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お名前をどうぞ、レディ
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「なに食ってやがる」
「パンケーキ」
「…にしてはずいぶん黒いな」
ここは艦の食堂。
わたしは一人でおやつを作って食べていた。
今日のおやつはパンケーキ。
たぶん、パンケーキ…だ…。
「失礼ね、ちょっと火加減を見誤っただけよ」
「ちょっとって黒さではないだろう。炭みたいな色じゃねえか。
食って平気なのか?それ…」
「若干苦いけど食べられないものは入ってないから大丈夫よ。たぶん」
たぶん大丈夫。
ちょっとくらい苦くたって、ちょっとくらい固くたって食べられないことはない。
クロコダイルは呆れ顔でパンケーキを眺めている。
「なに?一口欲しいの?」
「いらねえよ。舌が不味くなる」
「つくづく失礼ね。たまにはこういうこともあるのよ」
「たまに、の範囲で抑えとけよ。夕飯にまで炭が出てきたらたまったもんじゃねえ」
「それは大丈夫よ。
お菓子作りは繊細な手順と火加減が重要だけど、夕飯にそこまで手のかかる料理は作らないから」
「…手抜きじゃねえか」
「夕飯に炭は食べたくないんでしょう?
だったら最初から炭にならないものを作るってだけよ」
「自分で炭だと認めたな」
「うるさいわね。言ったでしょ。
たまにはこういうこともあるのよ」
「腹壊すなよ」
「大丈夫よ。丈夫だから」
たぶんね。
実際、クロコダイルが知らないだけで、この手の失敗はよくあることだ。
その度にお腹を壊していてはやってられない。
これくらいは大丈夫だろう。
「カズヤが腹壊したら面倒見るのはおれだからな」
「あら、面倒見てくださるの?」
それは意外だった。
てっきり放置されるものだと思っていたわ。
「ふん、てめえの女の面倒くらいてめえで見るさ。
だが厄介なのには変わりねえからな。気をつけろよ」
「ふふ、ありがとう。気をつけるわ」
「…その炭、一口寄越せ」
スッとクロコダイルの手がわたしの持つフォークを奪い取る。
そしてパンケーキを一口切り分けるとパクッと食べてしまった。
「食べないんじゃなかったの?」
「カズヤの作るものをおれが拒むわけねえだろ」
「さっきと言ってることがちがうんだけど。
で?いかがかしら?」
「…見かけほど悪くはねえな。
たしかに若干苦いが…」
「はい、お水。あなたは本当にわたしに甘いのね」
「たまにはな」
「いつもじゃない」
そう、あなたはいつも最後にはわたしを甘やかす。
失敗作のパンケーキなんかよりずっとずっと甘いのよね。
渋い顔で水を飲むクロコダイルに優しい視線を向けた。
「パンケーキ」
「…にしてはずいぶん黒いな」
ここは艦の食堂。
わたしは一人でおやつを作って食べていた。
今日のおやつはパンケーキ。
たぶん、パンケーキ…だ…。
「失礼ね、ちょっと火加減を見誤っただけよ」
「ちょっとって黒さではないだろう。炭みたいな色じゃねえか。
食って平気なのか?それ…」
「若干苦いけど食べられないものは入ってないから大丈夫よ。たぶん」
たぶん大丈夫。
ちょっとくらい苦くたって、ちょっとくらい固くたって食べられないことはない。
クロコダイルは呆れ顔でパンケーキを眺めている。
「なに?一口欲しいの?」
「いらねえよ。舌が不味くなる」
「つくづく失礼ね。たまにはこういうこともあるのよ」
「たまに、の範囲で抑えとけよ。夕飯にまで炭が出てきたらたまったもんじゃねえ」
「それは大丈夫よ。
お菓子作りは繊細な手順と火加減が重要だけど、夕飯にそこまで手のかかる料理は作らないから」
「…手抜きじゃねえか」
「夕飯に炭は食べたくないんでしょう?
だったら最初から炭にならないものを作るってだけよ」
「自分で炭だと認めたな」
「うるさいわね。言ったでしょ。
たまにはこういうこともあるのよ」
「腹壊すなよ」
「大丈夫よ。丈夫だから」
たぶんね。
実際、クロコダイルが知らないだけで、この手の失敗はよくあることだ。
その度にお腹を壊していてはやってられない。
これくらいは大丈夫だろう。
「カズヤが腹壊したら面倒見るのはおれだからな」
「あら、面倒見てくださるの?」
それは意外だった。
てっきり放置されるものだと思っていたわ。
「ふん、てめえの女の面倒くらいてめえで見るさ。
だが厄介なのには変わりねえからな。気をつけろよ」
「ふふ、ありがとう。気をつけるわ」
「…その炭、一口寄越せ」
スッとクロコダイルの手がわたしの持つフォークを奪い取る。
そしてパンケーキを一口切り分けるとパクッと食べてしまった。
「食べないんじゃなかったの?」
「カズヤの作るものをおれが拒むわけねえだろ」
「さっきと言ってることがちがうんだけど。
で?いかがかしら?」
「…見かけほど悪くはねえな。
たしかに若干苦いが…」
「はい、お水。あなたは本当にわたしに甘いのね」
「たまにはな」
「いつもじゃない」
そう、あなたはいつも最後にはわたしを甘やかす。
失敗作のパンケーキなんかよりずっとずっと甘いのよね。
渋い顔で水を飲むクロコダイルに優しい視線を向けた。