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お名前をどうぞ、レディ
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「うらあっっっ」
クロコダイルめがけて鎌を振る。
武装色で黒くなった鎌は彼のコートをかすり、宙をかぶる。
「甘え」
さらりとクロコダイルの鉤爪がわたしの首に寄る。
「っ?」
半身を引いてかわす。
鉤爪を引っつかんで上段回し蹴り。
なんとか彼の額を捉えて血が吹き出る。
その勢いで体をひねってもう片足をクロコダイルの首に叩き込むが
右手で鷲づかまれて水分が抜けかける。
鎌を投げ捨て、鉤爪から手を離して
全身武装色で真っ黒になりながらタックルをかます。
「甘えっつってんだ」
さらりとかわされる。
「はっ」
地に手をついて無理矢理足をひねってなんとか彼の右手から逃れる。
「ちっ」
クロコダイルは眉間にめいっぱいのシワを寄せて、わたしの足を離す。
後ろへ飛んで体勢を立て直すが、砂がわたしの首を狙う。
「…っ」
鉄塊で弾き飛ばしてクロコダイル本体を狙う。
体を低くしたところに鈍い蹴りが入った。
「かはっ…」
何とか彼の足にしがみついて無茶な姿勢のまま鳩尾に蹴りを入れる。
クロコダイルの右手が伸びてくる前に彼を突き飛ばすようにしてなんとか距離をとる。
わたしは受け身もとれずに転がった。
今日のクロコダイルは機嫌が悪い。
甘い攻撃をすると、一瞬で殴り飛ばされるか砂でぶった切られる。
おかげでわたしは血まみれの砂まみれだ。
それでも額から血が滴ってきて落ち着いたのか、クロコダイルの猛攻がようやく止んだ。
「カズヤ。いいことを教えてやる。
弱ぇやつには負け方も死に方も選べねえ。
覚えとけ」
「ちょっ…」
わたしの気が緩んだところに頭を掴まれてぶん投げられた。
「どいつもこいつも弱ぇんだよ」
吐き捨てるようにクロコダイルが言う。
…誰が弱いんだっつの。
「?」
なんとか着地。
地を蹴って、一気にクロコダイルとの間を詰める。
イラついている彼の隙をつくのは難しくなかった。
わたしの右手は彼の鳩尾をえぐり、わずかにその巨体を浮かした。
「そうでもねえってか」
「八つ当たりはご遠慮くださいませ」
クロコダイルが体制を立て直す前に鉤爪を蹴り飛ばす。
「…ふん」
「で、なんだったんです?」
「煙野郎に下らねえケンカを売られた」
はあ、とわざとらしく溜息をついて見せた。
「で。英雄の仮面をかぶったクロコダイル様は中将補佐官に八つ当たりですか」
「悪かったな」
「いいえ、けっこうよ。
わたしも楽しかったですから」
「変な女だ」
そう言うと、クロコダイルはプハ、と吹き出して座り込んだ。
「悪かったな」
もう一度、彼が言うから今度は覇気無しに彼の頭を回し蹴る。
パシャっと砂が飛び散った。
「これでチャラにしてあげる。
かわりにスモーカー君には後でたんまり書類のお片づけを手伝ってもらいましょう」
「そいつはいただけねえな」
砂と紫煙が体にまとわりつく。
「何が不満なのかしら」
武装色を込めた手で砂を払う。
「てめえが他の野郎と二人っきりというところだ。
しかも煙野郎だなんてゾッとしねえな」
「はいはい。
ああ、さっきのセリフはちゃんと覚えておくわ」
「あ?」
「弱いやつは負け方も死に方も選べない」
「ふん。可愛くねえな」
「それでけっこうよ」
砂塵に背を向けて自室へ向かう。
まったく。
こんな愛情表現でも嫌いじゃないだなんて。
わたしも彼も歪んですぎる。
クロコダイルめがけて鎌を振る。
武装色で黒くなった鎌は彼のコートをかすり、宙をかぶる。
「甘え」
さらりとクロコダイルの鉤爪がわたしの首に寄る。
「っ?」
半身を引いてかわす。
鉤爪を引っつかんで上段回し蹴り。
なんとか彼の額を捉えて血が吹き出る。
その勢いで体をひねってもう片足をクロコダイルの首に叩き込むが
右手で鷲づかまれて水分が抜けかける。
鎌を投げ捨て、鉤爪から手を離して
全身武装色で真っ黒になりながらタックルをかます。
「甘えっつってんだ」
さらりとかわされる。
「はっ」
地に手をついて無理矢理足をひねってなんとか彼の右手から逃れる。
「ちっ」
クロコダイルは眉間にめいっぱいのシワを寄せて、わたしの足を離す。
後ろへ飛んで体勢を立て直すが、砂がわたしの首を狙う。
「…っ」
鉄塊で弾き飛ばしてクロコダイル本体を狙う。
体を低くしたところに鈍い蹴りが入った。
「かはっ…」
何とか彼の足にしがみついて無茶な姿勢のまま鳩尾に蹴りを入れる。
クロコダイルの右手が伸びてくる前に彼を突き飛ばすようにしてなんとか距離をとる。
わたしは受け身もとれずに転がった。
今日のクロコダイルは機嫌が悪い。
甘い攻撃をすると、一瞬で殴り飛ばされるか砂でぶった切られる。
おかげでわたしは血まみれの砂まみれだ。
それでも額から血が滴ってきて落ち着いたのか、クロコダイルの猛攻がようやく止んだ。
「カズヤ。いいことを教えてやる。
弱ぇやつには負け方も死に方も選べねえ。
覚えとけ」
「ちょっ…」
わたしの気が緩んだところに頭を掴まれてぶん投げられた。
「どいつもこいつも弱ぇんだよ」
吐き捨てるようにクロコダイルが言う。
…誰が弱いんだっつの。
「?」
なんとか着地。
地を蹴って、一気にクロコダイルとの間を詰める。
イラついている彼の隙をつくのは難しくなかった。
わたしの右手は彼の鳩尾をえぐり、わずかにその巨体を浮かした。
「そうでもねえってか」
「八つ当たりはご遠慮くださいませ」
クロコダイルが体制を立て直す前に鉤爪を蹴り飛ばす。
「…ふん」
「で、なんだったんです?」
「煙野郎に下らねえケンカを売られた」
はあ、とわざとらしく溜息をついて見せた。
「で。英雄の仮面をかぶったクロコダイル様は中将補佐官に八つ当たりですか」
「悪かったな」
「いいえ、けっこうよ。
わたしも楽しかったですから」
「変な女だ」
そう言うと、クロコダイルはプハ、と吹き出して座り込んだ。
「悪かったな」
もう一度、彼が言うから今度は覇気無しに彼の頭を回し蹴る。
パシャっと砂が飛び散った。
「これでチャラにしてあげる。
かわりにスモーカー君には後でたんまり書類のお片づけを手伝ってもらいましょう」
「そいつはいただけねえな」
砂と紫煙が体にまとわりつく。
「何が不満なのかしら」
武装色を込めた手で砂を払う。
「てめえが他の野郎と二人っきりというところだ。
しかも煙野郎だなんてゾッとしねえな」
「はいはい。
ああ、さっきのセリフはちゃんと覚えておくわ」
「あ?」
「弱いやつは負け方も死に方も選べない」
「ふん。可愛くねえな」
「それでけっこうよ」
砂塵に背を向けて自室へ向かう。
まったく。
こんな愛情表現でも嫌いじゃないだなんて。
わたしも彼も歪んですぎる。