氷の上で彼はなにを思うか
お名前をどうぞ、レディ
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「ここのつづりはaじゃなくてeだ」
「発音"ア"なのに?」
「"ア"じゃない。そうやってカタカナ発音するから
間違って覚えるんだ」
この感情が発音できたらいいのにね
これはもしかしなくてもシャチの陰謀に嵌められたのかな。
放課後の静かな教室。
ペンギンと2人きりでお勉強。
私の苦手な英語を教えてもらっている。
「しかしお前本当に英語下手だな」
「嫌いなんだもん」
「ほら、ここのつづりも間違ってるぞ」
「あう」
バカなのがばれて恥ずかしいなあ。
ノートから顔を上げると笑顔のペンギンと目が合った。
近い!!
一つのノートを覗き込んでるんだから当たり前なんだけど。
ああもう。
そのびっくりした顔が、かっこよすぎる。
「ペン…ギン…?」
「あ、ああ。すまない」
ゆっくりと、ペンギンの顔が離れる。
もったいなかったかな。
なんだか気まずい空気が流れる。
「あの、ペンギン。ここなんだけど…」
「ああそこか。そこの構文は…」
「ああもう!!なんでそこでいかないかあ!!」
「シャチはぐいぐい行き過ぎるからモテねえんだよ」
「せんぱい酷いです!!」
「「…」」
気が付いたら教室の後ろの扉からシャチとロー先輩が野次馬していた。
ペンギンが立ち上がりかつかつと2人に近寄って…
「痛い!!痛いってペンギン!!」
「言いたいことはそれだけか」
「ごめんなさい!!ごめんなさいでした!!」
「…悪かった。悪かったから殺意を向けるな!!」
「先輩。問答無用って言葉、ご存知ですか」
廊下から聞こえる悲鳴に固まっていると、しばらくして
少しやつれたペンギンが戻ってきた。
「つれがすまなかった」
「い、いや、ペンギンが謝ることなんて何もないでしょ」
「帰るか」
「はい」
ペンギンは無表情のまま片付けを始める。
私も慌てて荷物をまとめてペンギンに続く。
教室の前の扉を選んだのは…わざとだよねえ。
振り返ろうとする私をペンギンが制した。
「ほら、早く帰るぞ」
「えっ、あの、シャチは…」
「気になるか?」
「…いえ、何でもないです」
そう返事をすると、ペンギンは私の手首をつかんで前へと歩く。
ペンギンの耳が赤いように見えるのはうぬぼれかな。
追記
廊下を曲がるときに一瞬見てしまったシャチとロー先輩の残骸に
私は心の中で合掌した。
「発音"ア"なのに?」
「"ア"じゃない。そうやってカタカナ発音するから
間違って覚えるんだ」
この感情が発音できたらいいのにね
これはもしかしなくてもシャチの陰謀に嵌められたのかな。
放課後の静かな教室。
ペンギンと2人きりでお勉強。
私の苦手な英語を教えてもらっている。
「しかしお前本当に英語下手だな」
「嫌いなんだもん」
「ほら、ここのつづりも間違ってるぞ」
「あう」
バカなのがばれて恥ずかしいなあ。
ノートから顔を上げると笑顔のペンギンと目が合った。
近い!!
一つのノートを覗き込んでるんだから当たり前なんだけど。
ああもう。
そのびっくりした顔が、かっこよすぎる。
「ペン…ギン…?」
「あ、ああ。すまない」
ゆっくりと、ペンギンの顔が離れる。
もったいなかったかな。
なんだか気まずい空気が流れる。
「あの、ペンギン。ここなんだけど…」
「ああそこか。そこの構文は…」
「ああもう!!なんでそこでいかないかあ!!」
「シャチはぐいぐい行き過ぎるからモテねえんだよ」
「せんぱい酷いです!!」
「「…」」
気が付いたら教室の後ろの扉からシャチとロー先輩が野次馬していた。
ペンギンが立ち上がりかつかつと2人に近寄って…
「痛い!!痛いってペンギン!!」
「言いたいことはそれだけか」
「ごめんなさい!!ごめんなさいでした!!」
「…悪かった。悪かったから殺意を向けるな!!」
「先輩。問答無用って言葉、ご存知ですか」
廊下から聞こえる悲鳴に固まっていると、しばらくして
少しやつれたペンギンが戻ってきた。
「つれがすまなかった」
「い、いや、ペンギンが謝ることなんて何もないでしょ」
「帰るか」
「はい」
ペンギンは無表情のまま片付けを始める。
私も慌てて荷物をまとめてペンギンに続く。
教室の前の扉を選んだのは…わざとだよねえ。
振り返ろうとする私をペンギンが制した。
「ほら、早く帰るぞ」
「えっ、あの、シャチは…」
「気になるか?」
「…いえ、何でもないです」
そう返事をすると、ペンギンは私の手首をつかんで前へと歩く。
ペンギンの耳が赤いように見えるのはうぬぼれかな。
追記
廊下を曲がるときに一瞬見てしまったシャチとロー先輩の残骸に
私は心の中で合掌した。
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