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お名前をどうぞ、レディ
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ざあざあと雨の降るマリンフォード
静かな執務室から聞こえる浅い息
「はあ……
ふう…
っつ……
だっる!!」
「元気じゃねえか…」
なんの色気もなくわたしの執務室でわたしとクロコダイルはへばっていた。
悪魔の力で雨に弱いクロコダイルと、気圧の変化に弱いわたしがどしゃぶりの雨に勝てるはずもなく、
二人で仲良くぐったりしていた。
クロコダイルにいたっては三人はかけられる広いソファを一人で占拠してうつ伏せに倒れこんでいる。
わたしもだるいし頭は痛いしでクロコダイルの隣のソファに浅くかけてのびていた。
「雨、見るだけなら好きなんだけどね…
こう頭が痛くてはどうしようもないわねー」
「おれよりか」
「アホなのかしら…」
うつ伏せているせいか、湿度のせいか、クロコダイルが短くうなる。
「くそ…雨なんざ…
すべて枯らしてくれる…」
「水太りするわよ」
「てめえ…おれが雨なんぞに負けると思のか」
「自然系にも限界があるわよ」
「砂に限界はねえ」
「帰ったらいいと思うのだけど」
こうしててもしかたない。
かと言ってクロコダイルを放置するとすねるので、
デスクから仕事の山をソファの前のローテーブルに移動する。
そしてクロコダイルにもたれかかる体勢で仕事を始めた。
「てめえ…おれを背もたれにするたあ……いい度胸だ」
「だって離れるとすねるじゃない」
「可愛げがたりねえ」
「クロコダイルが近い方が嬉しいので、ここで仕事をします」
「好きにしやがれ」
「相変わらずちょろいわね…」
クロコダイルの右手が伸びてきてわたしの頭をわしゃわしゃとなでた。
反論の言葉が見つからないのか、柄にもなく照れたのか。
「カズヤ、てめえアラバスタにこい」
「仕事以外じゃ行かないわよ」
「嫁にこい」
「雑なプロポーズだこと」
「おれの理想が叶ったときに、隣にいるのはてめえ以外考えられねえ」
「ロマンチックなプロポーズだこと」
「いやか」
「いいえ。喜ばしいわ。
でもあなたの理想とやらは少しばかりきな臭いわね」
「何を知ってやがる」
「何も」
クロコダイルはわたしの頭をなでていた手を止めて、顔をゆっくりとこちらに向ける。
困惑か怒りか、いかんともしがたい顔だ。
100%何も知らないと言ったら嘘になるけど…
でも全容を知っているわけでもない。
彼がこれほどの反応を見せるくらいだから、十中八九ロクなことじゃない。
「スモーカー君からの報告書レベルのことしか知らないわ。
あとは…そうね。
女の勘」
「……そうか」
あくまで部下から上がってくる報告書と勘、新聞レベル。でもそれなりの事は察せる。
たとえば、とある国の香水で有名な街が近年稀に見る深刻な水不足だとか。
たとえば、ある一地方だけやけに砂あらしが多いとか、ね。
「それで?てめえはどうする?」
「どうしようかしらね。
決めてないわ」
「もし、おれが…
いや、なんでもねえ」
「そ」
それきりクロコダイルは黙り込んで、わたしの頭をなでるのを再開する。
ねえ、クロコダイル。
あなたがもし投獄されるような事があれば。
わたしは看守と海賊、どちらに転職したらいいのかしらね。
静かな執務室から聞こえる浅い息
「はあ……
ふう…
っつ……
だっる!!」
「元気じゃねえか…」
なんの色気もなくわたしの執務室でわたしとクロコダイルはへばっていた。
悪魔の力で雨に弱いクロコダイルと、気圧の変化に弱いわたしがどしゃぶりの雨に勝てるはずもなく、
二人で仲良くぐったりしていた。
クロコダイルにいたっては三人はかけられる広いソファを一人で占拠してうつ伏せに倒れこんでいる。
わたしもだるいし頭は痛いしでクロコダイルの隣のソファに浅くかけてのびていた。
「雨、見るだけなら好きなんだけどね…
こう頭が痛くてはどうしようもないわねー」
「おれよりか」
「アホなのかしら…」
うつ伏せているせいか、湿度のせいか、クロコダイルが短くうなる。
「くそ…雨なんざ…
すべて枯らしてくれる…」
「水太りするわよ」
「てめえ…おれが雨なんぞに負けると思のか」
「自然系にも限界があるわよ」
「砂に限界はねえ」
「帰ったらいいと思うのだけど」
こうしててもしかたない。
かと言ってクロコダイルを放置するとすねるので、
デスクから仕事の山をソファの前のローテーブルに移動する。
そしてクロコダイルにもたれかかる体勢で仕事を始めた。
「てめえ…おれを背もたれにするたあ……いい度胸だ」
「だって離れるとすねるじゃない」
「可愛げがたりねえ」
「クロコダイルが近い方が嬉しいので、ここで仕事をします」
「好きにしやがれ」
「相変わらずちょろいわね…」
クロコダイルの右手が伸びてきてわたしの頭をわしゃわしゃとなでた。
反論の言葉が見つからないのか、柄にもなく照れたのか。
「カズヤ、てめえアラバスタにこい」
「仕事以外じゃ行かないわよ」
「嫁にこい」
「雑なプロポーズだこと」
「おれの理想が叶ったときに、隣にいるのはてめえ以外考えられねえ」
「ロマンチックなプロポーズだこと」
「いやか」
「いいえ。喜ばしいわ。
でもあなたの理想とやらは少しばかりきな臭いわね」
「何を知ってやがる」
「何も」
クロコダイルはわたしの頭をなでていた手を止めて、顔をゆっくりとこちらに向ける。
困惑か怒りか、いかんともしがたい顔だ。
100%何も知らないと言ったら嘘になるけど…
でも全容を知っているわけでもない。
彼がこれほどの反応を見せるくらいだから、十中八九ロクなことじゃない。
「スモーカー君からの報告書レベルのことしか知らないわ。
あとは…そうね。
女の勘」
「……そうか」
あくまで部下から上がってくる報告書と勘、新聞レベル。でもそれなりの事は察せる。
たとえば、とある国の香水で有名な街が近年稀に見る深刻な水不足だとか。
たとえば、ある一地方だけやけに砂あらしが多いとか、ね。
「それで?てめえはどうする?」
「どうしようかしらね。
決めてないわ」
「もし、おれが…
いや、なんでもねえ」
「そ」
それきりクロコダイルは黙り込んで、わたしの頭をなでるのを再開する。
ねえ、クロコダイル。
あなたがもし投獄されるような事があれば。
わたしは看守と海賊、どちらに転職したらいいのかしらね。