side you
お名前をどうぞ、レディ
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走って走って走って
逃げて逃げて逃げて
「はあ、はあ…。ここまでくれば大丈夫…かな?」
わたしは一人陸をかけていた。
まったく、やんなっちゃうなあ…
ため息をついて思い返してみる。何でこんなことしてるんだっけ?
…
……
………
「野郎ども!!上陸するぞ!!」
ローの掛け声でハートの海賊団はわっと盛り上がる。
「船番以外は好きに出歩いて構わねえが面倒事は起こすんじゃねえぞ。
海軍の駐屯地が近いからな」
「アイアイ!!」
今回わたしは特に何の当番にもなっていないため、ぶらりと散策することにする。
ローは買い出し当番とともに医薬品の買い出しがあるそうで珍しくわたしとは別行動だった。
このときに大人しくローと一緒にいればよかったのかもしれない。
「いやー一人で買い物なんて久しぶりだなあ」
ぐっと背中を伸ばす。空は薄曇りだが雨が降るほどでもないだろう。
「あ、やば」
遠くに海兵がいるのに気がついてそっと路地裏に隠れる。
思ったよりも海兵の人数が多そうだ。この人数をかいくぐるのはなかなか面倒かもしれない。
必要な物だけ買って早めに艦に引き上げたほうがいいだろう。
「お嬢ちゃん、こんなところでうずくまってどうしたんだい?」
「いっ!?」
やばい。振り向くとそこには海兵が数人、いぶかしげにわたしを見ている。
「いえ、ちょっと転んでしまって…」
「大丈夫かい?おや、その象徴…
!!
ハートの海賊団!?」
「き、気のせいです!!」
ばれた。やばいやばい。ダッシュでその場から逃げる。
遠くから
「海賊がいたぞー!!」
「東の方へ逃げた!!」
等々海兵たちの叫び声が聞こえる。
………
……
…
そして冒頭に戻る…と。
まずったなあ。騒ぎを起こすなって言われてたのに…。
「こんなところにいたのか」
「げ」
かなり町の外れまで逃げてきたはずなのに、海兵に見つかってしまった。
「お前を捕まえて船長トラファルガーを呼び寄せよう」
「はあ!?ふざけんじゃないわよ」
刀を鞘から抜かずに目の前の海兵を殴って昏倒させる。
気がつけば周囲を十数人の海兵に囲まれている。
どうする?
逃げる?
いや、ここで逃げたら余計にみんなに迷惑がかかる。
わたしにできる範囲で動ける海兵を潰すべきだ。
応援を呼ばれたら大変だから、ここは最初から全力で行こう。
「…っ!!」
刀を抜いて目の前の海兵をまとめて数人ぶった切る。
後ろから来た海兵を回し蹴りでぶっ飛ばし、その勢いのまままた、数人を切り倒す。
横からの銃撃をかわして地を蹴り距離を詰めて殴り飛ばす。
暴れに暴れてなんとか最初にいた十数人は確実に倒したはずなのに海兵は全く減らない。
「あちゃ…。応援呼ばれちゃったか…」
わたしを囲む何十人もの海兵が一斉に襲ってくる。
「女の子一人相手に大人げないっての」
一人一人は強くないもののいかんせん人数が多い。
このままでは白兵戦で押し切られてしまう。
どうしよう?
そろそろ逃げ
「カズサ!!」
「!!」
聞きなれた声が響いた。同時にわたしの周囲の海兵がまとめてぶっ飛ばされる。
「カズサ。面倒事は起こすなと言ったはずだが?」
「ロー。ごめんなさい」
「まあいい。事ついでにこの島の駐屯基地を潰す」
そう言うと、ローとその後ろに控えていたベポが残りの海兵を片付けた。
「カズサ!大丈夫?」
ふらつくわたしにベポが駆け寄ってきた。
「ベポ、ありがとう。大丈夫だよ。ちょっと人数が多くて疲れちゃっただけだから」
「疲れてる暇なんかねえぞ。ペンギンたちに先に駐屯所へ行かせてある。
おれらも向かうぞ」
「え!?ペンギンたち大丈夫なの!?」
「まあ、問題はないだろう。主力のほとんどはカズサを捕まえに出ていたみたいだからな。
とはいえ駐屯地にもそれなりの人数はいるはずだ。急ぐぞ」
「「アイアイ」」
その後みんなに合流したわたしたちは力の限り暴れつくし、その島の海軍駐屯基地を壊滅に追いやった。
問題は数日後にやってきた。
「ロー船長!!これ!!」
「なんだ、うるさいぞ。シャチ」
船長室にシャチがあわただしく駆け込んでくる。
航海日誌を書いていたローが眉間にしわを寄せて顔を上げるが、シャチはそんなのお構いなしに
二枚の紙きれを差し出した。
「なになに?ローの手配書じゃない……
あ、懸賞額が5000万に上がってる」
「こないだ海軍の駐屯基地を潰したからな。そのせいだろう」
「それと!こっちもやばいんですって!!」
シャチに促されてもう一枚の紙を見てわたしは絶句し、ローはくつくつと笑いだした。
「ちょ、え?ええー!?」
「くくく、いいじゃねえか。『氷の魔女"カズサ"懸賞金2500万ベリー』」
「笑い事じゃねえですよ!?ロー船長だけじゃなくてカズサまでお尋ね者に!!ずるいぞお前!!」
こないだまではむしろお尋ね者たちを狩る立場だったわたしが、ついに懸賞をかけられてしまいました。
ローはまだ笑ってるしシャチは何故か憤慨している。
まあこの一味に加わった以上こうなることも覚悟していたし、なっちゃったもんはしょうがないよね。
「ロー」
「なんだ」
「こないだは助けに来てくれてありがとう」
「何をいまさら」
「これからもよろしくお願いします。船長」
「くくく」
わたしを拾ったのは白馬の王子様じゃなくて海賊で外科医でお尋ね者。
でもその手を取らずにはいられなかったの。
逃げて逃げて逃げて
「はあ、はあ…。ここまでくれば大丈夫…かな?」
わたしは一人陸をかけていた。
まったく、やんなっちゃうなあ…
ため息をついて思い返してみる。何でこんなことしてるんだっけ?
…
……
………
「野郎ども!!上陸するぞ!!」
ローの掛け声でハートの海賊団はわっと盛り上がる。
「船番以外は好きに出歩いて構わねえが面倒事は起こすんじゃねえぞ。
海軍の駐屯地が近いからな」
「アイアイ!!」
今回わたしは特に何の当番にもなっていないため、ぶらりと散策することにする。
ローは買い出し当番とともに医薬品の買い出しがあるそうで珍しくわたしとは別行動だった。
このときに大人しくローと一緒にいればよかったのかもしれない。
「いやー一人で買い物なんて久しぶりだなあ」
ぐっと背中を伸ばす。空は薄曇りだが雨が降るほどでもないだろう。
「あ、やば」
遠くに海兵がいるのに気がついてそっと路地裏に隠れる。
思ったよりも海兵の人数が多そうだ。この人数をかいくぐるのはなかなか面倒かもしれない。
必要な物だけ買って早めに艦に引き上げたほうがいいだろう。
「お嬢ちゃん、こんなところでうずくまってどうしたんだい?」
「いっ!?」
やばい。振り向くとそこには海兵が数人、いぶかしげにわたしを見ている。
「いえ、ちょっと転んでしまって…」
「大丈夫かい?おや、その象徴…
!!
ハートの海賊団!?」
「き、気のせいです!!」
ばれた。やばいやばい。ダッシュでその場から逃げる。
遠くから
「海賊がいたぞー!!」
「東の方へ逃げた!!」
等々海兵たちの叫び声が聞こえる。
………
……
…
そして冒頭に戻る…と。
まずったなあ。騒ぎを起こすなって言われてたのに…。
「こんなところにいたのか」
「げ」
かなり町の外れまで逃げてきたはずなのに、海兵に見つかってしまった。
「お前を捕まえて船長トラファルガーを呼び寄せよう」
「はあ!?ふざけんじゃないわよ」
刀を鞘から抜かずに目の前の海兵を殴って昏倒させる。
気がつけば周囲を十数人の海兵に囲まれている。
どうする?
逃げる?
いや、ここで逃げたら余計にみんなに迷惑がかかる。
わたしにできる範囲で動ける海兵を潰すべきだ。
応援を呼ばれたら大変だから、ここは最初から全力で行こう。
「…っ!!」
刀を抜いて目の前の海兵をまとめて数人ぶった切る。
後ろから来た海兵を回し蹴りでぶっ飛ばし、その勢いのまままた、数人を切り倒す。
横からの銃撃をかわして地を蹴り距離を詰めて殴り飛ばす。
暴れに暴れてなんとか最初にいた十数人は確実に倒したはずなのに海兵は全く減らない。
「あちゃ…。応援呼ばれちゃったか…」
わたしを囲む何十人もの海兵が一斉に襲ってくる。
「女の子一人相手に大人げないっての」
一人一人は強くないもののいかんせん人数が多い。
このままでは白兵戦で押し切られてしまう。
どうしよう?
そろそろ逃げ
「カズサ!!」
「!!」
聞きなれた声が響いた。同時にわたしの周囲の海兵がまとめてぶっ飛ばされる。
「カズサ。面倒事は起こすなと言ったはずだが?」
「ロー。ごめんなさい」
「まあいい。事ついでにこの島の駐屯基地を潰す」
そう言うと、ローとその後ろに控えていたベポが残りの海兵を片付けた。
「カズサ!大丈夫?」
ふらつくわたしにベポが駆け寄ってきた。
「ベポ、ありがとう。大丈夫だよ。ちょっと人数が多くて疲れちゃっただけだから」
「疲れてる暇なんかねえぞ。ペンギンたちに先に駐屯所へ行かせてある。
おれらも向かうぞ」
「え!?ペンギンたち大丈夫なの!?」
「まあ、問題はないだろう。主力のほとんどはカズサを捕まえに出ていたみたいだからな。
とはいえ駐屯地にもそれなりの人数はいるはずだ。急ぐぞ」
「「アイアイ」」
その後みんなに合流したわたしたちは力の限り暴れつくし、その島の海軍駐屯基地を壊滅に追いやった。
問題は数日後にやってきた。
「ロー船長!!これ!!」
「なんだ、うるさいぞ。シャチ」
船長室にシャチがあわただしく駆け込んでくる。
航海日誌を書いていたローが眉間にしわを寄せて顔を上げるが、シャチはそんなのお構いなしに
二枚の紙きれを差し出した。
「なになに?ローの手配書じゃない……
あ、懸賞額が5000万に上がってる」
「こないだ海軍の駐屯基地を潰したからな。そのせいだろう」
「それと!こっちもやばいんですって!!」
シャチに促されてもう一枚の紙を見てわたしは絶句し、ローはくつくつと笑いだした。
「ちょ、え?ええー!?」
「くくく、いいじゃねえか。『氷の魔女"カズサ"懸賞金2500万ベリー』」
「笑い事じゃねえですよ!?ロー船長だけじゃなくてカズサまでお尋ね者に!!ずるいぞお前!!」
こないだまではむしろお尋ね者たちを狩る立場だったわたしが、ついに懸賞をかけられてしまいました。
ローはまだ笑ってるしシャチは何故か憤慨している。
まあこの一味に加わった以上こうなることも覚悟していたし、なっちゃったもんはしょうがないよね。
「ロー」
「なんだ」
「こないだは助けに来てくれてありがとう」
「何をいまさら」
「これからもよろしくお願いします。船長」
「くくく」
わたしを拾ったのは白馬の王子様じゃなくて海賊で外科医でお尋ね者。
でもその手を取らずにはいられなかったの。