side you
お名前をどうぞ、レディ
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珍しくのどかな気候に恵まれて、我らハートの海賊団は偉大なる航路を進んでいた。
晴れ渡る空には雲もなく甲板は穏やかな光に包まれている。
洗濯当番のわたしは、1人せっせと乾いたシーツを畳んでいた。
「あー、暖かい。
そして眠い」
太陽の匂いのシーツに囲まれて、今にも眠ってしまいそうだ。
「少し昼寝してもいいかなー…」
そう呟いて、周りに誰もいないことを確認し
こっそりとシーツの山にダイブしてみる。
「…きもち…いいなあ…」
意識はそこで途切れた。
…
……
………
「おい、カズサいるか?」
先ほどから見当たらないカズサを探して船内をめぐる。
浴室を掃除していたシャチから
『カズサなら洗濯当番だから甲板にいるんじゃないですか?』
との情報を得て甲板へ向かい声をかけるが返事がない。
「ったく…未来の旦那を置いてどこへいきやがった…」
甲板の真ん中にはシーツが山になっていて。
「…?」
その中を覗き込むと、愛しのカズサはそこでくうくうと寝息を立てていた。
「…こんなところで寝やがって。
風邪ひくぞ」
そう言いながらも起こす気なんてさらさらなくて。
彼女のとなりに腰を下ろし、そっとカズサの柔らかなくせ毛に手を伸ばす。
ふわふわした髪の毛が手の中で揺れた。
「海賊になんて見えねえよなあ…」
頬を押してやれば、ふにゃりと彼女は微笑む。
「…ろー…」
「…起きて……
…寝言か?」
仕方ねえなあとカズサの頭を優しくなでる。
ガラじゃないなんてことはわかっちゃあいるが、それでも募る愛おしさに変わりはない。
ふいに風が通り抜ける。
気候が変わるのだろうか。
「おい、カズサ。起きろ。風邪ひくぞ」
ゆさゆさとカズサをゆすってやると、彼女はむにゃむにゃ言いながら薄目を開ける。
「うん……。
ろー?」
………
……
…
目が覚めたら、ローが変な顔をしてとなりに腰掛けていた。
「なに、サボってやがる」
口調は柔らかく、攻めているなんてことは微塵も感じさせずにローが言う。
「ロー、なんか変な顔」
端正な顔がわずかにしかめられる。
「失礼なやつだな」
「ローが微笑んでいるなんて珍しい」
「それのどこが変な顔なんだ」
「いつもと違って驚きました」
「そうか」
ローはいつもの悪そうな顔に戻ってわたしの頭をくしゃくしゃと撫でる。
「あー、シーツ畳まなきゃ」
「そうしろ。天気が変わりそうだ」
そう言って彼は立ち上がり船内へ戻っていく。
しかし振り向いて手を振った。
「ちゃんと終わらせたら褒めてやるよ」
「いらない」
そんなあまのじゃくなことを言って手を振り返す。
彼のことだ。
きっと本当に褒めてくれるんだろう。
「さー、さっさと終わらせちゃおう」
天気が崩れる前に、ちゃんと終わらせちゃおう。
褒めてほしいなんてことないんだからと呟くわたしは本当に素直じゃない。
ローの柔らかい笑顔を思い出して、1人でこっそり微笑んだ。
晴れ渡る空には雲もなく甲板は穏やかな光に包まれている。
洗濯当番のわたしは、1人せっせと乾いたシーツを畳んでいた。
「あー、暖かい。
そして眠い」
太陽の匂いのシーツに囲まれて、今にも眠ってしまいそうだ。
「少し昼寝してもいいかなー…」
そう呟いて、周りに誰もいないことを確認し
こっそりとシーツの山にダイブしてみる。
「…きもち…いいなあ…」
意識はそこで途切れた。
…
……
………
「おい、カズサいるか?」
先ほどから見当たらないカズサを探して船内をめぐる。
浴室を掃除していたシャチから
『カズサなら洗濯当番だから甲板にいるんじゃないですか?』
との情報を得て甲板へ向かい声をかけるが返事がない。
「ったく…未来の旦那を置いてどこへいきやがった…」
甲板の真ん中にはシーツが山になっていて。
「…?」
その中を覗き込むと、愛しのカズサはそこでくうくうと寝息を立てていた。
「…こんなところで寝やがって。
風邪ひくぞ」
そう言いながらも起こす気なんてさらさらなくて。
彼女のとなりに腰を下ろし、そっとカズサの柔らかなくせ毛に手を伸ばす。
ふわふわした髪の毛が手の中で揺れた。
「海賊になんて見えねえよなあ…」
頬を押してやれば、ふにゃりと彼女は微笑む。
「…ろー…」
「…起きて……
…寝言か?」
仕方ねえなあとカズサの頭を優しくなでる。
ガラじゃないなんてことはわかっちゃあいるが、それでも募る愛おしさに変わりはない。
ふいに風が通り抜ける。
気候が変わるのだろうか。
「おい、カズサ。起きろ。風邪ひくぞ」
ゆさゆさとカズサをゆすってやると、彼女はむにゃむにゃ言いながら薄目を開ける。
「うん……。
ろー?」
………
……
…
目が覚めたら、ローが変な顔をしてとなりに腰掛けていた。
「なに、サボってやがる」
口調は柔らかく、攻めているなんてことは微塵も感じさせずにローが言う。
「ロー、なんか変な顔」
端正な顔がわずかにしかめられる。
「失礼なやつだな」
「ローが微笑んでいるなんて珍しい」
「それのどこが変な顔なんだ」
「いつもと違って驚きました」
「そうか」
ローはいつもの悪そうな顔に戻ってわたしの頭をくしゃくしゃと撫でる。
「あー、シーツ畳まなきゃ」
「そうしろ。天気が変わりそうだ」
そう言って彼は立ち上がり船内へ戻っていく。
しかし振り向いて手を振った。
「ちゃんと終わらせたら褒めてやるよ」
「いらない」
そんなあまのじゃくなことを言って手を振り返す。
彼のことだ。
きっと本当に褒めてくれるんだろう。
「さー、さっさと終わらせちゃおう」
天気が崩れる前に、ちゃんと終わらせちゃおう。
褒めてほしいなんてことないんだからと呟くわたしは本当に素直じゃない。
ローの柔らかい笑顔を思い出して、1人でこっそり微笑んだ。
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