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お名前をどうぞ、レディ
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「おい、何だ。その格好は」
風呂上がり、部屋に戻るとクロコダイルがソファでくつろいでいた。
…何女子の部屋に勝手に入ってくつろいでんのよ。
ていうか、風呂に入るから鍵をかけておいたはずなのに。
隙間から入り込んだのね。
「浴衣よ。勝手に鍵のかかった部屋に入らないでちょうだい」
「ユカタ?なんだそれは」
わたしの発言は無視か。
見慣れないであろう浴衣をしげしげと眺めている。
「ワノクニの民族衣装よ。部屋着にしているの」
「ほう。……ちょっと後ろ向け」
素直に後ろを向くと、彼は近付いてきてまたもやしげしげと眺めている。
あまり人前で見せる格好でもないので少し恥ずかしい。
クロコダイルの前ではいつも黒スーツで髪を下ろしているが、
今はアップにしてまとめているから、余計に。
「もういいかしら?」
首をひねってクロコダイルを見上げる。
なぜかクロコダイルが驚いたような顔をしていた。
「どうしたの?」
「おい、その格好で出歩くなよ」
「出歩かないわよ。部屋にお風呂ついてるし。でも何故?」
クロコダイルはわたしの前に回る。
今度は前からわたしを眺めている。
表情は何故か真剣だ。
相変わらず返事は無いし…
「……絶対に出歩くなよ」
「出歩きませんよ」
すっとクロコダイルの手がわたしの右頬に伸びる。
「てめえは、何回おれを落とせば気が済むんだ?」
「何のことかしら?」
ますます意味がわからない。
クロコダイルはまた後ろに回る。
「おい」
「だから何よ」
振り返り、クロコダイルを見上げる。
何故かクロコダイルは満足げに頷いている。
しかし何も言わない。
「んもう。何な…うぶ」
クロコダイルに向き直ったらいきなり抱きしめられた。
苦しい。
クロコダイルの胸が、やけにうるさい。
「これは、やべえ」
抗議したいが強く抱きしめられていて声が出せない。
やべえのはこっちですよ。
クロコダイルの胸がうるさいのがわたしに伝わっているように
クロコダイルにもわたしの胸の音が伝わっているのだろうか。
「ぷはっ…」
やっと体が解放された。
何故かクロコダイルは気まずいような、照れたような
何とも言いがたい顔をしている。
とりあえず手に持ったままだったスーツやタオルを片づける。
クロコダイルは突っ立ったままだ。
クロコダイルの正面に立って、彼を見上げる。
「どうされたんです。変ですよ?
え?」
グイッと手を引かれる。
クロコダイルはドカッとソファに腰を下ろし、その上にわたしを座らせた。
「いいか」
「良くないですが」
「絶対に、絶対に、その格好でこの部屋以外を出歩くな。
あと、誰が来てもあげるなよ。絶対にだ」
「出歩きませんて。それに夜と朝しか着ないから誰もここに来ないですよ」
何故か異常に真剣に諭される。
彼の足に座らされているせいで異常に近いし。
何が彼をここまで真剣にさせるんだ。
目が血走ってますよ。
「おれ以外の生き物にその格好を見せるな」
は?
生き物?
人間以外にも?
クロコダイルの残念な発言に、なんて返したら良いかわからない。
「クロコダイル…」
「おれ以外に見せたら、アラバスタに持ち帰るからな」
「お持ち帰り禁止です」
「それならおれ以外の生き物にユカタ姿を見せるな」
「はいはい、わかりましたよ」
とりあえず肯定する。
実際見せる機会もないしかまわないし。
「クロコダイル?」
クロコダイルに凝視されている。
近距離で。
近い近い。
「おい、横向け」
黙って従う。
すっと、クロコダイルの指がわたしの首筋をつたう。
「意外と体温高いんですね」
「てめえほどじゃねえさ」
「もしかして、クロコダイル。緊張しているんですか?」
クロコダイルが眉をぴくりと動かす。
どうやら図星だったようだ。
「ああ。こんな格好されちゃあな」
「ただの浴衣じゃないですか」
「見慣れねえ」
「もう、30分以上見てますよ」
「見慣れねえ」
はいはい。
また、クロコダイルに抱きしめられた。
ああ、やっぱり緊張してる。
彼がドキドキしているのが伝わってくる。
「緊張してんのはカズヤもじゃねえか」
「ばれましたか。クロコダイルが近いから」
体が離され、額に軽く唇が降ってくる。
もう、セクハラだと抗議しても無駄なのがわかっているから何も言わない。
おとなしく、されるがままになっている。
「カズヤが風呂から上がるのはいつも同じ時間か」
「いえ、毎日違いますね。稽古次第です」
「そうか。なら明日はおれが稽古につきあってやる。
その後また来る」
「ご遠慮願います」
「今日はこれくらいで我慢してやるから、早く寝ろよ。
ああ、明日の朝は起こしに来るからな。
7時くらいで構わねえか」
「ご遠慮願います」
「また明日な」
わたしの答えをすべて無視して彼はわたしを強く抱きしめた後にソファに下ろす。
今度はちゃんと扉を開けて出ていった。
…何しにきたんだ本当…。
もういっそのこと扉の隙間に海楼石でも仕込んでやろうかしら。
しないんだけどね。そんなこと。
明日の朝を楽しみにする自分を無視して布団に潜る。
おやすみなさい、クロコダイル。
また明日。
ちなみにクロコダイルは翌朝6時にわたしの部屋に来たらしい。
らしいというのは、彼は6時に来て爆睡するわたしを1時間眺めてから起こしたということを
朝食の席で聞いたからだ。
やっぱりセクハラだ。
風呂上がり、部屋に戻るとクロコダイルがソファでくつろいでいた。
…何女子の部屋に勝手に入ってくつろいでんのよ。
ていうか、風呂に入るから鍵をかけておいたはずなのに。
隙間から入り込んだのね。
「浴衣よ。勝手に鍵のかかった部屋に入らないでちょうだい」
「ユカタ?なんだそれは」
わたしの発言は無視か。
見慣れないであろう浴衣をしげしげと眺めている。
「ワノクニの民族衣装よ。部屋着にしているの」
「ほう。……ちょっと後ろ向け」
素直に後ろを向くと、彼は近付いてきてまたもやしげしげと眺めている。
あまり人前で見せる格好でもないので少し恥ずかしい。
クロコダイルの前ではいつも黒スーツで髪を下ろしているが、
今はアップにしてまとめているから、余計に。
「もういいかしら?」
首をひねってクロコダイルを見上げる。
なぜかクロコダイルが驚いたような顔をしていた。
「どうしたの?」
「おい、その格好で出歩くなよ」
「出歩かないわよ。部屋にお風呂ついてるし。でも何故?」
クロコダイルはわたしの前に回る。
今度は前からわたしを眺めている。
表情は何故か真剣だ。
相変わらず返事は無いし…
「……絶対に出歩くなよ」
「出歩きませんよ」
すっとクロコダイルの手がわたしの右頬に伸びる。
「てめえは、何回おれを落とせば気が済むんだ?」
「何のことかしら?」
ますます意味がわからない。
クロコダイルはまた後ろに回る。
「おい」
「だから何よ」
振り返り、クロコダイルを見上げる。
何故かクロコダイルは満足げに頷いている。
しかし何も言わない。
「んもう。何な…うぶ」
クロコダイルに向き直ったらいきなり抱きしめられた。
苦しい。
クロコダイルの胸が、やけにうるさい。
「これは、やべえ」
抗議したいが強く抱きしめられていて声が出せない。
やべえのはこっちですよ。
クロコダイルの胸がうるさいのがわたしに伝わっているように
クロコダイルにもわたしの胸の音が伝わっているのだろうか。
「ぷはっ…」
やっと体が解放された。
何故かクロコダイルは気まずいような、照れたような
何とも言いがたい顔をしている。
とりあえず手に持ったままだったスーツやタオルを片づける。
クロコダイルは突っ立ったままだ。
クロコダイルの正面に立って、彼を見上げる。
「どうされたんです。変ですよ?
え?」
グイッと手を引かれる。
クロコダイルはドカッとソファに腰を下ろし、その上にわたしを座らせた。
「いいか」
「良くないですが」
「絶対に、絶対に、その格好でこの部屋以外を出歩くな。
あと、誰が来てもあげるなよ。絶対にだ」
「出歩きませんて。それに夜と朝しか着ないから誰もここに来ないですよ」
何故か異常に真剣に諭される。
彼の足に座らされているせいで異常に近いし。
何が彼をここまで真剣にさせるんだ。
目が血走ってますよ。
「おれ以外の生き物にその格好を見せるな」
は?
生き物?
人間以外にも?
クロコダイルの残念な発言に、なんて返したら良いかわからない。
「クロコダイル…」
「おれ以外に見せたら、アラバスタに持ち帰るからな」
「お持ち帰り禁止です」
「それならおれ以外の生き物にユカタ姿を見せるな」
「はいはい、わかりましたよ」
とりあえず肯定する。
実際見せる機会もないしかまわないし。
「クロコダイル?」
クロコダイルに凝視されている。
近距離で。
近い近い。
「おい、横向け」
黙って従う。
すっと、クロコダイルの指がわたしの首筋をつたう。
「意外と体温高いんですね」
「てめえほどじゃねえさ」
「もしかして、クロコダイル。緊張しているんですか?」
クロコダイルが眉をぴくりと動かす。
どうやら図星だったようだ。
「ああ。こんな格好されちゃあな」
「ただの浴衣じゃないですか」
「見慣れねえ」
「もう、30分以上見てますよ」
「見慣れねえ」
はいはい。
また、クロコダイルに抱きしめられた。
ああ、やっぱり緊張してる。
彼がドキドキしているのが伝わってくる。
「緊張してんのはカズヤもじゃねえか」
「ばれましたか。クロコダイルが近いから」
体が離され、額に軽く唇が降ってくる。
もう、セクハラだと抗議しても無駄なのがわかっているから何も言わない。
おとなしく、されるがままになっている。
「カズヤが風呂から上がるのはいつも同じ時間か」
「いえ、毎日違いますね。稽古次第です」
「そうか。なら明日はおれが稽古につきあってやる。
その後また来る」
「ご遠慮願います」
「今日はこれくらいで我慢してやるから、早く寝ろよ。
ああ、明日の朝は起こしに来るからな。
7時くらいで構わねえか」
「ご遠慮願います」
「また明日な」
わたしの答えをすべて無視して彼はわたしを強く抱きしめた後にソファに下ろす。
今度はちゃんと扉を開けて出ていった。
…何しにきたんだ本当…。
もういっそのこと扉の隙間に海楼石でも仕込んでやろうかしら。
しないんだけどね。そんなこと。
明日の朝を楽しみにする自分を無視して布団に潜る。
おやすみなさい、クロコダイル。
また明日。
ちなみにクロコダイルは翌朝6時にわたしの部屋に来たらしい。
らしいというのは、彼は6時に来て爆睡するわたしを1時間眺めてから起こしたということを
朝食の席で聞いたからだ。
やっぱりセクハラだ。