のくせに、傷だらけだ」
「…」
「ガープの野郎の愚痴に付き合うおれの気持ちも考えやがれ」
「わたしにどうしろと」
「どうもしなくていいさ。
そう言えば…ガープから、中将補佐官殿を解放しろという"お願い"をされたんだが」
「…」
「残念ながら、その"お願いはお断りだ"と言伝を頼む。
おれは一度ほしいと思ったものは手放さない主義なんだ」
「承りました」
魔女は踵を返す。
そのまま永遠に、捕らえておいてやる。
どこにいようと。
何をしていようと。
魔女の心は永遠に解放されない。