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お名前をどうぞ、レディ
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「なんて言ったらいいのかしら」
「あ?」
「あなたに愛の言葉をささやいてみたいけど、何て言ったらいいのかわからないのよ」
キッチンで夕飯作成中。今日の夕飯は鮭のバター焼きだ。
クロコダイルは料理するわたしをキッチンの隅に立って眺めている。
彼はわたしが料理している姿が好きらしい。
あまりじろじろ見られると恥ずかしいのだけれど。
「バカか。そんなもんいちいち口にする必要なんてないだろうが」
「そんなことないわ。たまには口に出さないと」
「こっちは言われなくてもわかってるんだが」
「そんなこと知ってるわよ。それでも…口にして伝えたいの」
フライパンを振り、鮭をひっくり返し、蓋をする。
キャベツを千切りにして…わかめスープに味付けもしないと。
ちょこまかと動くわたしを眺めながらクロコダイルがつぶやく。
「口にしなくたって伝わることも十分誇れることだと思うが」
「あなたはそんなに口にしたくないの?」
「わかりきってることを口にするほど暇じゃねえ」
「乙女心のわからない人ね。あ、ちょっと、スープの味見してくれる?」
「…少し塩気が足りない」
「ありがとう。塩少し振って…これでどうかしら」
「ああ、いいんじゃないか」
キャベツも切ったしスープもできた。あとは…
「付け合せにインゲンかほうれん草のお浸し作ろうと思うけどどっちがいい?」
「インゲン」
「了解」
冷蔵庫からインゲンを取り出し、さっと洗って適当な大きさに切る。
鍋に水を張り沸騰したらインゲンを入れて数分待つ。
「クロコダイル」
「なんだ」
腕を組んで立っているクロコダイルの腕にすがりつく。
逞しくって大好きな腕だ。
「…なんだ」
「口にしなくたって伝わったでしょう?」
「さあ、どうだかな」
「ふふ、天邪鬼なのね」
「おい、インゲン吹きこぼれてるぞ」
「わ、いけない、いけない」
慌てて火を消しインゲンをザルにあける。
水にさらして粗熱を取る。少しゆですぎちゃったけど…まあ、いいか。
インゲンを小鉢に盛り付けごま油と醤油とゴマを振りかけて完成。
そろそろ鮭も焼けただろうか?
「うんうん、いい焼き色!」
「カズヤが料理できるのは意外だ」
「何を失礼な」
「もともと海軍食堂でしか飯食ってなかったじゃねえか」
「その前二子岬にいたころはわたしと妹で料理してたもの。最低限はできるわよ。
海軍止めてからだってダズと交代で料理してるんだし」
「それもそうか」
「意外性で言えばダズが料理できる方がよほど意外よ」
「あいつも元々一人で殺し屋やってたんだ。自炊していたんだろ」
「クロコダイルもいい加減料理覚えてほしいのだけど」
そろそろダズと交代で料理するのも面倒になってきた。
とはいえ…クロコダイルが料理する姿なんて想像できないな。
なんかとんでもな料理を出してきそうな気がする。
それはそれで面白いけど、それで機嫌を損ねられても面倒だし…。
「おれは料理はしねえ」
「そうね…とんでも料理出されても怖いし…」
「おれはカズヤが作った飯が食いてえんだよ」
また…そうやって甘いことをサラリとこぼす。
反論できなくなってしまうじゃない。
「もう、それなら配膳くらい手伝ってちょうだいよ」
「それくらいならやってやるさ」
平皿にキャベツと良く焼けた鮭を盛り合わせる。バターのいい香りが広がった。
皿をクロコダイルに渡してカップにわかめスープを注ぐ。
「クロコダイル、ダズを呼んできてもらえるかしら」
「人使いが荒いな」
「嫌ならわたしが呼んでくるから、クロコダイルはスープを配膳しておいて」
「しょうがねえなあ」
ぶつくさ言いながらクロコダイルはキッチンを出ていく。
なんやかやでわたしに甘い男だ。
そういえば結局愛の言葉はささやけなかったな。
今晩は見張り当番だからベッドの中でささやくこともできないし。
まあいい。いつかリベンジしよう。
それまでに、とびっきりに甘い言葉を用意しておこう。
「あ?」
「あなたに愛の言葉をささやいてみたいけど、何て言ったらいいのかわからないのよ」
キッチンで夕飯作成中。今日の夕飯は鮭のバター焼きだ。
クロコダイルは料理するわたしをキッチンの隅に立って眺めている。
彼はわたしが料理している姿が好きらしい。
あまりじろじろ見られると恥ずかしいのだけれど。
「バカか。そんなもんいちいち口にする必要なんてないだろうが」
「そんなことないわ。たまには口に出さないと」
「こっちは言われなくてもわかってるんだが」
「そんなこと知ってるわよ。それでも…口にして伝えたいの」
フライパンを振り、鮭をひっくり返し、蓋をする。
キャベツを千切りにして…わかめスープに味付けもしないと。
ちょこまかと動くわたしを眺めながらクロコダイルがつぶやく。
「口にしなくたって伝わることも十分誇れることだと思うが」
「あなたはそんなに口にしたくないの?」
「わかりきってることを口にするほど暇じゃねえ」
「乙女心のわからない人ね。あ、ちょっと、スープの味見してくれる?」
「…少し塩気が足りない」
「ありがとう。塩少し振って…これでどうかしら」
「ああ、いいんじゃないか」
キャベツも切ったしスープもできた。あとは…
「付け合せにインゲンかほうれん草のお浸し作ろうと思うけどどっちがいい?」
「インゲン」
「了解」
冷蔵庫からインゲンを取り出し、さっと洗って適当な大きさに切る。
鍋に水を張り沸騰したらインゲンを入れて数分待つ。
「クロコダイル」
「なんだ」
腕を組んで立っているクロコダイルの腕にすがりつく。
逞しくって大好きな腕だ。
「…なんだ」
「口にしなくたって伝わったでしょう?」
「さあ、どうだかな」
「ふふ、天邪鬼なのね」
「おい、インゲン吹きこぼれてるぞ」
「わ、いけない、いけない」
慌てて火を消しインゲンをザルにあける。
水にさらして粗熱を取る。少しゆですぎちゃったけど…まあ、いいか。
インゲンを小鉢に盛り付けごま油と醤油とゴマを振りかけて完成。
そろそろ鮭も焼けただろうか?
「うんうん、いい焼き色!」
「カズヤが料理できるのは意外だ」
「何を失礼な」
「もともと海軍食堂でしか飯食ってなかったじゃねえか」
「その前二子岬にいたころはわたしと妹で料理してたもの。最低限はできるわよ。
海軍止めてからだってダズと交代で料理してるんだし」
「それもそうか」
「意外性で言えばダズが料理できる方がよほど意外よ」
「あいつも元々一人で殺し屋やってたんだ。自炊していたんだろ」
「クロコダイルもいい加減料理覚えてほしいのだけど」
そろそろダズと交代で料理するのも面倒になってきた。
とはいえ…クロコダイルが料理する姿なんて想像できないな。
なんかとんでもな料理を出してきそうな気がする。
それはそれで面白いけど、それで機嫌を損ねられても面倒だし…。
「おれは料理はしねえ」
「そうね…とんでも料理出されても怖いし…」
「おれはカズヤが作った飯が食いてえんだよ」
また…そうやって甘いことをサラリとこぼす。
反論できなくなってしまうじゃない。
「もう、それなら配膳くらい手伝ってちょうだいよ」
「それくらいならやってやるさ」
平皿にキャベツと良く焼けた鮭を盛り合わせる。バターのいい香りが広がった。
皿をクロコダイルに渡してカップにわかめスープを注ぐ。
「クロコダイル、ダズを呼んできてもらえるかしら」
「人使いが荒いな」
「嫌ならわたしが呼んでくるから、クロコダイルはスープを配膳しておいて」
「しょうがねえなあ」
ぶつくさ言いながらクロコダイルはキッチンを出ていく。
なんやかやでわたしに甘い男だ。
そういえば結局愛の言葉はささやけなかったな。
今晩は見張り当番だからベッドの中でささやくこともできないし。
まあいい。いつかリベンジしよう。
それまでに、とびっきりに甘い言葉を用意しておこう。