with you
お名前をどうぞ、レディ
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「なんかときめくこと言ってくれない?」
青い空に白い雲、やはり青い空に黒いクロコダイル。
操舵室にてクロコダイルは舵を切り、わたしはそのそばで筋トレをしていた。
「おれにそういうことを期待するんじゃねえよ」
そんなこと言ったってたまにときめくことを言ってくれるくせに。
あれは無自覚なのだろうか?
それはそれで嬉しいけど、たまには自覚して言ってみてほしいものだ。
「具体的になんて言ってほしいんだ、カズヤは」
「うーん、そうねえ。「君以外はおれの瞳には入らないよ」とか」
「…本当にその言葉をおれの口から聞きてえのか」
「……うふふ、ちょっと無理があったわね」
「なら言うんじゃねえよ」
たしかにそんな言葉がクロコダイルの口から出たら発熱か何かを疑ってしまうところだ。
じゃあなんて言ってほしいかしら。
「たとえば…「おれの女に手え出すんじゃねえよ」とか」
「今言う言葉じゃねえだろ。それに似たようなことは言ったことがあるはずだが」
「そう言えばそうね。なんのときだったかは忘れちゃったけどそんなこと言ってくれてたわよね」
なんだったっけ?
たしか…ドフラミンゴと喧嘩したときだったかしら。
他に言ってほしい言葉が思い浮かばない。
思ったよりわたしの発想は貧困らしい。
「「君のためならこの身を投げ出すことができるよ」…は違うわね。
「おれたちはずっと一緒だよ」とかどうでしょう」
「…もう一度聞くが、それをおれの口から聞きてえのか…」
冷たい視線がわたしに刺さる。
「ごめん、やっぱいいわ」
クロコダイルはため息をついて海の先へと視線を戻した。
「だいたいなんだって、そんなことを急に言い出しやがったんだ、てめえは」
「たまには無自覚じゃない甘い言葉を聞きたくなったのよ」
「ならてめえから言いやがれ」
「聞きたいの?」
「内容による」
「そうねえ…あなたはわたしだけのものよ」
「それは当たり前のことだろう。甘くもなんともねえよ」
…今のは甘い言葉だと思う。
どうしてそう無自覚だと甘い言葉をさも当たり前のように吐けるのだろう。
「じゃあ…あなたはわたしの最初で最後の人よ」
「それも当たり前じゃねえか。カズヤの発想は貧困だな」
「く、知ってるわよ、そんなこと!
ならあなたはなにかわたしに言ってほしい言葉はないの?」
…しばしクロコダイルが逡巡する。
なにかあるのだろうか?
あったとして、その言葉をクロコダイルが口にするところはあまり見たくない気もするのだけれど。
「特にねえな」
「ないの?」
「ああ、おれは普段のカズヤで満足してるんでね」
う、またさらりと甘いことを…!
でもまあそれがクロコダイルのいいところだし、今回はわたしが無理を言ってしまったのね。
わたしも正直普段のクロコダイルで十分なんだ。
無理して甘い言葉を吐かせても面白くなかったかもしれない。
「ふふ、わたしも、普段のクロコダイルで十分だったわ」
「なら最初からくだらねえこと言うんじゃねえよ」
「ごめんなさい」
「ふん」
空は快晴、波は穏やか。
クロコダイルは今日もわたしに甘い。
青い空に白い雲、やはり青い空に黒いクロコダイル。
操舵室にてクロコダイルは舵を切り、わたしはそのそばで筋トレをしていた。
「おれにそういうことを期待するんじゃねえよ」
そんなこと言ったってたまにときめくことを言ってくれるくせに。
あれは無自覚なのだろうか?
それはそれで嬉しいけど、たまには自覚して言ってみてほしいものだ。
「具体的になんて言ってほしいんだ、カズヤは」
「うーん、そうねえ。「君以外はおれの瞳には入らないよ」とか」
「…本当にその言葉をおれの口から聞きてえのか」
「……うふふ、ちょっと無理があったわね」
「なら言うんじゃねえよ」
たしかにそんな言葉がクロコダイルの口から出たら発熱か何かを疑ってしまうところだ。
じゃあなんて言ってほしいかしら。
「たとえば…「おれの女に手え出すんじゃねえよ」とか」
「今言う言葉じゃねえだろ。それに似たようなことは言ったことがあるはずだが」
「そう言えばそうね。なんのときだったかは忘れちゃったけどそんなこと言ってくれてたわよね」
なんだったっけ?
たしか…ドフラミンゴと喧嘩したときだったかしら。
他に言ってほしい言葉が思い浮かばない。
思ったよりわたしの発想は貧困らしい。
「「君のためならこの身を投げ出すことができるよ」…は違うわね。
「おれたちはずっと一緒だよ」とかどうでしょう」
「…もう一度聞くが、それをおれの口から聞きてえのか…」
冷たい視線がわたしに刺さる。
「ごめん、やっぱいいわ」
クロコダイルはため息をついて海の先へと視線を戻した。
「だいたいなんだって、そんなことを急に言い出しやがったんだ、てめえは」
「たまには無自覚じゃない甘い言葉を聞きたくなったのよ」
「ならてめえから言いやがれ」
「聞きたいの?」
「内容による」
「そうねえ…あなたはわたしだけのものよ」
「それは当たり前のことだろう。甘くもなんともねえよ」
…今のは甘い言葉だと思う。
どうしてそう無自覚だと甘い言葉をさも当たり前のように吐けるのだろう。
「じゃあ…あなたはわたしの最初で最後の人よ」
「それも当たり前じゃねえか。カズヤの発想は貧困だな」
「く、知ってるわよ、そんなこと!
ならあなたはなにかわたしに言ってほしい言葉はないの?」
…しばしクロコダイルが逡巡する。
なにかあるのだろうか?
あったとして、その言葉をクロコダイルが口にするところはあまり見たくない気もするのだけれど。
「特にねえな」
「ないの?」
「ああ、おれは普段のカズヤで満足してるんでね」
う、またさらりと甘いことを…!
でもまあそれがクロコダイルのいいところだし、今回はわたしが無理を言ってしまったのね。
わたしも正直普段のクロコダイルで十分なんだ。
無理して甘い言葉を吐かせても面白くなかったかもしれない。
「ふふ、わたしも、普段のクロコダイルで十分だったわ」
「なら最初からくだらねえこと言うんじゃねえよ」
「ごめんなさい」
「ふん」
空は快晴、波は穏やか。
クロコダイルは今日もわたしに甘い。