with you
お名前をどうぞ、レディ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
七武会との会議終了後、わたしとクロコダイルはいつも通りわたしの執務室へ向かっていた。
ふと目の前に女性軍人が数名現れる。
「?」
「あ、あの、クロコダイル様!」
「よろしければこの後わたくしたちとお茶していただけませんか?」
「少しでいいんです」
「ぜひお願いします」
「…」
クロコダイルは女性に人気がある。
二人で廊下を歩けば羨望と嫉妬の眼差しにさらされ、クロコダイル一人で歩けばひっきりなしに女性から話しかけられているのを見かける。
今回話しかけてきた彼女らも多数いるクロコダイルファンなのだろう。
廊下を見渡せば女性軍人に囲まれてるし。
「いつもカズヤ様と二人なんてずるいですわ」
「わたくしたちもクロコダイル様とご一緒させてください」
この場合わたしは邪魔だからさりげなく消えた方がいいだろう。
クロコダイルは無言で彼女らを見回している。
外面のいいクロコダイルだ。
きっと彼女らに付き合うにちがいない。
「クロコダイル、行ってらっしゃいませ。
わたしは会議の議事録をまとめなくてはいけないので遠慮します」
言いながらクロコダイルと距離を取る。
その瞬間彼女らの瞳が嬉しげにきらめいた。
やっぱりね。
なんとなく面白くないけど仕方ない。
いつもわたしが一人でクロコダイルを占有しているのは彼女らの言うとおりだ。
それがずるいのか何なのかはわからないけど。
「では参りましょう、クロコダイル様」
「こちらですわ」
喜んだ彼女らはクロコダイルの両腕にそれぞれ腕をからめ歩き出そうとする。
「…」
しかしクロコダイルは動かない。
どうしたのだろう。
顔を見ると眉間にシワを寄せつつも口角は上がっている。
機嫌を損ねているの?
それともなにか喜んでいる?
「クロコダイル様?」
「誘いはありがたいが、おれは遠慮する」
出た。
クロコダイルの嘘くさい笑顔と上っ面だけの喋り方。
英雄の皮を被っている。
「なぜですの?なにか用事でもお有り?」
「ああ、カズヤと先約があるんでな。お茶はまたの機会とさせてもらおう」
?
約束なんて…
あれかな。いつもの議事録書き終わったら手合わせのことかしら?
そんな約束とも言えないようなことなんて気にしなくていいのに。
「クロコダイル、わたしのことだったら気にしなくてかまわないわよ?」
そう言った瞬間鉤爪を首に引っ掛けられ引き寄せられた。
「クハハ、そいつは出来ねえ相談だな。
とにかくおれはカズヤを優先する。
失礼させてもらおう」
「ちょ、苦し…」
クロコダイルはわたしを小脇に抱えると、例の嘘くさい笑顔を彼女らに振りまき、その場を後にした。
そしてわたしの執務室へ連行され、ソファへ放り出された。
「なにするんですか…」
「カズヤ。てめえはおれがあの女どもと行っちまえばいいと本気で思ったのか」
クロコダイルはわたしの隣に腰掛けわたしを抱き寄せた。
「まあ、彼女らの言うとおりわたしばかりいつもあなたと一緒にいるのは、あなたのファンに悪い気がして…。
だからたまにはいいかなって思ったのだけど」
「けど、か。まあいい。その嫉妬に免じて許してやる」
「嫉妬なんて!」
「してねえ、と言い切れるのか?」
悔しいながら、まったく嫉妬してないなんて言い切れない自分がいる。
クロコダイルがマリンフォードにくるときは必ず一緒にいるのに。
たまに他の女の子と一緒に過ごすことすら許せないなんて。
なんて狭量。
「クハハ、そう考え込むな。
カズヤがそうやって嫉妬したことはおれにとっちゃあ嬉しいことだ」
クロコダイルにわしわしと頭をなでられた。
子供扱いされているようで面白くないが、反論のしようもない。
「だが、おれを一人であの女どもと過ごさせようとしたのはいただけねえな」
くいと、顎を引き上げられる。
金色の瞳に射抜かれる。
「だ、だって、あの状況でわたしがいたら彼女たちは嫌がるかなって思ったのだもの」
「てめえはおれの気持ちよりもあの女どもの気持ちを優先させるのか?」
「そういうわけじゃないけど」
「じゃあ、あんなくだらねえこと言うんじゃねえよ。
おれの最優先はカズヤなんだ。そのためにここにきてるんだ」
「…ごめんなさい」
「ふん。わかりゃあいいんだ」
クロコダイルはわたしの額に口付ける。
恥ずかしいのと嬉しいのと申し訳ないのとで頭の中がごちゃごちゃだ。
「カズヤ、てめえはもう少しおれに対して欲張れ」
「どういうこと?」
「おれの最優先がカズヤであることを自覚しろってことだ」
「…恥ずかしい…」
ふにっと頬をつねられた。
クロコダイルはわたしのマヌケな顔を見て微笑む。
「らにするんれすか」
「クク、なにを言ってるかわからねえな」
「はらしれくらさいー!」
「これはさっきのくだらねえ発言の罰だ。しばらくこうしてろ」
「いやれす!はらしれ!」
彼にとってわたしは特別だと自惚れてしまってもいいのだろうか。
彼がわたしを最優先だという言葉を信じてしまっていいのだろうか。
それならわたしの最優先は…
ふと目の前に女性軍人が数名現れる。
「?」
「あ、あの、クロコダイル様!」
「よろしければこの後わたくしたちとお茶していただけませんか?」
「少しでいいんです」
「ぜひお願いします」
「…」
クロコダイルは女性に人気がある。
二人で廊下を歩けば羨望と嫉妬の眼差しにさらされ、クロコダイル一人で歩けばひっきりなしに女性から話しかけられているのを見かける。
今回話しかけてきた彼女らも多数いるクロコダイルファンなのだろう。
廊下を見渡せば女性軍人に囲まれてるし。
「いつもカズヤ様と二人なんてずるいですわ」
「わたくしたちもクロコダイル様とご一緒させてください」
この場合わたしは邪魔だからさりげなく消えた方がいいだろう。
クロコダイルは無言で彼女らを見回している。
外面のいいクロコダイルだ。
きっと彼女らに付き合うにちがいない。
「クロコダイル、行ってらっしゃいませ。
わたしは会議の議事録をまとめなくてはいけないので遠慮します」
言いながらクロコダイルと距離を取る。
その瞬間彼女らの瞳が嬉しげにきらめいた。
やっぱりね。
なんとなく面白くないけど仕方ない。
いつもわたしが一人でクロコダイルを占有しているのは彼女らの言うとおりだ。
それがずるいのか何なのかはわからないけど。
「では参りましょう、クロコダイル様」
「こちらですわ」
喜んだ彼女らはクロコダイルの両腕にそれぞれ腕をからめ歩き出そうとする。
「…」
しかしクロコダイルは動かない。
どうしたのだろう。
顔を見ると眉間にシワを寄せつつも口角は上がっている。
機嫌を損ねているの?
それともなにか喜んでいる?
「クロコダイル様?」
「誘いはありがたいが、おれは遠慮する」
出た。
クロコダイルの嘘くさい笑顔と上っ面だけの喋り方。
英雄の皮を被っている。
「なぜですの?なにか用事でもお有り?」
「ああ、カズヤと先約があるんでな。お茶はまたの機会とさせてもらおう」
?
約束なんて…
あれかな。いつもの議事録書き終わったら手合わせのことかしら?
そんな約束とも言えないようなことなんて気にしなくていいのに。
「クロコダイル、わたしのことだったら気にしなくてかまわないわよ?」
そう言った瞬間鉤爪を首に引っ掛けられ引き寄せられた。
「クハハ、そいつは出来ねえ相談だな。
とにかくおれはカズヤを優先する。
失礼させてもらおう」
「ちょ、苦し…」
クロコダイルはわたしを小脇に抱えると、例の嘘くさい笑顔を彼女らに振りまき、その場を後にした。
そしてわたしの執務室へ連行され、ソファへ放り出された。
「なにするんですか…」
「カズヤ。てめえはおれがあの女どもと行っちまえばいいと本気で思ったのか」
クロコダイルはわたしの隣に腰掛けわたしを抱き寄せた。
「まあ、彼女らの言うとおりわたしばかりいつもあなたと一緒にいるのは、あなたのファンに悪い気がして…。
だからたまにはいいかなって思ったのだけど」
「けど、か。まあいい。その嫉妬に免じて許してやる」
「嫉妬なんて!」
「してねえ、と言い切れるのか?」
悔しいながら、まったく嫉妬してないなんて言い切れない自分がいる。
クロコダイルがマリンフォードにくるときは必ず一緒にいるのに。
たまに他の女の子と一緒に過ごすことすら許せないなんて。
なんて狭量。
「クハハ、そう考え込むな。
カズヤがそうやって嫉妬したことはおれにとっちゃあ嬉しいことだ」
クロコダイルにわしわしと頭をなでられた。
子供扱いされているようで面白くないが、反論のしようもない。
「だが、おれを一人であの女どもと過ごさせようとしたのはいただけねえな」
くいと、顎を引き上げられる。
金色の瞳に射抜かれる。
「だ、だって、あの状況でわたしがいたら彼女たちは嫌がるかなって思ったのだもの」
「てめえはおれの気持ちよりもあの女どもの気持ちを優先させるのか?」
「そういうわけじゃないけど」
「じゃあ、あんなくだらねえこと言うんじゃねえよ。
おれの最優先はカズヤなんだ。そのためにここにきてるんだ」
「…ごめんなさい」
「ふん。わかりゃあいいんだ」
クロコダイルはわたしの額に口付ける。
恥ずかしいのと嬉しいのと申し訳ないのとで頭の中がごちゃごちゃだ。
「カズヤ、てめえはもう少しおれに対して欲張れ」
「どういうこと?」
「おれの最優先がカズヤであることを自覚しろってことだ」
「…恥ずかしい…」
ふにっと頬をつねられた。
クロコダイルはわたしのマヌケな顔を見て微笑む。
「らにするんれすか」
「クク、なにを言ってるかわからねえな」
「はらしれくらさいー!」
「これはさっきのくだらねえ発言の罰だ。しばらくこうしてろ」
「いやれす!はらしれ!」
彼にとってわたしは特別だと自惚れてしまってもいいのだろうか。
彼がわたしを最優先だという言葉を信じてしまっていいのだろうか。
それならわたしの最優先は…