with you
お名前をどうぞ、レディ
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午後一の暑い日差しがわたしの執務室に降り注ぐのを、遮光カーテンで何とか対抗する。
毎日日差しと戦う遮光カーテンを心の奥で応援しながら、わたしはいつもどおり黙々と書類を片付けていた。
そして、いつもと違い、いや…ある意味いつもどおりと言うべきか。
クロコダイルはわたしの仕事が終わるのを紫煙をくゆらせながら待っていた。
彼は彼でちゃんと時間つぶし用に書類を抱えていて、黙々と目を通したり
さらさらとサインを書いたりしている。
時折、彼の手や視線を追いながら、本日対応すべき自分の仕事を予定よりも早く終わらせる。
クロコダイルがいると、緊張感からかいつもより仕事がはかどって助かる。
いや、正解はクロコダイルがわたしの執務室にいるために部下たちが来室しなくなるから早く終わってるのだけど。
その事実を認めてしまうと、明日、その分の仕事が襲ってくるという事実にも
目を向けなくてはいけなくなるため、もうしばらく目を背けさせてほしい。
「クロコダイル、お待たせしました」
ようやく終えた仕事から顔をあげる。
クロコダイルも散らかしていた書類を軽くまとめて、ソファから腰を上げる。
わたしが立ち上がるのと同じタイミングで、机を避けてわたしの元へ近づいてくる。
「クロコダイル?訓練に行くのでしょう?」
わたしの疑問を無視して、彼の右手がわたしの頬へ寄せられる。
乾燥した武骨な手はしばし頬を撫でてから、唇に沿うように親指を広げる。
「なあ…このまま永遠に時が止まっちまえばいいと思わねえか?」
「なにをいきなり」
唐突な発言に、首をかしげてしまう。
クロコダイルはもどかしげに続けた。
「カズヤがおれだけを見ている。この状況がおれにとってどれだけ重要か、てめえはわかってるのか?」
本当に、何を言い出すのかと思えば。
クロコダイルこそ、わたしがあなたといられることがどれだけ幸せなことかわかっているのかしら。
「バカね。永遠なんてないのよ」
そう言ってクロコダイルの右手に自分の手を重ねる。
「一緒に歩めることが、重要なのではなくて?」
クロコダイルの手を引いて、そっと身を寄せる。
本当は抱きつきたい衝動に駆られるけど、理性でそっと欲を抑える。
もう少し、強がらせてほしい。
「クハハ。おれとしたことがくだらねえことを言っちまったな」
「歩むのを止めたら老けるわよ」
「老けてるかどうかは、その体にみっちり教え込んでやるよ」
そう言って二人で笑い、部屋を出る。
いつもどおり。
でも昨日とは違う。
きっと今日の訓練はいつもより激しくなるのだろう。
どちらかが老化をほのめかす発言をしたときはいつもそうだから。
さあ、あなたと前に進みましょうか。
それこそが、わたしの望む永遠。
毎日日差しと戦う遮光カーテンを心の奥で応援しながら、わたしはいつもどおり黙々と書類を片付けていた。
そして、いつもと違い、いや…ある意味いつもどおりと言うべきか。
クロコダイルはわたしの仕事が終わるのを紫煙をくゆらせながら待っていた。
彼は彼でちゃんと時間つぶし用に書類を抱えていて、黙々と目を通したり
さらさらとサインを書いたりしている。
時折、彼の手や視線を追いながら、本日対応すべき自分の仕事を予定よりも早く終わらせる。
クロコダイルがいると、緊張感からかいつもより仕事がはかどって助かる。
いや、正解はクロコダイルがわたしの執務室にいるために部下たちが来室しなくなるから早く終わってるのだけど。
その事実を認めてしまうと、明日、その分の仕事が襲ってくるという事実にも
目を向けなくてはいけなくなるため、もうしばらく目を背けさせてほしい。
「クロコダイル、お待たせしました」
ようやく終えた仕事から顔をあげる。
クロコダイルも散らかしていた書類を軽くまとめて、ソファから腰を上げる。
わたしが立ち上がるのと同じタイミングで、机を避けてわたしの元へ近づいてくる。
「クロコダイル?訓練に行くのでしょう?」
わたしの疑問を無視して、彼の右手がわたしの頬へ寄せられる。
乾燥した武骨な手はしばし頬を撫でてから、唇に沿うように親指を広げる。
「なあ…このまま永遠に時が止まっちまえばいいと思わねえか?」
「なにをいきなり」
唐突な発言に、首をかしげてしまう。
クロコダイルはもどかしげに続けた。
「カズヤがおれだけを見ている。この状況がおれにとってどれだけ重要か、てめえはわかってるのか?」
本当に、何を言い出すのかと思えば。
クロコダイルこそ、わたしがあなたといられることがどれだけ幸せなことかわかっているのかしら。
「バカね。永遠なんてないのよ」
そう言ってクロコダイルの右手に自分の手を重ねる。
「一緒に歩めることが、重要なのではなくて?」
クロコダイルの手を引いて、そっと身を寄せる。
本当は抱きつきたい衝動に駆られるけど、理性でそっと欲を抑える。
もう少し、強がらせてほしい。
「クハハ。おれとしたことがくだらねえことを言っちまったな」
「歩むのを止めたら老けるわよ」
「老けてるかどうかは、その体にみっちり教え込んでやるよ」
そう言って二人で笑い、部屋を出る。
いつもどおり。
でも昨日とは違う。
きっと今日の訓練はいつもより激しくなるのだろう。
どちらかが老化をほのめかす発言をしたときはいつもそうだから。
さあ、あなたと前に進みましょうか。
それこそが、わたしの望む永遠。