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お名前をどうぞ、レディ
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やってしまいました。
いい年した大人が熱を出してしまった。
しかも七武海の召集の日に。
まずい。猛烈にまずい。
うぬぼれだと笑われてしまえば、それまでかもしれないのだけれど、
いつも召集には顔を出すわたしが顔を出さなかったらどうなるか。
やつがこの部屋に来る。
誰かって。
あの砂男だ。
間違いなく来る。
召集に顔を出したって来るぐらいなのに。
こんなぐったりした状態では抗議も抵抗もできないのに。
間違いなくやってきて好き放題するに違いない。
ああ、ガープ中将には申し訳ないけど彼を止めておいてもらおうかしら。
いや、意味ないな。
むしろ悪化する。
中将に体調不良を電伝虫で伝える。
一応、中将にはわたしの体調不良を彼に伝えないよう頼んだが、効果は期待できない。
「何寝てやがる」
手遅れでした。
わざわざ迎えにきましたよ。
電伝虫をガチャリと切った直後、わたしのもっとも恐れていたことが起きた。
クロコダイルがわたしのベッドの脇で仁王立ちしている。
もう警戒は何の意味もない。
暇なんですかと問いつめたいが、だるくてそれも無理。
何とか浴衣の胸元を整えて上半身を起こす。
「熱」
「ほう。確かに顔が赤いな」
そう言って、彼はわたしの額に手を当てる。
熱くて、ごつごつした手だ。
「かなり熱があるな。寝ていろ」
断る理由もないのでおとなしく横になる。
汗でべちゃべちゃになった浴衣が気持ち悪い。
クロコダイルはベッドに腰掛ける。
すっと鈎爪が額に当てられた。
「冷たい。気持ちいい」
「油断しすぎだ」
鈎爪が首筋に当てられ、顔面を手の平で鷲掴まれた。
いつもなら暴れて抵抗するところだが、こうだるくてはそうもいかない。
それに、
「この部屋にあなたを入れてしまった時点でわたしはアウト。
いつ、わたしがあなたに殺されても仕方ない」
熱に浮かされながらも答える。
そうなんだ。いつもそうなんだ。
いつ殺されても、いつ犯されても仕方ないんだ。
もう、そういう状況に慣らされて、そういう状況に陥れられてしまったから。
手と鈎爪がゆっくりと離された。
クロコダイルが眉間にしわを寄せてこちらを睨んでいる。
「仕方がない、か」
「構わない、ともいえる」
「てめえは、おれに殺されても構わないと」
「やむを得ない、でも同意。それくらいわたしはあなたに油断してる」
何を言っているのか自分でもわからない。
敬語を使う気力もない。
でも言った内容に間違いはない。
わたしは海賊相手にこんなにも油断してしまっている。
軍人失格だ。
前々から自覚はしていたけど、言葉にはできなかった。
だって海軍本部中将補佐官だもの。
でも今は、ただ熱くて苦しくて、全身が無性にはれぼったい。
クロコダイルが静かに立ち上がった。
「…なんだ」
なんだろう。わたしはクロコダイルのマントを握っていた。
だるくて動けないのに。
今は一人になりたくなくて。
でも、誰でもいいわけじゃないから。
「はあ…。少し待ってろ」
結局クロコダイルはマントを握るわたしの手を優しくほどいて去ってしまった。
そうだよね。
七武海の会議あるもんね。
自分の思考がどんどん幼くなってきている気がする。
熱のせいだろう。
こんな情けない様、部下にもクロコダイルにも見せられないな。
「クロコダイル?」
ぼんやりしていたら、クロコダイルが戻ってきていた。
「もらってきてやった」
クロコダイルの手には桶とタオル、薬に水。
「ふふ」
「何がおかしい」
「クロコダイル、お父さんみたい」
天下の七武海がこんなお父さんみたいな格好でマリンフォード内を歩いていたのかと思うと、
思わず笑みがこぼれる。
「うるせえよ」
クロコダイルは渋い顔をしてタオルを絞り、わたしの額に乗せる。
「会議は?」
「まだ始まらねえよ」
そうか。
会議は13時からか。
今はまだ8時にもなっていないから別にいいのか。
「クロコダイル早く来たのね」
ていうか早すぎでしょう。
会議の5時間以上前って。
「てめえと遊んでやろうかと思ったんだがな。
暇だから面倒みてやる」
「…ありがと」
クロコダイルの眉がわずかに動いた。
いつもは"ご遠慮ください"か"帰ってください"ばかりだから珍しかったのだろう。
「いつもそう大人しくしとけ」
「軍人だから無理」
「ったく。しょうのねえ女だ。
腹は減ってるか」
「ん」
「待ってろ」
意志は伝わったらしい。
クロコダイルは再度部屋を出ていく。
しばらくすると彼はお粥を持ってきた。
食堂で作ってもらったのだろうか。
いったい、七武海の彼が何と言って作ってもらったのやら。
何から何まで申し訳ない。
上体を起こすと、彼はいすに座り、お粥を掬ってわたしに差し出す。
「食え」
「う」
かなり恥ずかしいシチュエーションなのに抵抗する気にもならない。
反抗する元気もなく、もくもくとお粥を食べさせてもらう。
クロコダイルは"小動物か"と笑っていた。
いつも他の人に見せるいやらしい笑顔ではなく
見守るような暖かい眼差し。
お粥を食べ終えると薬を飲んでまた横になる。
食べたせいか薬のせいか一気に眠くなってきた。
「さっさと寝ろ」
「クロコダイルは?」
「ああ?」
「クロコダイル、ご飯は?」
「てめえのと一緒に持ってきた」
確かに机の上にクロコダイルの食事がおかれていた。
…片手でどうやって持ってきたんだろう?
でも、一緒に持ってきたってことは…
「冷めちゃってるよ」
「だろうな」
「ごめんなさい」
またも鈎爪で額をこつんと叩かれる。
「くだらねえこと言ってないで寝ろ」
「あい」
クロコダイルの手が、わたしの手に触れた。
やっぱり、熱くて、ごつごつしていて。
「クロコダイルの手、男の人の手。好きだな」
クロコダイルの返事を聞く前に、今度こそ大人しく眠りにつく。
なんかアホなこと言ってしまった気がするが熱のせいということにして。
本当はそれは本心かもしれないけれど、熱に浮かされたがための世迷い言だから。
わたしは海軍本部中将補佐官だ。
それだけ。
クロコダイルの顔がやけに赤く見えるのも熱のせい。
目が覚めたら13時少し前だった。
「起きたか」
「ええ」
のそのそと起き上がる。
「少しはマシになったか」
「なんとか。なに?」
なぜかニヤニヤするクロコダイルに首をかしげる。
「誘ってんのか?」
「へ?
あっ違っ、寝てたから!!!!」
寝間着にしている浴衣が思いっきりはだけていた。
慌てて胸元を整えるがもはや手遅れだろう。
「うー、この変態」
「おれの前で無防備な様を晒す方が悪い」
「…なんかしたんですか」
「さあな」
クハハ、と笑うクロコダイルに思わず自分の胸元を覗き込む。
それが間違いだった。
「さすがに病に伏せるカズヤに手出しはしねえが…
元気になったなら構わねえな?」
彼は一気に近づいたかと思うと右手でわたしを押し倒し
はずみで再びはだけた胸元に唇を寄せた。
「ちょっ、やめ、痛いです!!!!」
「まあ、こんなもんか」
胸に思いっきりキスマークをつけられてしまった。
「なにがこんなもんですか!!!?
こんなにはっきり痕つけて…」
「クハハ、カズヤは色が白いから目立つなあ。
おれ以外には見せることなんてねえんだから構わねえだろ。」
「構います!!!!ていうかあなたにだって見せません!!!!
…て、もう13時じゃないですか!!!?
会議行ってらしてください。
そのために来たのでしょう?」
「…てめえはもう少し情緒のあること言えねえのか。
まあいい。飯と薬はそこにあるからちゃんと食え。
……行ってくる」
「…んもう。行ってらっしゃい」
帰ってくんな、の一言をなんとか飲み込みクロコダイルを見送る。
あのエロ鰐。
胸元の痕がむずがゆい。
いや、気にしちゃダメだ。
ご飯食べよう。
食べて寝て、体調を戻そう。
結局クロコダイルは会議の後にわたしの部屋に戻り夕方まで看病していたらしい。
わたしはと言えばそんなこと露も知らずに爆睡して
起きたらキスマークが増えていて発狂したのは夜の話。
いい年した大人が熱を出してしまった。
しかも七武海の召集の日に。
まずい。猛烈にまずい。
うぬぼれだと笑われてしまえば、それまでかもしれないのだけれど、
いつも召集には顔を出すわたしが顔を出さなかったらどうなるか。
やつがこの部屋に来る。
誰かって。
あの砂男だ。
間違いなく来る。
召集に顔を出したって来るぐらいなのに。
こんなぐったりした状態では抗議も抵抗もできないのに。
間違いなくやってきて好き放題するに違いない。
ああ、ガープ中将には申し訳ないけど彼を止めておいてもらおうかしら。
いや、意味ないな。
むしろ悪化する。
中将に体調不良を電伝虫で伝える。
一応、中将にはわたしの体調不良を彼に伝えないよう頼んだが、効果は期待できない。
「何寝てやがる」
手遅れでした。
わざわざ迎えにきましたよ。
電伝虫をガチャリと切った直後、わたしのもっとも恐れていたことが起きた。
クロコダイルがわたしのベッドの脇で仁王立ちしている。
もう警戒は何の意味もない。
暇なんですかと問いつめたいが、だるくてそれも無理。
何とか浴衣の胸元を整えて上半身を起こす。
「熱」
「ほう。確かに顔が赤いな」
そう言って、彼はわたしの額に手を当てる。
熱くて、ごつごつした手だ。
「かなり熱があるな。寝ていろ」
断る理由もないのでおとなしく横になる。
汗でべちゃべちゃになった浴衣が気持ち悪い。
クロコダイルはベッドに腰掛ける。
すっと鈎爪が額に当てられた。
「冷たい。気持ちいい」
「油断しすぎだ」
鈎爪が首筋に当てられ、顔面を手の平で鷲掴まれた。
いつもなら暴れて抵抗するところだが、こうだるくてはそうもいかない。
それに、
「この部屋にあなたを入れてしまった時点でわたしはアウト。
いつ、わたしがあなたに殺されても仕方ない」
熱に浮かされながらも答える。
そうなんだ。いつもそうなんだ。
いつ殺されても、いつ犯されても仕方ないんだ。
もう、そういう状況に慣らされて、そういう状況に陥れられてしまったから。
手と鈎爪がゆっくりと離された。
クロコダイルが眉間にしわを寄せてこちらを睨んでいる。
「仕方がない、か」
「構わない、ともいえる」
「てめえは、おれに殺されても構わないと」
「やむを得ない、でも同意。それくらいわたしはあなたに油断してる」
何を言っているのか自分でもわからない。
敬語を使う気力もない。
でも言った内容に間違いはない。
わたしは海賊相手にこんなにも油断してしまっている。
軍人失格だ。
前々から自覚はしていたけど、言葉にはできなかった。
だって海軍本部中将補佐官だもの。
でも今は、ただ熱くて苦しくて、全身が無性にはれぼったい。
クロコダイルが静かに立ち上がった。
「…なんだ」
なんだろう。わたしはクロコダイルのマントを握っていた。
だるくて動けないのに。
今は一人になりたくなくて。
でも、誰でもいいわけじゃないから。
「はあ…。少し待ってろ」
結局クロコダイルはマントを握るわたしの手を優しくほどいて去ってしまった。
そうだよね。
七武海の会議あるもんね。
自分の思考がどんどん幼くなってきている気がする。
熱のせいだろう。
こんな情けない様、部下にもクロコダイルにも見せられないな。
「クロコダイル?」
ぼんやりしていたら、クロコダイルが戻ってきていた。
「もらってきてやった」
クロコダイルの手には桶とタオル、薬に水。
「ふふ」
「何がおかしい」
「クロコダイル、お父さんみたい」
天下の七武海がこんなお父さんみたいな格好でマリンフォード内を歩いていたのかと思うと、
思わず笑みがこぼれる。
「うるせえよ」
クロコダイルは渋い顔をしてタオルを絞り、わたしの額に乗せる。
「会議は?」
「まだ始まらねえよ」
そうか。
会議は13時からか。
今はまだ8時にもなっていないから別にいいのか。
「クロコダイル早く来たのね」
ていうか早すぎでしょう。
会議の5時間以上前って。
「てめえと遊んでやろうかと思ったんだがな。
暇だから面倒みてやる」
「…ありがと」
クロコダイルの眉がわずかに動いた。
いつもは"ご遠慮ください"か"帰ってください"ばかりだから珍しかったのだろう。
「いつもそう大人しくしとけ」
「軍人だから無理」
「ったく。しょうのねえ女だ。
腹は減ってるか」
「ん」
「待ってろ」
意志は伝わったらしい。
クロコダイルは再度部屋を出ていく。
しばらくすると彼はお粥を持ってきた。
食堂で作ってもらったのだろうか。
いったい、七武海の彼が何と言って作ってもらったのやら。
何から何まで申し訳ない。
上体を起こすと、彼はいすに座り、お粥を掬ってわたしに差し出す。
「食え」
「う」
かなり恥ずかしいシチュエーションなのに抵抗する気にもならない。
反抗する元気もなく、もくもくとお粥を食べさせてもらう。
クロコダイルは"小動物か"と笑っていた。
いつも他の人に見せるいやらしい笑顔ではなく
見守るような暖かい眼差し。
お粥を食べ終えると薬を飲んでまた横になる。
食べたせいか薬のせいか一気に眠くなってきた。
「さっさと寝ろ」
「クロコダイルは?」
「ああ?」
「クロコダイル、ご飯は?」
「てめえのと一緒に持ってきた」
確かに机の上にクロコダイルの食事がおかれていた。
…片手でどうやって持ってきたんだろう?
でも、一緒に持ってきたってことは…
「冷めちゃってるよ」
「だろうな」
「ごめんなさい」
またも鈎爪で額をこつんと叩かれる。
「くだらねえこと言ってないで寝ろ」
「あい」
クロコダイルの手が、わたしの手に触れた。
やっぱり、熱くて、ごつごつしていて。
「クロコダイルの手、男の人の手。好きだな」
クロコダイルの返事を聞く前に、今度こそ大人しく眠りにつく。
なんかアホなこと言ってしまった気がするが熱のせいということにして。
本当はそれは本心かもしれないけれど、熱に浮かされたがための世迷い言だから。
わたしは海軍本部中将補佐官だ。
それだけ。
クロコダイルの顔がやけに赤く見えるのも熱のせい。
目が覚めたら13時少し前だった。
「起きたか」
「ええ」
のそのそと起き上がる。
「少しはマシになったか」
「なんとか。なに?」
なぜかニヤニヤするクロコダイルに首をかしげる。
「誘ってんのか?」
「へ?
あっ違っ、寝てたから!!!!」
寝間着にしている浴衣が思いっきりはだけていた。
慌てて胸元を整えるがもはや手遅れだろう。
「うー、この変態」
「おれの前で無防備な様を晒す方が悪い」
「…なんかしたんですか」
「さあな」
クハハ、と笑うクロコダイルに思わず自分の胸元を覗き込む。
それが間違いだった。
「さすがに病に伏せるカズヤに手出しはしねえが…
元気になったなら構わねえな?」
彼は一気に近づいたかと思うと右手でわたしを押し倒し
はずみで再びはだけた胸元に唇を寄せた。
「ちょっ、やめ、痛いです!!!!」
「まあ、こんなもんか」
胸に思いっきりキスマークをつけられてしまった。
「なにがこんなもんですか!!!?
こんなにはっきり痕つけて…」
「クハハ、カズヤは色が白いから目立つなあ。
おれ以外には見せることなんてねえんだから構わねえだろ。」
「構います!!!!ていうかあなたにだって見せません!!!!
…て、もう13時じゃないですか!!!?
会議行ってらしてください。
そのために来たのでしょう?」
「…てめえはもう少し情緒のあること言えねえのか。
まあいい。飯と薬はそこにあるからちゃんと食え。
……行ってくる」
「…んもう。行ってらっしゃい」
帰ってくんな、の一言をなんとか飲み込みクロコダイルを見送る。
あのエロ鰐。
胸元の痕がむずがゆい。
いや、気にしちゃダメだ。
ご飯食べよう。
食べて寝て、体調を戻そう。
結局クロコダイルは会議の後にわたしの部屋に戻り夕方まで看病していたらしい。
わたしはと言えばそんなこと露も知らずに爆睡して
起きたらキスマークが増えていて発狂したのは夜の話。