side you
お名前をどうぞ、レディ
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シャコシャコシャコ
浴室にブラシの音が反響している。
わたしとシャチは風呂掃除の当番だった。
ようやくわたしが仲間になったことを認めたのか
(それとも勝てないことをいい加減悟ったのか)
シャチの態度が軟化してきていた。
「あーめんどくせえ」
「ねー。どうせここ使うの男どもなんだからシャチ一人で掃除しなさいよ」
「押し付けんなバカ」
「バカっていう方がバカなんですー」
くだらないことを言いながらもせっせと手を動かすこと数時間。
広い浴室がようやくきれいになってきた。
「そういやさあ」
「ああ?」
疲れてきたのか、シャチの返事は投げやりだ。
「なんでベポって立って歩いてしゃべるの?」
がたんっ
外から、何かをひっくり返すような音が聞こえた。
しかしわたしが様子を伺おうとする前にシャチが答える。
「そりゃあ、おまえ。ベポだから」
「……そっかあ。ベポだもんね」
「って、カズサ、それで納得しちまうのかよ」
あっけにとられたような顔で、シャチが振り返る。
まあ、完全に納得したわけでもないんだけどさ。
「だってみんな北の海からきたんでしょ?
わたしは偉大なる航路から出たことないからさあ。北の海にはいろんな種類のクマがいるんだよね?
しゃべる種類だっているよ」
「そうでもないけどな…」
「それに偉大なる航路にだって50年約束を待つクジラがいれば、像に化ける刀もいる。
別におどろくことでもないよ」
「そう…か」
そうそう。
軽く返事をして掃除に戻る。
シャチはなぜか少し嬉しそうに鼻歌を歌っていた。
「掃除おーわーりー」
「疲れたー」
しばらくして掃除が終わり、濡れたシャツの裾を絞りながら甲板に出ると
ちょうどベポがおやつの用意をしていた。
「あ、カズサ!!一緒におやつ食べよう!!!?
今日はデラックスパフェだよ!!!!」
「おーデラックスかあ」
「おれの分は!?」
「もちろんあるよ!!」
「なんかベポご機嫌だねえ」
いつも楽しげなベポが、今日は一段と楽しそうだ。
何かいい事でもあったのだろうか。
「えへへ、なんでもなーい。フォーク取ってくるねえ」
浮かれた足取りで、彼は船内へと消えていった。
「ま、差別されなかったのが嬉しかったんだろ」
「シャチ、なんか言った?」
「いいや?」
シャチはパフェにのるイチゴを手づかみで食べる。
その後ベポに見つかって喧嘩していた。
あいも変わらず、今日も今日とてハートの海賊団は平和この上ない。
浴室にブラシの音が反響している。
わたしとシャチは風呂掃除の当番だった。
ようやくわたしが仲間になったことを認めたのか
(それとも勝てないことをいい加減悟ったのか)
シャチの態度が軟化してきていた。
「あーめんどくせえ」
「ねー。どうせここ使うの男どもなんだからシャチ一人で掃除しなさいよ」
「押し付けんなバカ」
「バカっていう方がバカなんですー」
くだらないことを言いながらもせっせと手を動かすこと数時間。
広い浴室がようやくきれいになってきた。
「そういやさあ」
「ああ?」
疲れてきたのか、シャチの返事は投げやりだ。
「なんでベポって立って歩いてしゃべるの?」
がたんっ
外から、何かをひっくり返すような音が聞こえた。
しかしわたしが様子を伺おうとする前にシャチが答える。
「そりゃあ、おまえ。ベポだから」
「……そっかあ。ベポだもんね」
「って、カズサ、それで納得しちまうのかよ」
あっけにとられたような顔で、シャチが振り返る。
まあ、完全に納得したわけでもないんだけどさ。
「だってみんな北の海からきたんでしょ?
わたしは偉大なる航路から出たことないからさあ。北の海にはいろんな種類のクマがいるんだよね?
しゃべる種類だっているよ」
「そうでもないけどな…」
「それに偉大なる航路にだって50年約束を待つクジラがいれば、像に化ける刀もいる。
別におどろくことでもないよ」
「そう…か」
そうそう。
軽く返事をして掃除に戻る。
シャチはなぜか少し嬉しそうに鼻歌を歌っていた。
「掃除おーわーりー」
「疲れたー」
しばらくして掃除が終わり、濡れたシャツの裾を絞りながら甲板に出ると
ちょうどベポがおやつの用意をしていた。
「あ、カズサ!!一緒におやつ食べよう!!!?
今日はデラックスパフェだよ!!!!」
「おーデラックスかあ」
「おれの分は!?」
「もちろんあるよ!!」
「なんかベポご機嫌だねえ」
いつも楽しげなベポが、今日は一段と楽しそうだ。
何かいい事でもあったのだろうか。
「えへへ、なんでもなーい。フォーク取ってくるねえ」
浮かれた足取りで、彼は船内へと消えていった。
「ま、差別されなかったのが嬉しかったんだろ」
「シャチ、なんか言った?」
「いいや?」
シャチはパフェにのるイチゴを手づかみで食べる。
その後ベポに見つかって喧嘩していた。
あいも変わらず、今日も今日とてハートの海賊団は平和この上ない。