揺らいだ恋
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『どうぞ』
「あ、うん、お邪魔します」
久遠くんの部屋に通される
玲音くんの姿が見えない
まさか…
「玲音くんは?」
『玲音は…亜貴の家だ』
「今日は帰ってこないの?」
『帰ってこないな』
「──ぇ」
急に心臓がうるさくなる
居ないんじゃここに長居するわけにもいかない
芹くんが今日の久遠の誘いに行ってもいいと返事はしていたけれど
さすがに家に来ることまではいいとは言わないと思うから
というか思いたい…
『なあ』
「な、なに?」
『さっきの話、考えておいてくれないか』
「ねえ、どうして私なの、かな」
『それ、聞きたいのか?』
「うん…」
『そっか、なら言うな
女とイチャイチャしてる芹ちゃん先輩を見ながらじっと耐えてる純花を何度か見かける度に
あんな表情させたくない
俺が大事にしたいって思ったんだ
気付いたら、好きになってた
好きになるきっかけって、みんなそんなもんだろ?』
「うん…そうだね
でも、芹はあんなだけど、私には凄く優しいんだよ?」
『悪いけどそれは、お前だけにじゃないよな
俺は彼女だけに優しくするのが当たり前だと思ってる』
『今日だってそうだ、普通なら彼女が他の男に飲みに誘われてるのに、あっさり許した、俺なら簡単に許可しない、行かせない』
久遠の価値観は私にとても近いものがある
だから芹が今回いいと言ったことに対しても私には、どうして?と疑問で仕方がなかった
『なあ、本音、話してくれないか、俺は純花の本音が知りたい』
「本音…」
『本当は言いたいことたくさんあるよな?…他にも女がいそうなーー』
「やめて!聞きたくない!」
耳を塞ぐ私の前にくると塞ぐ手を掴み耳から離れていく
『だめだ聞いてもらう』
「だって聞きたくない…認め…たくない…の…ううっ」
涙が流れる
聞きたくなかった
聞いてしまうと本当なんだと思い知らされるから…
『やっと本音が聞けたな』
「うぅぅ…う…」
『ごめんな、辛い思いさせてるよな
でも譲れないんだ今は。
本当にごめん
お前が俺の知らない所で傷付いてるのが嫌なんだ』
そう言いながら私を抱き締める久遠の腕は
更に強くなり
『好きだ』
何度も何度も繰り返す
まるで呪文のように好きって言葉が私の中に入ってくる
『好きだ…純花のことが好きだ』
どんどん入ってくる久遠の気持ちは
私にとって凄く暖かいもので
とまどっていた
すると突然、久遠の携帯が鳴り出した
名前を見て久遠はすぐに出た
『もしもし芹ちゃん先輩?どうしました?』
「そろそろ純花返してくれないか?ちょっと遅すぎだろ、今どこにいる?」
私に視線を移しながら
『言えませんし、返せません
芹ちゃん先輩、俺は純花を愛してます
俺が誰よりも…芹ちゃん先輩よりもこいつを幸せにしたいので
芹ちゃん先輩、純花と別れてください、失礼します』
「なに言って、あっ、おい!」
芹くんの言葉を待たずに電源まで落とした久遠のスマホ
すると私のスマホが鳴り出した
けど、それは久遠の手によって電源を落とされた
『勝手にごめんな』
私は首を横に振る
多分もう引き返せない
私はこのまま…
『なあ、俺の愛が重たいっていうのは知ってるよな?』
「うん…」
『お前を手に入れたら…誰にも渡すつもりないし、ずっと好きでいられる自信だってある
芹ちゃん先輩みたいに彼女がいるのに他の女とイチゃついたりもしない!
純花…俺のものになってくれないか』
段々と近付く久遠の顔
『おれを…受け入れてくれ、な』
小さく掠れた声で囁かれ
唇が近づいた時